ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『全領域異常解決室』2024

2024-10-26 19:05:10 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年秋シーズン、フジテレビ系列の「水曜22時枠」でスタートした、フジテレビ&共同テレビ制作、黒岩勉脚本による異色のミステリードラマ。

“神隠し” “あやかし” “狐憑き”などの仕業と云われ、超常現象として世間を騒がす不可解な事件を、内閣官房から直接要請を受けて解決に導く“全領域異常解決室”=通称「ゼンケツ」。

大和朝廷時代から存続してる世界最古の調査機関という設定で、アメリカの国防総省にはそういう組織が実在するそうです。

そんな「ゼンケツ」令和日本バージョンが、にわかに頻発してきた不可思議事件の数々を解決に導きながら、事件への関与を仄めかす謎の人物あるいは組織「蛭児 (ヒルコ) 」と対峙していきます。


超常現象の造詣が深く、刑事じゃないのに刑事以上の洞察力や行動力を持つゼンケツの室長代理=興玉 雅(おきたま みやび)に、 藤原竜也。


なぜか「素質がある」と見込まれ、警視庁音楽隊からゼンケツに出向させられて興玉のバディとなった警察官=雨野小夢(あまの こゆめ)に、広瀬アリス。



いつも興玉に振り回されピンチに立たされてばかりで“素質”の片鱗も見られない小夢だけど、だからこそ実は凄い才能(たぶんヒルコに匹敵する霊力みたいなもの)を秘めてる匂いがします。


警視庁捜査一課のベテラン警部で、不本意ながら「ヒルコ専従班」の指揮並びにゼンケツへの全面協力を余儀なくされた荒波班長に、ユースケ・サンタマリア。


その部下で、やはりゼンケツを胡散臭く思ってる二宮警部補に、成海璃子。


内閣との橋渡し役で、どうやらヒルコとも繋がってるらしいゼンケツ局長の宇喜之に、小日向文世。


そしてヒルコと深い関わりがある謎の巫女、あるいはヒルコそのものかも知れない豊玉妃花(とよたま ひめか)に、福本莉子。

ほか、迫田孝也、柿澤勇人、中野剛といったレギュラーキャストに、吉村界人、志田未来、工藤美桜、林泰文、黒沢あすか、山口紗弥加、山田キヌヲ、神保悟志etcといったゲスト陣が絡んできます。(第3話まで)



SFやオカルトを取り入れた捜査ドラマは決して目新しくないし、下手すると陳腐なもんになりかねないけど、これはイイ線いってると思います。魅力的なキャストが揃ってるし、リアルとファンタジー、シリアスとユーモアのバランス、そのサジ加減にもセンスを感じます。

藤原竜也&広瀬アリスがバディを組んで超常現象の解明に挑む。それだけで少なくとも私はそそられるし、福山雅治&柴咲コウのアレや阿部寛&仲間由紀恵のソレも面白かったし。

ただしディーン・フジオカのソレはディーン・フジオカだけにアレだったんで、やっぱりコレはかなりハードルの高いジャンル。もうちょっと先まで観ないとジャッジは下せません。

と言うのも実は、ふだん私が判断基準にしてる“最初の2話”をうっかり観逃してしまい、今回は第3話のみの印象で書いてますm(_ _)m ちょうど『インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル』と同じネタを扱ったエピソードなので、点数が甘くなっちゃってるかも?

まあ脚本が『ラストマン/全盲の捜査官』(’23) の黒岩勉さんですから、この先も空振り三振はまず無いでしょう。

セクシーショットは広瀬アリスさん、成海璃子さん、福本莉子さんです。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『オクラ/迷宮入り事件捜査』2024

2024-10-20 18:18:06 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年秋シーズン、フジテレビ系列の「火曜9時」枠でスタートした、フジテレビ&FILMの制作によるオリジナルドラマ。

いやはや…… 『警視庁考察一課』『潜入兄妹』のバカバカしさやオーバーアクトは「創り手があえてそうしてる」とポジティブに捉えた私だけど、これはちょっと……です。



元は警視庁捜査一課強行犯係のエースだったのに、現在はお蔵入り事件の情報管理(パソコン入力)だけが仕事の“刑事の墓場”=通称「オクラ」こと特命捜査情報管理室に所属する警部補の飛鷹千寿(反町隆史)は、一見人情に厚く「捜査は足で稼ぐ」がモットーの典型的“昭和デカ”なんだけど……



実は法の網をかい潜った悪党どもに「目には目を」の制裁を加えるべく、闇ルートで情報を集め、証拠を捏造して逮捕に追い込む“正義の悪徳刑事”だった!

