生涯いちエンジニアを目指して、ついに半老人になってしまいました。

その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候(20年前と今)コガラの巣作り 

2021年05月26日 07時45分40秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候(20年前と今)       2021.5.26
小満(5月21日から6月5日ころまで)

コガラの巣作り(H21)

 この日は、本当に驚いた。到着してベランダに出ると、チーチーと鳴き声がする。見回してもなにも居ない。それは、ベランダの隅に昨年取り付けた巣箱の中からだった。コガラのヒナがかえっているようだ。




 まさか、眼と鼻の先でおきようとは思わなかったが、どうせならと、巣箱を軒先に取り付けたのだが、やはり、不在の時が長かったからなのだろう。親鳥としても、住人が突然現れても、子供を連れてお引っ越しするわけにもゆくまい。今回は、ベランダの西半分には近づかないようにしよう。

 しかし、写真を撮るのは一苦労だ。コガラは特にすばしっこい。庭に出てみると、親鳥の餌の運び方にはパターンがある。一旦 地デジのアンテナにとまり、辺りを確認してから向きを定めて巣箱に飛び込む。これならデジカメでも映せそうだ。
次の来訪時、親子の姿はすでに無かった。

 あれから12年が経過した。最近は、コガラの姿は見られなくなった。代わりに庭に常駐するのは、ジョウビタキだ。しかし、この小鳥は、地面の放浪が主で、庭の低い木にしか止まらない。巣作りは期待できそうもない。
八ヶ岳南麓の20年間は、住人の顔ぶれが随分と変ったが、それ以上に野生動物の住人が代わってしまった。もう、走り回るリスの姿を見ることはない。
 
 先日、庭の片隅の折れて落ちた枯れ枝の中に、変わったものがあった。なんと、それは牡鹿の忘れ物だった。



こんな忘れ物ならば、大歓迎なのだが、代わりに黒い玉ころも沢山おいてゆく。


蚕起食桑(小満の初候で、5月21日から25日まで)テントウムシの幼虫

2021年05月25日 08時03分51秒 | 八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候
八ヶ岳南麓と世田谷の24節季72候(20年前と今)   

蚕起食桑(小満の初候で、5月21日から25日まで) 蚕が桑を盛んに食べ始める

テントウムシの幼虫(H21)

 八ヶ岳南麓には、東京ではあまり見かけなくなってしまったテントウムシとテントウムシダマシが沢山いる。春の盛りの大発生の時には、ベランダに干した布団に十数匹が群がることもある。ある年には、陽当たりの良いベランダの机の裏で、集団で冬眠をしていた。テントウムシの冬眠を見つけるのは難しい。
この幼虫の成長は早い。毎日、形が変わって、だんだん丸くなってゆく。長い時には何の幼虫か分からないが、丸くなるといかにもテントウムシだ。




 一方で、烏山の庭には湿った所があり、蚊の発生に悩まされている。テントウムシの親を数匹も持ち帰り、何回か庭に放った。翌年には、期待通りにこの幼虫が庭に現れた。芋虫と違い,葉っぱを食べる気配はない。しかし、蚊の発生は余り減らなかったようだ。もう数年、気長に続けてみようと思う。星の数の多いものは、マダラテントウムシ亜科と云って、こいつは草食なので役には立たないのは分かっているのだが。

 このテントウムシの子孫は、その後順調に受け継がれている。毎年、垣根のブラックベリーの葉には、数十匹の幼虫がくっつく。それらは、毎日体の形が変わり、ある日突然、どこかに向かって飛び立ってゆく。

 ある年、庭の梅の木にカイガラムシが大発生した。幹も枝も黒い塊がびっしりついて、手で削り取っても追いつくものではなかった。しかし、その翌年に、この幼虫が大発生して、カイガラムシはそれ以降もう10年ほど発生していない。
 或る種が大発生すると、次の年には、その幼虫を捕食する種が大発生する。自然界の循環の定理通りのことが、目の前で起こるのを見るのは楽しい。