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ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

二代目吉田玉男襲名披露 平成27年4月文楽公演 第1部

2015-04-27 15:15:06 | 文楽
マンションの階段を下りながら、チケットをきちんと持ったかなと確認。すると、なんとチケットが一枚足りない!一緒に封筒に入れていた初日のチケットの半券と間違って捨てたらしいのです。慌てて家に戻って、ゴミ箱からチケットを拾いました。今朝、捨てたからよかったものの・・・。捨てるときはよく見て捨てましょう。って私だけか。家を出た直後に気づいてよかったです。ほうっ。

二代目吉田玉男襲名披露 平成27年4月文楽公演 第一部
●靱猿 うつぼざる
ある大名が太郎冠者を共にして野遊びをしていると、猿曳きに出会います。その猿の毛皮を矢を入れる靱の皮ととして使いたくなった大名は、猿を引き渡せと命令します。大名の要求を断れず、泣く泣く猿曳きは、猿を殺そうと杖を振り上げます。すると、猿はそれを合図だと思い、芸を始めました。殺されるとも知らず懸命に芸をする猿に心を動かされた大名は、猿の命を助けることにします。
猿が軽妙でかわいいです。

●吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名披露口上
19人も舞台にいて(3列になって)人数の多さにビックリしました。歌舞伎の口上のように本人は挨拶をしないのにも驚きました。

●一谷嫩軍記 いちのたにふたばぐんき
《熊谷桜の段》
熊谷の陣屋に熊谷次郎直実の妻相模がやってきます。さらに、平敦盛の母・藤の局が追っ手から逃れてやってきました。相模は宮中に仕えていたとき、藤の局に助けられたことがあります。相模の夫が敦盛を殺した熊谷と知った藤の局は、相模に恩返しに夫を殺せと迫ります。そこへ、梶原平次景高が敦盛の石塔を建てた石屋の弥陀六を引き立てやってきます。相模と局は奥の間へ隠れ、梶原は誰に頼まれて石塔を建てたのかと弥陀六を問い詰めるため、奥へ連れて行きます。
《熊谷陣屋の段》
敦盛の首実検のため首桶を持って出てきた熊谷に、その首を見ようとすがりつく相模と局。しかし、熊谷は二人をはねのけます。そこへ、源義経が現れ、その場で首実検が行われることになります。首桶の中の首は、敦盛ではなく、熊谷の息子小次郎でした。熊谷は、後白河院の血をひく敦盛を助けるためにわが子を犠牲にしたのでした。よくぞ討ったと義経。様子を聞いていた梶原は源頼朝へ注進しようとしますが、弥陀六が投げたのみが当たって死にます。義経は、弥陀六が伏見の里で凍えていた義経や頼朝を助けた平家の侍・弥平兵衛宗清と見抜き、敦盛が隠れている鎧櫃を与えて、旧恩に報います。そして、わが子を手にかけた熊谷は出家するのでした。
玉男さんが熊谷次郎直実を遣って登場したときは、回りを圧倒させるほどの力強さと輝きを感じました。やはり、襲名披露狂言だけあって、大活躍です。桐竹勘十郎さんの遣う藤の局、吉田和生さんの遣う相模ともどもすばらしかったです。

●卅間堂棟由来 さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい
《平太郎住家より木遣り音頭の段》
平太郎とお柳は平太郎の母と5歳になる息子のみどり丸と熊野で暮らしていました。白河法皇が三十三間堂を建てるために柳の大木を伐ることを知り、お柳は驚きます。実は、お柳は平太郎の前世である、なぎの木と夫婦だった柳の精なのです。柳の木が伐られれば、お柳は家族と別れなければなりません。消えたお柳を求めて、柳の木のもとへ急ぐ平太郎とみどり丸。柳は伐り倒され、街道筋で突然動かなくなってしまいます。そこへ、現れた平太郎とみどり丸。みどり丸が木の綱を引くと木は動きだすのでした。
人間国宝吉田蓑助さんが出ると締まりますね。さすがです。お柳の独白の場面で柳の葉がしゅるしゅると降るのです。雪や桜の花びらはありますが、柳の葉は初めて見ました。とても印象的な場面になりました。

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吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名披露 4月文楽公演 第二部

2015-04-05 11:26:28 | 文楽
六甲山は、新芽と桜で全体がぽわぽわしています。今年は、雨と雑事で保久良山に桜を見に行けません。残念です。
うっかり、ポキッと新芽を折ってしまった鯛釣草。大丈夫でした。横から新芽が出てきています。よかった・・・。
薔薇につぼみがついていました。うれしいな。しかし、うどんこ病が発生しています。早く手当てをしてあげないと。

吉田玉女改め二代目吉田玉男襲名披露 4月文楽公演 第二部
平成27年4月4日~26日 国立文楽劇場
●絵本太功記(えほんたいこうき)夕顔棚の段 尼ヶ崎の段
謀反をおこした武智光秀。光秀の母さつきの隠遁先の尼ヶ崎に宿を求めて旅の僧がやってきます。また、孫の十次郎が出陣の許可をもらいにやってきます。討ち死に覚悟の十次郎と許嫁の初菊は祝言をあげ、十次郎は出陣します。風呂が沸き、風呂に入る旅の僧。物陰から見ていた光秀は僧を真柴久吉と見破り、風呂場の外から竹槍で突き刺します。ところが、出てきたのは母のさつき。さつきは、光秀の企みに気がつき、久吉の身替りとなったのでした。そこへ、十次郎が戦場で深手を負い、瀕死の状態で戻ってきます。陣羽織姿で現れた久吉にさつきは息子の罪を少しでも軽くするため身替りになったことを述べ、父のため逆賊として討たれた十次郎と共に息絶えていくのでした。
なんと、結婚前まで私が育った地名が出てくるではないか!それに、桐竹勘十郎さんの遣う武智光秀が秀逸!でも、この演目、なんとなく見たことがあるような・・・。と思っていたら、隣の友人が「桐竹勘十郎さんの襲名披露で見たやろ」 ・・・以前見た演目も初めてのように楽しめました。
死ぬとわかっていて祝言をあげた十次郎と初菊。討ち死を思いとどめるよう懇願する初菊の姿にうるっときました。