飛鷹がそうなったのは過去に相棒刑事を惨殺した犯人が野放しにされてるからで、恐らくそんな飛鷹と似たような闇を抱えて「オクラ」に飛ばされて来た新任刑事=不破利己(杉野遥亮)は、いち早くその正体に気づきます。



当然、最初は刑事として飛鷹の違法行為が許せなかった不破だけど、それ以上に許しがたい犯罪者たちがまだまだ野放しにされてる理不尽を目の当たりにし、いったい何が正義なのか分からなくなって来ちゃう。

その答えを見つけたい不破は、やがて飛鷹と共犯関係になって行くのでした。



元ヤンキーでマルボー出身の武闘派刑事=結城倫子(白石麻衣)、かつては武闘派だったけど今は寝てばかりのベテラン刑事=鷲沢泰造(宇梶剛士)、公安出身で情報収集力に長けた牧原祈里(青木さやか)、サイバー犯罪対策課出身で高いハッキングスキルを持つ吉岡雷(前田旺志郎)、そしてギャンブル依存症が理由でオクラに飛ばされたという室長の幾多学(橋本じゅん)といった同僚たちの顔ぶれ。



二人してオクラを目の敵にする捜査一課の加勢課長(中村俊介)と若手の志熊刑事(有澤樟太郎)。まだそんな事やってんの?って言いたくなる設定です。



さらに飛鷹の元妻にして科捜研の研究員=井伏愁(観月ありさ)も含むレギュラーメンバーたち。

悪くはないけど、いまいち魅力が(少なくとも私は)感じられないキャスティング。“旬”と言えそうなのは杉野遥亮くんぐらいで、あとの人たちは…… いや、それは置いといてもアンサンブルが上手くいってないように感じます。

アクティブな要素があるのは大歓迎だけど……



法で裁けない悪党どもを成敗するダーティー刑事っていう設定も大好物な筈なのに、なぜか燃えない。シリアスとユーモアが上手く噛み合ってないし、何より“お涙頂戴”がわざとらしくて、くどい。

キャスティングやタイトルも含めて、センスが“平成”に戻ってる気がするんですよね。最近“昭和”の作風が一周回って「オシャレ」と言われてるけど、平成のそれは古さがまだ中途半端で、ダサい。

レトロの域まで行けば作者の意図を感じるけど、そうでないとただの時代遅れにしか見えない。その割に“令和”ドラマの特徴であるオーバーアクト(過剰な演出、大袈裟な演技)だけがエスカレートしてる。

ファンタジーなのかリアルなのか、ダークヒーローなのか人情派なのか、笑わせたいのか泣かせたいのか、盛り沢山なのは良いけれど焦点が定まらず「我々はこれがやりたいんだ!」っていう創り手たちの熱が伝わって来ない。そこが何よりも不満です。

あっ!


白石麻衣さんのおっぱいが!



というワケで、セクシーショットは乃木坂46の元メンバーで、ランジェリーグラビアをグループ内で初めて解禁された偉大なるアイドル=白石麻衣さん。刑事役は『風間公親/教場0』(2023) 以来でしょうか?


