ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

「デ・キリコ展」

2024-12-06 23:19:38 | 美術鑑賞
「デ・キリコ展」 2024.9.14-12.8 神戸市立博物館
開館時間/9:30-17:30(金・土曜日は、20:00まで) 休館日/月曜日 


 イタリア人の両親のもとギリシャで生を受けたジョルジョ・デ・キリコ(1888-1978)。1910年頃から、簡潔明瞭な構成で広場や室内を描きながらも、歪んだ遠近法、脈絡のないモティーフの配置、幻想的な雰囲気によって、日常の奥に潜む非日常を表した絵画を描き始める。後に「形而上絵画」と名付けた1910年代の作品は、サルバドール・ダリやルネ・マグリットといったシュルレアリスムの画家をはじめ、数多くの芸術家に衝撃を与えた。1919年以降は伝統的な絵画技法に興味を抱くようになり、古典絵画の様式へと回帰。それと同時に以前の形而上絵画の題材を取り上げた作品も頻繁に制作するなど、90歳で亡くなるまで創作を続けた。


 キリコと言えば、「通りの神秘と憂愁」(誰もいない通りを女の子が輪回しをしている画)を思い出す。不思議さ、不気味さ、懐かしさ、静寂を感じる画風だが、さて?
 私は、マヌカンの絵は生理的に受け付けなかったが、他は不思議さや怪奇さを堪能した。


「17世紀の衣裳をまとった公園での自画像」 衣装の生地の手触りなどわかる感じ。さすが上手い。


「球体とビスケットのある形而上的室内」 青が鮮やか。好き。


「孤独のハーモニー」 S字型のくるりんとしたモチーフがきになる


「予言者」

「形而上的なミューズたち」
私は知らなかったが、キリコと言えば、このマヌカン(マネキン)らしい。表情がないから、なんか不気味。自分の心情でどのような顔にも見えるからかな。


「風景の中で水浴する女たちと赤い布」 古典絵画へ回帰したときの作品。


「瞑想する人」 上半身を大きく、下半身を小さくすることで威厳を表しているらしい。


「オデッセウスの帰還」 一番好きな作品。部屋の中に水とボート、なんで?感が好き。


「燃えつきた太陽のある形而上的室内」

●「山上への行列」 黒い塊のように見える黒い服を着た人たちが坂道を上がる。なぜか心惹かれる。
●「バラ色の塔のあるイタリア広場」 キリコの絵によく出るアーチ状の建物。建物の端から見える影は、誰?
●「福音書的な静物」 濃い青が印象的
●「ダヴィデの手がある形而上的室内」 描かれているモチーフももちろんだが、窓から見える風景がまた不思議。
●「谷間の家具」 アテネでは、地震がある度に家具を路上に出したらしい。それが着想のヒントらしいが、屋外にある家具は違和感。そこが狙いか。
●「岩場の風景の中の静物」 古典絵画回帰作品だが。葡萄だけど、葡萄に見えないような
●「鎧とスイカ」 割れたスイカが人の頭のように感じられて不穏。
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「シン・東洋陶磁」

2024-12-04 22:28:37 | 美術鑑賞
9月の終わりに行った美術展の感想。9月は、悪阻に苦しむ娘のところへ週に一回通っていたな。

「シン・東洋陶磁」 2024.4.12-9.29 大阪市立東洋陶磁美術館
 1982年オープンの東洋陶磁美術館が2年間の改修工事を終えて、リニューアルオープン。タイトルの「シン」には、「新」たなミュージアムへと歩み始めること、「真」の美しさとの出会い、「心」がワクワクする鑑賞体験をという三つの願いが込めらているのだとか。
 展示構成から好きなものを紹介。

1.天下無敵

青磁彫刻童形水滴 かわいい。左は、重要文化財


油滴天目 国宝 美しい

2.翡色幽玄 高麗青磁

青磁象嵌雲鶴文梅瓶 一番好き


青磁陽刻菊花文碗 ねじり花がいい

3.粉青尚白 朝鮮時代前期を代表する粉青(日本でいう三島)

