ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『イップス』2024

2024-04-14 16:16:27 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年春シーズン、フジテレビ系列の金曜夜9時「金曜9時枠の連続ドラマ」枠でスタートした、コメディ仕立てのミステリードラマ。

過度のプレッシャーにより、それまで出来てたことが出来なくなっちゃう「イップス」を抱え、新作を書けなくなってる人気ミステリー作家=黒羽ミコ(篠原涼子)と、同じくイップスにより犯人を逮捕できなくなった警視庁捜査一課の敏腕刑事=森野徹(バカリズム)が殺人事件の現場で運命的に出逢い、コンビを組んで事件の謎を解いて行くというストーリー。



いかにも“バカリズムっぽい”企画だけどシナリオは別の作家さんたちが書かれてます。そのせいか初っ端から「凡庸な出来」と言わざるを得ず、今回も画面撮りをサボってネットから画像を拝借してます。

誰が犯人かを先に明かしてから主人公を登場させる“倒叙法”を使ってるだけに余計、我々は『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』といったテレビドラマ史に残る傑作と比較しちゃう。

もっとも、今のテレビ局は若い視聴者しか相手にしてないから、我々(昭和世代)がどう感じようが関係無いんでしょう。それはそれで良いと思います。

ただ、もうちょい上手くやってくれないと倒叙法の面白さが若い人らに伝わらない! 単に篠原涼子vsバカリズムの掛け合いで笑わせる「ちょっと凝ったコント」としか、少なくとも私には感じられませんでした。

大袈裟すぎる演技は昨今のコメディ系ドラマ全てがそうだから諦めてるけど、それにしたって篠原さんの空回りぶりはちょっと痛々しい。こういうのは本当に上手な人にやらせないとダメですよ!



そもそも、篠原さん&バカリズムさんという組み合わせが根本的に間違ってないか?と私は思いました。書けないミステリー作家=篠原涼子と、逮捕できない刑事=バカリズムって、失礼ながら見た目のイメージそのままですよね。いかにもデキそうに見える人がデキないっていうギャップが無いと意味が無いのでは?

最終的にそれぞれ立ち直り、イメージと真逆のキャラクターになるにせよ、そこで初めてギャップが生まれても遅すぎる。もっと予想の斜め上をいくオチが用意されてるかも知れないけど、まずはそこまで我々を引っ張ってくれないと!

例えば黒木華さん&竹野内豊さんぐらいの演技力、そして振り幅の大きさもしっかり併せ持ったコンビでないと、少なくとも私は続けて観る気になれません。



染谷将太、渡辺大知、勝村政信、角田晃広、矢本悠馬、味方良介etc…と役者は揃ってるけど「揃えただけ」みたいになってるし。

それだけコメディってジャンルは難しい。倒叙ミステリーと笑いを高レベルで両立させた三谷幸喜さんが、いかに凄い作家さんかって結論ですよね。



セクシーショットは初回のスペシャルゲスト、すなわち犯人役第1号のトリンドル玲奈さん。最近になってセクシーグラビアを解禁され、載せる機会をずっと待ってました。

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『約束/16年目の真実』2024

2024-04-14 10:40:07 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年春シーズン、日本テレビ系列の深夜枠「木曜ドラマ」でスタートした、読売テレビ&ホリプロの制作によるミステリードラマ。

以下、公式サイトより抜粋。

「“主人公を含めた登場人物全員が容疑者候補”という完全オリジナルの心理サスペンス作品。主人公の中村アンやバディ役の横山裕をはじめとした本作のキャストには“連続殺人事件の真犯人が誰なのか”を伝えずに撮影を進めており、このことについてプロデューサーの多鹿雄策は『中村さん、横山さんも本当に“真犯人は誰なんだろう”というのを、まさに自分の心情を乗っけてそのままお芝居をしている』とコメントしている。」


16年前に発生した連続猟奇殺人事件の犯人として逮捕された父親の無実を証明すべく、刑事となって故郷に帰ってきた主人公の桐生葵に、中村アン。


その相棒を務める望野警察署・捜査一係の無愛想な刑事=香坂に、横山裕。


そして課長に岡部たかし、本庁の刑事部長に杉本哲太、葵の同級生に細田善彦、佐津川愛美、織田梨沙、森永悠希らが扮してます。

労を費やす“画面撮り”を避け、ネットから拾ってきた画像を載せてるのは、私が本作をまったく気に入ってないから。

その理由はもう、常連読者さんなら冒頭に載せたプロデューサーのコメントだけで解って頂けると思います。要するに“犯人当てゲーム”だけを目的にした番組作りで、そういう需要があるなら勝手にやってくれればいい、けど私は乗りませんってこと。



