TBS系列の月曜夜8時枠にて、2012年の春シーズンに全12話、2013年の冬シーズンに全10話が放映された『ハンチョウ』シリーズの第5弾&第6弾。原作は今野 敏、制作はTBS&ドリマックス。
所轄の神南署から警視庁に新設された「特捜一係」へ異動となった安積警部補(佐々木蔵之介)が、まったくアウェイな状況から係長としてチームをまとめていく姿を縦軸に、それまでの人情路線よりハードな世界観で事件捜査が描かれます。
かつてボンクラ上司の命令に従ったばかりに相棒を殉職させてしまったトラウマから命令無視を繰り返す、スコッチ的な一匹狼キャラ=尾崎警部補(小澤征悦)、短気な性格ですぐに暴走しちゃう紅一点=結城刑事(比嘉愛未)、気弱な性格でミスばかりする若手=小池刑事(福士誠治)と、なんとも扱いづらい部下ばかりの新チームに、さすがの人格者=安積班長も今回は手を焼きまくります。
また、特捜一係を創設した張本人の刑事部長=川口警視監(里見浩太朗)がその目的をなかなか明かさなかったり等、シリーズを通して謎を引っ張る今どきの(小賢しい)手法が目立つのが、シンプルだった前シリーズに昭和ドラマ(というか太陽にほえろ!)のスピリットを感じた私としては残念なところ。そのへんはまぁ、時代の流れとして受け入れるしかありません。
なお、第5シリーズの終結をもって特捜一係が解散となり、第6シリーズで再結集(新設の押上分署にチームごと異動)する流れは、後にテレ朝の『警視庁捜査一課9係』→『特捜9』シリーズや『刑事7人』シリーズ等でも見られます。特に前者で解散した9係を特捜班として再結集させる警視総監を、これまた里見浩太朗さんが演じてるもんだから既視感がハンパないですw(果たして偶然なのかスタッフのお遊びなのか?)
ほか、警視庁初の女性捜査一課長に高島礼子、鑑識課員に六平直政、加藤夏希、押上分署刑事課の課長に升毅、押上の町医者に橋爪功、交番巡査に林家正蔵、居酒屋オヤジに金田明夫、といったレギュラーキャスト陣。
女性刑事が「結城」や「真山」だったり、若手刑事が「小池竜也」、おまけに居酒屋のオヤジが「徳吉幸吉」だったり等、昭和の刑事ドラマフェチならニヤリとせずにいられない役名が散見されるのと、あと安積たちが今どきベレッタやガバメント等のいかつい拳銃を使ってるのは、たぶんメインライター=大川俊道さんの仕業ですw
放映枠(パナソニック・ドラマシアター)そのものが第6シリーズ終了をもって廃止され、2019年現在のところ『ハンチョウ』シリーズ再開の噂は聞きません。
佐々木蔵之介さんもお忙しいだろうし、無理をして続ける必要は無いけれど、ちっとも面白味がない『刑事7人』みたいなシリーズを惰性で続けるぐらいなら、私は安積班のその後を見せて欲しいです。