青花草花文面取瓶 シンプルだけどいい


粉青掻落牡丹文瓶 牡丹と魚が不思議な感じ

4.清廉美白 朝鮮時代の白磁

青花草花文面取瓶 シンプルだけどいい


白磁陽刻四君子文角瓶 

5.優艶質朴 李秉昌コレクション韓国陶磁

青磁印花宝相華唐草文碗 好き


青磁象嵌雲鶴文碗 好き

6.陶魂無比 日本の陶磁

色絵椿文輪花向付け 尾形乾山


織部耳付小壺


志野草花文四方火入

7.陶花爛漫 李秉昌コレクション中国陶磁

青磁果実形連盒 形がおもしろい

8.喜土愛楽 現代陶芸コレクション

街(高い所の家) 川﨑毅

9.明器幽遠 古代中国の墓に見られる副葬専用の器物である「明器」

青磁刻花牡丹唐草文瓶 重要文化財 


白磁銹花牡丹唐草文瓶 重要文化財


木葉天目茶碗

10.天青無窮 宋時代の青磁

青磁水仙盆 


青磁鳳凰耳花生 重要文化財


飛青磁花生 国宝 色が美しい

11.皇帝万歳 元から明時代の中国陶磁

青花牡丹唐草文盤 重要文化財 美しい


青花枇杷鳥文盤 重要文化財 縁の波々が素敵

12.百鼻繚乱 粉末状嗅ぎタバコ用の小型容器である鼻煙壺のコレクション

五彩昆虫文鼻煙壺


ガラス上絵暗八仙鼻煙壺 暗八仙とは、道教の八人の仙人を象徴し、神通力を持つアイテム。左は、剣、中は瓢箪、右は花かご。

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神戸六甲ミーツアート2024 beyond

2024-12-03 13:38:48 | 美術鑑賞
神戸六甲ミーツアート2024 beyond 2024.8.24-11.24 六甲山
 今年も神戸六甲ミーツアートへ。神戸サイレンスリゾートとトレイルエリアの一部、旧六甲スカイヴィラは、行かず。なんか元気がなかったのだ。孫の世話疲れ???孫はかわいいけれども、老いていくおばあちゃんは元気を吸い取られるのか。

<六甲ケーブル>

赤と緑の行き違い 周逸喬


ニューノーモン:新たな大地のための日時計 布施琳太郎 

混む前にグラニットカフェで早めのランチ

六甲山やまみつオムカレー(スープ・ドリンクバー付) 六甲山で採れるはちみつ・やまみつに惹かれた。甘いかと思ったら、意外にスパイシーで美味しかった。スマホで注文することに驚いていたら、妹がしてくれた。よかった~。


行った日は天気がよくて大阪湾の向こう側まで見えた

<トレイルエリア>
トレイルエリアへの入り口がわからず迷う。しかも、地図に10分程度と書いてあったので軽い気持ちで行ったら、結構山道で驚く。

イノシシ村のお願い 水田雅也 突然、現れる「イノシシに餌をやらないで」などの警告。てんこもりの警告に「ここまでせなあかんかなあ」と思っていたら、作品だった。公募大賞グランプリ


六甲おろさない 松田修 「六甲おろし」と言う言葉があるが.「六甲おろさない」山から吹く六甲おろしを吹き戻すように扇風機が回る。 オーディエンス賞第二位

<六甲山高山植物園>

足もとの惑星 野村由香 神戸市長賞


Wind of Plants Hil lHAFEN 本田耕 好き。兵庫宅建ハートマーク賞


雉は鳴かずにいられない 田中 優菜 カラフル。奨励賞


今年も藤袴に来たアサギマダラに会えた。結構、木の近くで乱舞していた。


<ROKKO森の音ミュージアム>
のんさんの作品 


好き。リボンアートがのんさんと合っていいて、いい。でも、ちょっとエロイ感じもあって、ドキリとする。



2人の秘密の間を過ごす 髙橋瑠璃 かわいい。 有馬温泉太閤の湯賞 オーディエンス賞第一位

道に埋め込まれている石の目や口の部分に誰かが団栗を置いていた。団栗がなかったら、作品と気付かなかったかも。 

<風の教会エリア>



高田治 大好き。


鈴木将弘 一見、何の変哲もないと思っていたが、映像で一から全部手作りと知って驚いた。土や石を人力で運ぶってすごい。


辻の音 宮永愛子 かわいい。かわいいオブジェがあちこちに散りばめられている。

<六甲山芸術センター>

電球都市:神戸六甲景 村上 郁 神戸市長賞 電球の中には・・・


小畑亮平 発光しているのがきれいなような不気味なような


私の表面 城戸みゆき 好きな作品 神戸市長賞


机上の庭園-わたしの住まうところ2024 青野文昭 なんか気持ち悪いけど好き。六甲山に取り残されていたもので再構築。



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「吟遊詩人の世界」

2024-12-02 15:32:00 | 美術鑑賞
「吟遊詩人の世界」 2024年9月19日-12月10日 国立民族学博物館
時間=10:00-17:00  休館日=水曜日