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『潜入兄妹/特殊詐欺特命捜査官』2024

2024-10-19 18:18:08 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年秋シーズン、日本テレビ系列の土曜夜10時「土ドラ10」枠でスタートしたサスペンスドラマ。制作はこれまで同枠にて『大病院占拠』『新空港占拠』『ボイス/110緊急指令室』等を手掛けてきた日テレ&AX-ON。

つまり今回も「ミスリード」と「どんでん返し」を無限ループで繰り返す究極のアトラクション・ドラマで、先の展開や真犯人&裏切者の正体を、視聴者たちがネット上で“考察”して盛り上がる構図は前回レビューした『警視庁考察一課』と同じ。昨今の連ドラは(ジャンルを問わず)多かれ少なかれそういう要素が不可欠になってるみたいです。



主人公は、刑事だった父親を特殊詐欺組織「幻獣」に殺された元神奈川県警ポリスマンの渡良瀬貴一(竜星 涼)と、その妹で優秀なホワイトハッカーの渡良瀬優貴(八木莉可子)。

二人は父親の無念を晴らすべく独自に「幻獣」の正体を探ってたんだけど、いきなり県警捜査二課の刑事たちに身柄を拘束され、実は父が特命捜査官として「幻獣」に潜入し、正体がバレて暗殺されたという事実を聞かされた上、二人が犯したハッキング等の違法行為を見逃す条件として、半ば強制的に「幻獣」への潜入を依頼されるのでした。



父と同期だった捜査二課刑事の入間慎之介(及川光博)は二人の良き理解者として裏からサポートするんだけど、そういう人物こそが敵と内通してる“裏切者”なのは今やセオリーで、だけどそう見せかけて実は味方だった、と見せかけてやっぱり裏切者だった!と見せかけて実は……!みたいな展開になるのも自明の理。

そんな荒唐無稽っぷりを「ほら来た!」「まだやるんかい!?」って、たぶんネット民たちは“ネタ”として面白がってる。これもある意味「サスペンスドラマのパロディー」と言えるかも?



もし、詐欺組織「幻獣」の冷酷無比な幹部=幻武(吹越 満)こそが実は潜入捜査官で、唯一信用できる仲間だったりするのかも?なんて匂わせて来たらやっぱり裏切るだろうし、と匂わせてやっぱり……!とか、笑えてナンボのパロディーなら何だって有り得る。



まあパロディーは言い過ぎとしても、これは全てがゲームなんだと割り切って観ればけっこう面白い。私はネット上の“考察”に参加する気は無いけど、時間さえあれば最終回まで観ちゃうかも知れません。

敵幹部を演じるキャストが毎回1人ずつラストシーンで明かされるのも『占拠』シリーズから続くお約束で、第2話で明かされた色気ムンムン女「朱雀」の正体は、『占拠』シリーズでも敵に寝返った白石聖さん!



なので今回も、実は彼女こそが唯一の味方だった!と見せかけてやっぱり寝返った!と見せかけてやっぱり……!てな展開も充分あり得ます。むしろ是非そうして頂きたい!



ほか、捜査二課長“詐欺犯罪特別対策室”の吉野室長に長尾純子、県警の狩野刑事部長に神尾佑、そして渡良瀬兄妹が所属(潜入)する詐欺チームのリーダーに入山杏奈、その仲間に徳井優、呉城久美、伊藤あさひ、岡井みおんetc、といったレギュラーキャスト陣(第2話時点)。



以前はこのテの番組を目の敵にしてたのに、ちょっと変わって来た自分の心境が興味深いです。心が広くなったんだと思いたい!

セクシーショットは八木莉可子さん、白石聖さん、入山杏奈さんです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『警視庁考察一課』2024

2024-10-17 21:50:16 | 刑事ドラマ HISTORY

本当は2022年にテレビ東京系列の月曜深夜枠「ドラマプレミア23」で放映された番組だけど、我が東海地方では2年遅れの2024年秋シーズン放映となりました。

秋元康 企画&原作、テレビ東京&ソケット制作による全12話のオリジナルドラマ。

秋元氏は2019年に“究極の犯人当てゲーム”と言えるミステリードラマ『あなたの番です』をヒットさせ、視聴者たちがネット上で真犯人や裏切り者の“考察”を楽しみ合う様子を見て今回の企画を思いついたそうです。

タイトル通り、刑事たちがただひたすら事件を考察し、刑事部屋から一歩も出ずに真犯人を特定。そして逮捕は捜査一課に丸投げ……というより捜査一課が彼らに推理を丸投げしてる感じ。