ただ、中村アンっていうファッションモデル出身の女優さんは不思議な方で、どう見ても演技はヘタくそだと私は思うのに、なぜだか応援はしたくなる。失礼ながら不器用さがストレートに伝わって来るからこそ、守護本能をくすぐられちゃう。

制作協力のホリプロに所属されてるワケでもないし、ましてや“枕営業”なんて通用しないご時世(になったと信じたい)ですから、相当な努力を積んでここまで来られたと勝手に思うワケです。

で、これも勝手な想像だけど、たぶん過去にもSNSなんかで彼女の演技力がネタにされて来て、それも計算に入れての主役抜擢なのかも知れません。まさにそういう下世話なネット民こそがターゲットの番組でしょうから。

そんな「とにかく話題性ありき」の制作姿勢も嫌いだから第2話以降は観ないけど、中村アンさんには是非とも頑張って頂きたい。いつか、もっと志の高い作品で再会できることを願ってます。

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『天使の耳/交通警察の夜』2024

2024-04-13 18:40:21 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年春シーズン、NHK総合テレビの火曜夜10時「ドラマ10」枠でスタートした警察ドラマ。

原作は『ガリレオ』シリーズや『白夜行』『秘密』『浪花少年探偵団』等で知られるミステリー作家=東野圭吾さんの全6篇から成る短篇集『交通警察の夜』で、2023年3月にBS4K、同年6月にBSプレミアムで放映した前後篇を、新たに全4話の連続ドラマとして再構築した作品。



以下、公式サイトより抜粋。

「誰もが身近であり、決して起きて欲しくないもの、それが交通事故。無自覚な行動が、不幸な事故を引き起こす。しかし交通事故は、その“瞬間”を目にしていなければ真実がわかりにくい。

捜査員たちは、自分たちの無力や法律の壁に憤り、被害者や遺族の悲しみに苦悩しながら、奔走し、たったひとつの些細な可能性から真実を突き止める。しかし……辿り着いた真実の先には、さらなるどんでん返しが待ち受ける。

交通課捜査係のバディ捜査官が、交通事故という非日常が浮き彫りにする人間の業をあぶり出します。」


総務課から交通課に配属されたばかりの新人交通警察官=陣内 瞬(まどか) に扮するは、絶え間ない連ドラ主演で倒れやしないかとマジで心配な、小芝風花。


その教育係となる金沢巡査部長には“若いヒロインの相棒”役がやたら多い気がする安田顕。


交通課の同僚たちに吉住、溝口琢矢、植木祥平。


そして刑事課に対する敵意がハンパない交通課課長の斎藤多華子に、檀れい。


かつて瞬に交通警察官を志すきっかけを与え、どうやら金沢巡査部長とも因縁がありそうな金沢婦警(ってことは間違いなく身内だけど)に、星野真里。


幼少期の瞬には、ベテラン子役で最近も『光る君へ』や『大奥』で名演技を見せたばかりの落井実結子。


第一夜と第二夜で描かれる「交差点衝突事故」の“目が見えない目撃者”である御厨奈穂に、飯沼愛。

彼女は目が不自由な分だけ聴力が研ぎ澄まされ、それが事故原因究明の決定打になるから「天使の耳」ってワケだけど、その“天使”にも裏の顔があり……


そんな御厨菜穂の妹=友紀に、ファッションモデルの小泉のん。


瞬の友人で、恐らく第四夜(最終回)で解決されるであろう「空き缶ポイ捨て事件」の被害者(前を走る車から飛んできた空き缶により片目を失明)=真菜に扮するは、実写版『ちびまる子ちゃん』で主役を演じた森迫永依。


「交差点衝突事故」加害者であるチャラ男のチョメチョメパートナーに『特捜警察ジャンポリス』の足立梨花。


第二夜で発生した「あおり運転事故」の被害者(らしいけど裏がありそうな)美人姉妹に、泉里香&中村ゆりか。

とまぁ、前半2話だけでこの華やかさ! 後半に登場する石田ニコル等も見逃せません。

華やかなのは女優陣だけじゃなく、昨今の警察ドラマ全てに言えることだけど、刑事部屋がやけにオシャレ。


これじゃほとんどカフェバーで、さすがにやり過ぎでは?