エチオピアの吟遊詩人 アズマリ
 各地を広範に移動し、詩歌を歌い語る「吟遊詩人」は、古くから存在した。王族や貴族の系譜の語り部、戦場で兵士を鼓舞する楽士、権力者を揶揄する批評家、道化師、庶民の代弁者、ニュースを伝えるメディア、門つけ芸人。畏怖の対象にされたり、社会の縁に追いやられたりした吟遊詩人の世界。 
 西洋はなく、東洋の吟遊詩人を紹介、ちなみに日本は、瞽女(ごぜ) 現代にも吟遊詩人がいることを知って驚いた、また、吟遊詩人が現代のラッパーに続くのがおもしろいと思った。

エチオピア

お弁当箱 お洒落


弦楽器ヴェゲナ 大きい

インド

鍵盤楽器ハルモニウム  水色部分が空気を送るところかな

ポト絵 絵語り師ポトゥアが絵を見せてコロナウイルス対策を教えている

日本 

瞽女 娯楽の少ない農村に唄を届けるエンターテイナー

モンゴル トーリチはモンゴルの吟遊詩人

トーりチ衣裳と弦楽器トプショール 

シャーマンの衣裳、太鼓とばち モンゴル シャーマンは韻を踏みながら歌い語る

コートジボワール グリオは、13世紀に誕生し栄えたマリ帝国の建国物語である「スンジャタ叙事詩」を語る吟遊詩人
 
グリオのステージ衣装 

グリオのステージ衣装 美しい

グリオの楽器

「国立民族学博物館」
 所蔵品多い。おもしろいと見ていたら、数が多すぎて時間は足りないし、疲れるし。


石貨 ミクロネシア 


羽毛貨 ソロモン諸島 鳥の羽でできたお金


海図 マーシャル諸島 貝は島、枝は海流やうねりを表しているらしい


人肉食用フォーク ひぇ~。大人への通過儀礼や相手の力を自分に取り込むために人肉を食べたらしい。


シェラー オーストリア チロル地方のカーニバルの仮面と衣装。なまはげみたいな行事をするらしい。絵本『ウルスリのすず』を思い出す。

バター作り用具

フランス ハンドルを回し回転するやり方

フィンランド 攪拌棒を上下するやり方

揺らす方式

ブータン バター作り皮袋 床で揺らして作る。牧畜で移動が多いため、携帯性に優れたものが重宝されたらしい。


馬頭琴 モンゴル 『スーホの白い馬』を思い出す


日本 目の病を治す願掛け用の絵馬。Snow Manファンの私は、どうしても「めめ(目黒くん)」と思ってしまう。
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「塩田千春 つながる私 I to EYE」

2024-11-30 22:27:39 | 美術鑑賞
 前に行ったが、忙しくて感想が書けなかった美術展の感想

「塩田千春 つながる私 I to EYE」 2024.9/14-12/1 大阪中之島美術館
開館時間/午前10時~午後5時  休館日/月曜日

大好きな塩田千春さんの展覧会。やっぱり、よかった。圧倒的だった。



始めからこれ!もう、つかみはOK。


「インターナルライン」 迷路のように中の通路を通って展覧会の入口へ。


「巡る記憶」 水がポタ、ポタと垂れている。不思議な世界に引き込まれる。


「終わりのない線」 好きな作品


「家から家」 糸でできた赤い家


「多様な現実」 クルクル回る白いドレスやオブジェ。遠心力で広がるドレスの裾が美しい。


「つながる輪」 壮大


影もいい


「他者の自分」 怖い物見たさで見てしまう

ちなみに過去の作品展の感想 クリックしてね
東京・森美術館

岸和田・自泉会館
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