つまり本当に謎解きしかしない刑事たちのドラマで、私は本来なら激怒しなくちゃいけないのに、それが困ったことにけっこう面白い。

もしかしたら、謎解きゲームに興味がない私だからこそ面白く感じるのかも知れません。その理由は、刑事たちの顔ぶれを見れば分かって頂けるはず。



大東京警察署に拠点を構える考察専門部署「考察一課」の課長=“崖の船越”こと船越慶一郎に、船越英一郎。

元敏腕刑事にして売れっ子ミステリー作家の考察官=“湯けむりの楓”こと山村楓に、山村紅葉。

どんな事件でもすぐ「犯人はサイコパスだ」と決めつける挙動不審な考察官=西村まさ雄に、西村まさ彦。

某ドラマの女性監察医のように解剖所見の分析に長ける考察官=高島誠子に、高島礼子。

某ドラマの女性検事のように鋭い勘を持つ考察官=名取悠に、名取裕子。



新米考察官の藤井龍に、藤井流星。

考察一課と捜査一課の橋渡し役を担う考察官=徳永りえに、徳永えり。

考察一課の船越課長とは犬猿の仲に見えて、実は信頼し合ってる捜査一課課長の柳沢慎三に、柳沢慎吾。

そして元捜査一課刑事で時刻表トリック考察のエキスパート、だけど京都で刑事ドラマを監修しているため基本的には不在の内藤昌志に、内藤剛志。(実際、第2話まで観たけどまだ出てこないw)



つまりベースは「2時間サスペンスドラマ」のパロディーってワケです。

船越課長が最後に真犯人を特定するとき、必ず脚立に上るのはそこに崖が無いから。そういうナンセンスさは私の好みだし、笑いながらミステリーを楽しめるという意味じゃ近年のイチオシ『警視庁・捜査一課長』シリーズに通じるものがある。

1時間枠でこの下らなさだと長く感じそうなもんなのに、芸達者が揃ってるお陰でそうはならない。全編ほとんど刑事部屋のセット内で完結しちゃうのに、レギュラーキャスト陣の顔ぶれと演技力が低予算臭を強引にかき消してる!

『相棒』以降の刑事ドラマは「地味なレギュラーに豪華なゲスト」が基本ですから、そういう意味でも新鮮、というより懐かしい!(昭和の刑事ドラマは逆でしたから)

やっぱり私は、ミステリーそのものが嫌いなワケじゃない。それ一辺倒で何も工夫しない、何もチャレンジしてない(ように見える)創り手たちの姿勢にいつもガッカリしてるだけ。

その点、さすがは名うてのヒットメーカー・秋元康と言うほかありません。「なんとなく気に食わない」と感じてる人が(特に私の世代には)多そうだけど、努力や苦悩なくしてヒット作は決して生まれない。そこは素直に認めなきゃと思い知らされました。



セクシーショットは、その秋元さんプロデュースによるアイドルグループ「乃木坂46」の元メンバー、北野日奈子さん。大東京署の庶務係=北野美奈子役でレギュラー出演されてます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『GO HOME/警視庁身元不明人相談室』2024

2024-07-20 16:56:05 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年夏シーズン、日本テレビ系列の土曜夜9時「土ドラ9」枠でスタートした、日テレ&AX−ON制作によるオリジナル企画の警察ドラマ。

警視庁の窓際部署「身元不明人相談室」の捜査官たちが、身元不明の御遺体を特定し、関係者のもとへと帰すために奮闘する姿が描かれます。



今シーズンもどうせ不作だろうと思いつつ、一縷の望みを託したのがこの作品でした。

なぜなら、全てを観てきたワケじゃないけど「小芝風花主演作にハズレなし」っていう伝説が自分の中で築かれてるのと、2020年以降わずか3本しか出てないホームラン作『MIU404』『ハコヅメ』『ラストマン』がいずれもバディ物だから。



