仕事に行く用意をしながら、サタプラを途中まで見る。その前の番組「サワコの朝」も興味があったら見ている。今日は途中から見出したら、視聴が止まらなくなってしまった。ゲストは元厚生労働事務次官・村木厚子さん。2009年、虚偽公文書作成の容疑で逮捕。164日の拘留の後、無罪となった。あのえん罪で話題になった人だ。
当時、官僚は悪というイメージがあったが、一貫して「やっていない」と言って無罪になったので、強い人だなと思った記憶がある。でも、阿川佐和子さんと話している姿は、優しく、どことなくユーモアがある感じの人。
事件は、実体のない障がい者団体が郵便の割引制度を受けるために、国会議員に口添えを依頼。国会議員が元部長に口添えし、村木さんが議員案件として部下に虚偽公文書作成を指示したというもの。(う~ん、誰かが共謀して村木さんを陥れた事件だったような気がしたけれども、思い違いか)
164日の拘留を一貫して無実を訴え、がんばれたのは、なぜなのか?
父親に「(仕事の事情で)やったのか?」と聞かれ、「やっていない」と答えると「徹底的に戦え!」と言われたこと。
弁護士さんが、面会時に「真実を貫け」といういう文字とその下に同僚や友達の名前が書かれた紙をアクリル板ごしに見せられたこと。
拘置所内では、「本当はやったんじゃないの?」という噂が聞こえてこなかったこと。
そして、「一喜一憂はしまい」「泣いても怒ってもいいことはない」と心穏やかに過ごそうと思ったこと。
拘置所の食事で秋刀魚が出て「季節を取り入れてるな」と思ったとか、拘留中に肌がきれいになったとか、村木さん自身のユーモアとうか気の持ちようもよかったのではないか。
取り調べでは検事に「執行猶予がつけば、大した罪じゃない」と言われたという。「実刑がつかなければ、さっさと罪を認めて社会に出て、やり直せるじゃない」みたいなことを言われたらしい。村木さんは「クロはクロですよね」「検事さんの常識は狂っている」と泣いて猛抗議したらしい。休憩をはさんで、検事が「村木さんは検事の常識が狂っていると言ったけれども、そうかもしれない」と言ったとか。するとなんと村木さんは「職業病ですよね」と答えたという。いやいや、そこ、そんなこと言うところちゃうやん!と思って笑ってしまった。
閉じられた社会、仲間内の世界では世間の常識とズレることはよくあること。「企業の常識は、世間の非常識」と消費者問題の相談員がよく言う言葉がある。企業のところは、検事とか教師とか、いろんなところに置き替えができそうだ。
家族や同僚、友だちが村木さんを信じてくれていたのは大きいという。しかし、途中で、ちゃんとがんばらないと、娘たちが将来何かがあった時に「あの時、お母さんも頑張れなかった」と思ってくじけたら大変だと思ったとか。娘のことを思ったら「大丈夫」「最後まで毅然としていよう」と思ったと言うのを聞いて、私は泣いてしまった。(ちなみに、夫は家事もできたし、家族を守ってくれたので安心して戦えたそう)
『冤罪 女たちのたたかい』を読んだ時に、厳しい取り調べに折れて嘘の自供をし、後で無罪を主張しても、無罪を獲得するのに大変なことを知ったので よけい「よく頑張った!」と思ってしまう。
信じてくれているというのがどんなに大切なことか。ふりかえって私に何かあった時に「彼女はそんなことをする人ではない」と言い切ってくれる友や同僚はいるだろうか?
村木さんは、現在、瀬戸内寂聴とともに若草プロジェクトに取り組んでいる。若草プロジェクトとは、生きづらさを抱える少女や若い女性を支援する取り組み。虐待などを生き延びた子どもは、非行や家出に走りがちで自分自身を悪い子だと思いがちだが、助ける大人もいることを伝えたいという。
村木さんの優しそうだが芯の強い姿、ユーモアのある姿がとても魅力的だった。
興味のある方はサワコの朝のホームページへ。9月7日7時59分まで見逃し配信がある。
当時、官僚は悪というイメージがあったが、一貫して「やっていない」と言って無罪になったので、強い人だなと思った記憶がある。でも、阿川佐和子さんと話している姿は、優しく、どことなくユーモアがある感じの人。
事件は、実体のない障がい者団体が郵便の割引制度を受けるために、国会議員に口添えを依頼。国会議員が元部長に口添えし、村木さんが議員案件として部下に虚偽公文書作成を指示したというもの。(う~ん、誰かが共謀して村木さんを陥れた事件だったような気がしたけれども、思い違いか)
164日の拘留を一貫して無実を訴え、がんばれたのは、なぜなのか?
父親に「(仕事の事情で)やったのか?」と聞かれ、「やっていない」と答えると「徹底的に戦え!」と言われたこと。
弁護士さんが、面会時に「真実を貫け」といういう文字とその下に同僚や友達の名前が書かれた紙をアクリル板ごしに見せられたこと。
拘置所内では、「本当はやったんじゃないの?」という噂が聞こえてこなかったこと。
そして、「一喜一憂はしまい」「泣いても怒ってもいいことはない」と心穏やかに過ごそうと思ったこと。
拘置所の食事で秋刀魚が出て「季節を取り入れてるな」と思ったとか、拘留中に肌がきれいになったとか、村木さん自身のユーモアとうか気の持ちようもよかったのではないか。
取り調べでは検事に「執行猶予がつけば、大した罪じゃない」と言われたという。「実刑がつかなければ、さっさと罪を認めて社会に出て、やり直せるじゃない」みたいなことを言われたらしい。村木さんは「クロはクロですよね」「検事さんの常識は狂っている」と泣いて猛抗議したらしい。休憩をはさんで、検事が「村木さんは検事の常識が狂っていると言ったけれども、そうかもしれない」と言ったとか。するとなんと村木さんは「職業病ですよね」と答えたという。いやいや、そこ、そんなこと言うところちゃうやん!と思って笑ってしまった。
閉じられた社会、仲間内の世界では世間の常識とズレることはよくあること。「企業の常識は、世間の非常識」と消費者問題の相談員がよく言う言葉がある。企業のところは、検事とか教師とか、いろんなところに置き替えができそうだ。
家族や同僚、友だちが村木さんを信じてくれていたのは大きいという。しかし、途中で、ちゃんとがんばらないと、娘たちが将来何かがあった時に「あの時、お母さんも頑張れなかった」と思ってくじけたら大変だと思ったとか。娘のことを思ったら「大丈夫」「最後まで毅然としていよう」と思ったと言うのを聞いて、私は泣いてしまった。(ちなみに、夫は家事もできたし、家族を守ってくれたので安心して戦えたそう)
『冤罪 女たちのたたかい』を読んだ時に、厳しい取り調べに折れて嘘の自供をし、後で無罪を主張しても、無罪を獲得するのに大変なことを知ったので よけい「よく頑張った!」と思ってしまう。
信じてくれているというのがどんなに大切なことか。ふりかえって私に何かあった時に「彼女はそんなことをする人ではない」と言い切ってくれる友や同僚はいるだろうか?
村木さんは、現在、瀬戸内寂聴とともに若草プロジェクトに取り組んでいる。若草プロジェクトとは、生きづらさを抱える少女や若い女性を支援する取り組み。虐待などを生き延びた子どもは、非行や家出に走りがちで自分自身を悪い子だと思いがちだが、助ける大人もいることを伝えたいという。
村木さんの優しそうだが芯の強い姿、ユーモアのある姿がとても魅力的だった。
興味のある方はサワコの朝のホームページへ。9月7日7時59分まで見逃し配信がある。