●天網島時雨炬燵(てんのあみじましぐれのこたつ)紙屋内の段
紙屋治兵衛は、妻おさんと二人の子がありながら、遊女小春と深い仲になっていました。
小春と別れるという誓詞を書いた治兵衛ですが、炬燵に入って涙を流します。おさんは、小春に治兵衛と別れてくれと頼んだため、小春が治兵衛を愛するがゆえにあきらめ、自害すると思い、身請けのお金を工面しようとします。ところが、おさんの父が現れ、おさんと離縁するように言って、おさんを連れ去ります。そこへ、小春が現れます。丁稚が おさんの言いつけだと言って祝言の用意をします。すると、治兵衛の娘がやってきます。娘の着物には、おさんの字で二人に夫婦になってほしいと書かれ、舅の字でタンスに身請けのお金を入れたと書かれていました。しかし・・・。
二代目玉男さんは、なんと、難しい役に挑戦することよと思いました。ほとんど動かない役でありながら、二人の女性に惚れられる色気を出さないといけないし。最後は、押さえていた激情を表し、前半の静の対比で見事でした。でも、私は、前半にもう少し色気を感じたかったかな。
豊竹咲甫大夫さんの義太夫が、声もよく、聞きやすくて、よかったです。

●伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)火の見櫓の段
八百屋の娘お七は、恋人が探している名刀を手に入れましたが、夜は町の木戸が閉じられ、届けることができません。今日届けなければ、恋人は刀の持ち主の主人に殉死してしまいます。お七は、火事を知らせる火の見櫓の半鐘を鳴らせば、木戸が開かれるのではないかと思いつきます。出火していないのに鐘を打てば火炙りの刑になるにですが、お七は、恋人のため火の見櫓に上るのでした。
真っ赤な襦袢、降りしきる雪、響く義太夫たちの謡、とお七の燃えるような恋心が感じられます。人形遣いなしで人形が火の見櫓の梯子を上っていく様子は見所です。人形が上がっていく仕掛けはわかるのですが、途中で首を動かす仕掛けがハテ?櫓の板をはずして中から遣っているのかしら。

今回は、おもしろくて 途中で全然居眠りしませんでした。初日とあってか、舞台裏から話し声や物音が聞こえたり、舞台の家と木の間がやや開いていて人が通るのが見えたりしました。これも初日ならでは。

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初春文楽公演 第1部

2015-01-25 19:49:39 | 文楽

お正月なので舞台の天井近くに にらみ鯛と羊と書かれた凧が飾ってあります。

●花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)
三味線で人間国宝の鶴澤清治さんが出ます。文楽の魅力の一つは、人間国宝を身近に感じられることでしょうか。文楽一のイケメン 豊竹咲寿大夫さんも出ています。大夫さんのええ声と三味線の音に、私の耳は幸せでした。
〈万才〉
 春 門松が立ち並ぶ商家の前で、万才が舞います。
〈海女〉
 夏 海岸で海女が舞います。そこへ、蛸がやってきて・・・。海女が蛸の頭をたたいたり、蛸が海女の着物の裾をちょいとめくったりと、ユーモラスです。舞台をはけるときに、蛸が手を振るので、思わず私も手を振ってしまいました。
〈関寺小町〉
 秋 荒野原で老女となった小野小町が舞います。人間国宝の吉田文雀さんが、情感たっぷりに人形を遣います。
〈鷺娘〉
 冬 雪景色の中、鷺の精である娘が舞います。娘は、白、ピンク、再び白と着物を替えます。

●彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)
文楽は「実は○○」などと同一人物がいろんな顔を持っていることが多く、しかも意外なところで人間関係がつながっているので、ややこしくて粗筋が書きにくいのです。おいしい日本橋藤久さんの幕の内弁当を食べた後なので、ついウトウトしてしまいました。
いつも感心することなのですが、人形を三人で遣っているのに(右手とかしらを遣う主遣い、左手を遣う左遣いさんと足遣いさんです)動きがスムーズで本当の人間のように見えること。人形なのに、表情豊かに見えること。すごい技です。

●義経千本桜 道行初音旅(よしつねせんぼんざくら みちゆきはつねのたび)
義経に会うために静御前は桜満開の吉野山へ。静御前が初音の鼓を打つとどこからともなく狐が現れ、狐が姿を消すと佐藤忠信が現れます。二人は源平合戦を思いながら、舞います。佐藤忠信は実は、偽の忠信で初音の鼓にされた狐夫婦の子ども。初音の鼓を慕っているという設定です。
白地に赤い狐火?の柄の着物を着た吉田幸助さんが、狐を遣います。狐が消えたと思ったら、今度は緑地の裃袴に着替えた幸助さんが、セリから佐藤忠信を持って登場!主遣いさんも早着替えをするんですね。静御前もお着替えをいっぱいしますし、静御前が投げる扇を佐藤忠信がキャッチするという振りもあります。桜満開の舞台で、美しい静御前とイケメン忠信が踊る美しい演目です。
三味線の人間国宝の鶴澤寛治さんが出ています。藤蔵襲名披露の時に一緒に写真を撮ってくださった鶴澤藤蔵さんも出ています。一緒に写真を撮ってくださったので、なんか応援してしまいます。それから、私の好きな竹本津駒大夫さんも出ています。

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