しかも女性どうしのバディ物刑事ドラマはあまり例がない。

戸田恵梨香&永野芽郁の『ハコヅメ/たたかう!交番女子』(’21) は舞台が派出所で正確には刑事物じゃないし、黒木メイサ&多部未華子の『ジウ/警視庁特殊犯捜査係』(’11) はそれぞれ所属部署が違うからバディバディ詐欺だったし、それ以外の女性バディ物は言っちゃ悪いけどお年を召したコンビだったりして、少なくとも私向けじゃありませんでした。



それが今回、まず主人公=三田桜を演じるのが前述のとおり「主演作にハズレなし」の小芝風花。彼女は必要以上に身元不明者の心に寄り添っちゃうキャラクター。



そしてその“10歳差の同期生バディ”となる月本 真(つきもと まこと)役が、異色の刑事物『ヤメゴク/ヤクザやめて頂きます』(’15) で主役を張った元AKB48のエース=大島優子。自身の恋人が失踪したままになってる彼女は、残された遺族の心に寄り添います。



お二人とも芸達者で、しかも揃ってビューティフルボインのオーナー。ストレス発散のキックボクシングが少々へなちょこでもボインぼよよ~ん!でお釣りが出るワケです。



そんな2人のおっぱいを密かに喜ばないワケがない、室長の利根川に吉田鋼太郎。



同僚の堀口捜査官に戸次重幸、武藤捜査官に半海一晃。



捜査一課のホープだけど私にとってはどうでもいい存在の手嶋刑事に、どうでもいいアイドルグループ“Snow Man”の阿部亮平。(同シーズン放映の『ギークス』にレギュラー出演してる同姓同名のベテラン俳優とは別人だけど、どうでもいい)



主役コンビと警察学校で同期生だった“科捜研”の芹沢研究員に、柳 美稀。その上司で利根川室長と同期生だった早瀬所長に、高島礼子。



そして失踪した夫(浅利陽介)の帰りを健気に待ち続ける、初回のゲストヒロインに仁村紗和。



「ソツはなし」と言えるキャスティングで、ドラマの内容も実際「ソツはなし」って感じだけど、だからこそ私は物足りない!

「女性どうしのバディ物は珍しい」っていう以外の見どころが「揺れるおっぱい」だけじゃ物足りるワケがない! (もちろん脱いでくれりゃ話は別だけど100%あり得ないゴートゥーヘルな時代)

なぜ私がこんなに物足りなく感じるのか、大きな理由が2つあります。

まず1つ目は、このドラマが明らかに「大多数(主に女性)の視聴者を気持ちよく泣かせること」を目標にして創られてるから。

つまり「泣けるラストシーン」から逆算して脚本が書かれてるから、このストーリーで最後に泣くとすればどういう展開だろう?って考えれば容易に先が読めちゃう。そりゃどんな名優が演じたって物足りないに決まってます。

本当の涙って、不意を突かれた時にこそ流れるもんだと私は思うので、さあ今から泣かせまっせ、ハンカチ用意しなはれやって空気を漂わせるのは完全に逆効果。

それでも積極的に泣きたい観客は条件反射的に泣けるみたいだけど、そんな予定調和な涙は心の浄化にもストレス発散にもならんでしょう。

笑いに関しても全く同じことが言えて、このドラマは笑いの取り方も型に嵌まってて私は全然笑えない。不意を突いてくれないから。



2つ目の理由は至極単純、身元不明遺体を窓際部署の刑事たちが成仏させるっていう、企画そのものに新鮮味が無いから。『遺留捜査』シリーズを筆頭に同じような警察ドラマが山ほど存在するのに!

そうした過去作を観てない世代には新鮮かも知れないけど、そんな若い人らが果たして王道まっしぐらな本作に興味を持つだろうか?

やれ予定調和だのゲーム感覚だの女子供に媚び過ぎだのと我ながらうるさい客だと思うけど、愛あればこそです。冒険させてもらえない現状はよく解るけど、それでも年に1本はホームランが出てるんだから「次はオレたちがキメてやる」っていう気概を持って欲しい!

いや、ホームランには及ばずとも、せめて新鮮なものを見せて欲しい。それだけで結果としてホームランになる可能性があるんですから、このジャンルは。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする