ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

4年ぶりに父と会う

2023-11-18 20:53:35 | 日記
 帰省しようとすると「コロナが流行っているから」「インフルエンザが流行っているから」と帰省に反対する母。しかし、父が寝ている時間が長くなり、食欲が落ちていると聞くと「生きているうちに父に会いたい」と思ってしまう。会っとかないと。死んでから会ったのでは遅い。12月になるとインフルエンザが流行って施設が閉鎖されるかもしれない。今しかない。母に「今回は、あなたが反対しても絶対帰る。お父さんに会っとかないと後悔するから」と伝えた。すると、母は「わかった。いいよ」  ということで、二泊三日で大分に帰省。

 駅で従妹のお嫁さんが車で拾ってくれ、そのまま施設へ。ちょうど父は起きていた。「お父さん、私。来たよ」「お父さん、調子はどう?」「お父さんのひ孫の写真持ってきたよ。来年の春か夏に来るから待っててよ」「大好きな阪神が日本一になってよかったね」いくら話しかけても、口をパクパクさせるだけで、声は出ない。一言「あ」とだけ絞り出した。
 「お父さん、最後に握手しよう」と声をかけるが、布団から手を出さない。布団をめくると、手がパンパンに浮腫んでいた。冷たい手を握ると父は手を握り返してきた。「お父さん、来たん、わかってんねんな」うれしかった。

 帰りに看護師長さんと話す。「反応ないようでも、聞こえているから励ましてあげてね」「お父さん、娘さんに会えて喜んでるよ、よかったね」と声をかけてくれる。私は父が手を握り返してくれたことが嬉しくて胸が一杯だった。(後で母から「娘が会いたいと言っている」と相談すると看護師長さんが「今のうちに ぜひ 会わせてあげなさい」と言ってくれたと聞いた)

 神戸に帰る日、帰りの電車に乗る前にも、従妹のお嫁さんに施設に連れて行ってもらった。今度は、寝ていた。いくら呼んでも、動画で孫の声を聞かせても起きなかった。手を握っても握り返さなかった。寝ているときは、何をしても起きないと母が言っていたが、その通りだった。でも、帰る前に一目会えてよかった。初日に、起きている状態の父に会えてよかったとしみじみと思った。

 父に会えてよかった。

 
 
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『くもをさがす』『銀のうでのオットー』

2023-11-14 22:59:55 | 
『くもをさがす』 西加奈子 河出書房新社
 コロナ禍でカナダ在住の西さんの乳がん闘病記。
 関西弁を話すカナダ人がおかしい。(実際は、英語をしゃべっているのだが、西さんが関西弁に変換している)
 日本人とカナダ人の違いなど、作家としての考察に考えさせられた。日本の物理的狭さが豊かさを奪い、他者を尊重できなくなっているのでは?とか。日本人は情でカナダ人は愛であるとか。
 また、友達が食事を持ってくるなどのカナダ人の優しさが自然で驚く。日本人は自分たちで何とかしようと気負わず「助けて」と他人にもっと言ってもいいという言葉にハッとした。
 ガンの告知はトラウマになり、治療が終わってから症状が出ることが多いと書いてあり、またまたビックリ。
 最後のほうで、西さん以外の乳ガンサバイバーの気持ちや人生観がつらつらと書いてあり、それぞれの言葉に実感がこもっており、心を揺さぶられた。
 一番心に残ったのは、「私は私。自分が自分自身がどう思うかが大切」自分の身体のことも自分の声に耳を澄ますのだ。

『銀のうでのオットー』 ハワード・パイル 渡辺茂男訳 童話館出版
 13世紀のドイツ、略奪や争いがくり返される暗黒の時代に戦いにあけくれる城主の館に生まれた少年オットーが運命にもてあそばれながらも愛と知恵をもって平和を求めていく姿をえがいた傑作歴史物語。
 児童書。格調高い文体にグイグイと引き込まれた。作者自身の挿絵が話とあって、とてもいい。
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「時代の解凍」

2023-11-13 23:32:51 | 美術鑑賞
「時代の解凍」 2023年10月28日-2024年2月4日 芦屋市立美術博物館
開館時間:10:00~17:00  休館日:月曜日、2023年12月28日~2024年1月4日


山﨑つる子<作品>  山﨑つる子さんの作品の色の塗り方順を考察した藤本さんの<y-memo>もおもしろかった

 関西を拠点に活躍する藤本由紀夫、高橋耕平、野原万里絵、黒田大スケが芦屋市立美術博物館のコレクションから注目する作家を選び、その作家像と作品を様々な方法で読み解いていく。
 私好みの展覧会だった。

【高橋耕平/津高和一】

高橋耕平<目の交換、視線の先、彼岸と此処との間を>

写真の上に様々な物が乗っているが、違和感がない。


津高和一<声> 好きな作品


津高和一 好きな作品

【野原万里絵/山田正亮】

野原万里絵<往復の方法> 好き


山田正亮<WORK F.1> 色がいい

【藤本由紀夫/山﨑つる子】

藤本由紀夫 くるくる回る器の中でビー玉が崩れて音を立てる。おもしろい。


藤本由紀夫 ブリキに山﨑つる子さんの赤色を塗り、その前に立つタンタンの人形。タンタンの人形の影が見る人が近づくと一つになったり、二つになったり、動いたり。影もご馳走だった。

【黒田大スケ/田中敦子、堀内正和、柳原義達、エミール=アントワーヌ・ブールデル】
●黒田大スケ 顔に顔をペイント。口は本人の口。目は鼻の穴にティッシュを詰めて?黒い眼玉を描いている。口が動くのでリアル。おもしろい。
●堀内正和<作品-B-> 好きな作品
●エミール=アントワーヌ・ブールデル<デモステネス> 好きな作品

 余談だが、ジュンク堂のブックカバーが津高和一さんの画と知った。また、津高さんは、阪神淡路大震災で亡くなったと知ってまた驚いた。
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写真de俳句「廃遊園地」で人

2023-11-11 22:36:03 | 俳句
 写真de俳句「廃遊園地」で人をいただきました。ありがとうございました。

滝の音煉瓦造りの発電所
秋の暮廃墟ホテルの白カーテン
                丸山隆子

煉瓦造りの発電所は、大分県の沈堕発電所跡を。廃墟ホテルは、摩耶観光ホテルや六甲オリエンタルホテルを思いながら作りました。
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「竹内栖鳳」

2023-11-10 23:22:17 | 美術鑑賞
 先週、行った京都の続き。

「竹内栖鳳 破壊と創生のエネルギー」 2023年10月7日~12月3日 京都市京セラ美術館
開館時間:午前10時~午後6時  休館日:月曜日



虎・獅子図  後期展示のため見られず


絵になる最初  後期展示のため見られず

●金獅  勇猛な感じ。
●象図  象がドドーンと。でかい。
●羅馬遺跡図  廃墟感が好き。
●富士図  一気に描いて、勢いがある
●漁村松濤  青が美しい
●南清風色  異国情緒がいい
●夏鹿  はつらつとしている鹿たち

よかった。
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