ミステリー(謎解き&どんでん返し)にオシャレな刑事部屋、女性ボス、刑事課との対立なんぞはとっくに見飽きたけど、交通課を主役に据えた連ドラはたぶん過去に無かったと思うんで、新鮮味はあります。

「ブレーキ痕1つ取っても、俺らが間違えたら人の人生が変わっちゃうからね」



確かにその通りで、本来もっと注目されるべき部署かも知れません。殺人事件なんかより遥かに身近で、誰しも一度や二度は必ずお世話になるのが交通課。自動車に乗らない人でも家から一歩出れば被害に遭う可能性が常にあるワケだし。

ミステリーには興味がない私だけど、華やかな女優陣と併せて交通警察の仕事ぶりにも注目したいと思ってます。

セクシーショットは小芝風花さん、飯沼愛さん、小泉のんさん、足立梨花さん、泉里香さん、中村ゆりかさん、石田ニコルさんです。

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『新空港占拠』2024

2024-01-14 19:19:08 | 刑事ドラマ HISTORY

前回(院内警察)の記事でチラッとタイトルが出た『大病院占拠』(’23) の続編がまさかの登場! 2024年冬シーズン、日本テレビ系列の土曜夜10時「土曜ドラマ」枠でスタートした、日テレ&AX-ONの制作によるアクション・サスペンスドラマです。

タイトル通り、正体不明の武装テロ集団に今回占拠されるのは神奈川県に新設された国際空港で、ますます’80年代のハリウッド映画『ダイ・ハード』シリーズを彷彿させます。

ただし、マクレーン刑事みたいに運悪く事件に巻き込まれるワケじゃなく、今回も何らかの目的によりターゲットにされたらしい主人公=神奈川県警捜査一課強行犯係の警部補・武蔵三郎に扮するのは、今回もオーバーアクトがちょっと気になる櫻井翔。

そして病院占拠事件の責任を負って休職してたのに呼び戻されちゃう、県警刑事部捜査一課特殊班(SIS)の管理官=和泉警視に、裸エプロンが忘れられないソニン。

県警捜査支援分析センター(KSBC)の新人情報分析官=岩槻警部補に、『やっぱりおしい刑事』や『しもべえ』でお馴染みの白石聖。

所轄・横浜署の本庄警部補に、最近はAmazonプライムのCM等でもよくお見かけする実力派女優、瀧内公美。

弟と一緒に犯人グループのターゲットにされちゃう三郎の姉=県議会議員の武蔵二葉に、’80年代アイドルから今やすっかりベテラン女優の、奥貫薫。

そして今回も大活躍するであろう、三郎の妻にして心臓外科医=武蔵裕子に、朝ドラ『どんど晴れ』のヒロイン役からコンスタントに活躍が続く、比嘉愛未。

 

さらに、前作と同じように犯人グループはそれぞれ覆面を被っており(今回は十二支の『獣』)、初回のラストシーンで“蛇”の正体が駿河紗季(宮本茉由)、すなわち前作で武蔵の心強い味方だった元・捜査支援分析センターの情報分析官であることが判明!



これまた前作と同じように、回を追うごとに『獣』たちの正体(と同時にキャスト)も順番に明かされていく模様。当然こんなのは序の口で、毎回10人ぐらいの裏切者と50回ぐらいの“どんでん返し”が用意されてるんでしょう。

そういうゲーム感覚の“仕掛け”を、私は今まで「あざとい」だの「小賢しい」だの「中身で勝負しろ」だの「ボインぼよよ〜ん!」だのと冷笑して来ましたが、前回レビューした『院内警察』みたいに企画の段階で思考停止しちゃってる(ようにしか見えない)作品の直後にこれを観ると、創り手がめちゃくちゃ頭を絞ってストーリーを練ってる姿が目に浮かび、悪口が書きづらくなっちゃいました。

自分はなぜ“ゲーム感覚”を否定しがちなのか? ムービーの原点は手品でありアトラクションなんだから、実はこれこそが正解じゃないのか?とまで思い詰めて来ましたw 少なくとも、ただ突っ立って謎解きするだけの“紙芝居”よりよっぽど立派なエンターテインメントです。



前作にしたって「ながら観」ではあったけど最終回までしっかり引っ張られましたからね。

テロリストが覆面を脱ぐ=キャストが明かされる瞬間は「ながら」を止めて観ずにいられなかったし、出てきた顔を見て「おおっ!」って言うか「なんだよ」って言うかw、そりゃSNS等で盛り上がるには持って来いの仕掛けでしょう。

そういう工夫をして行かないと、テレビというメディアは生き残れない。もちろん、その一方でじっくり腰を据えて観られる番組も絶対必要だけど、ゲーム感覚だとか若者に媚びてるとか言って本作を見下すのは、かつて『ウルトラマン』や『仮面ライダー』を“ジャリ番”と呼んでバカにした爺さんたちと同じ行為かも知れない。

前回の記事にも書いた通り、この『占拠』シリーズには「どんな手を使ってでも若い視聴者の興味を引いてやろう」っていう強い“覇気”を感じます。そこはちゃんと正当に評価すべきだよなって、今は思ってます。

セクシーショットは岩槻警部補役の白石聖さん、駿河紗季役の宮本茉由さん、本庄警部補役の瀧内公美さん、そして武蔵二葉役の奥貫薫さんです。

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『院内警察』2024

2024-01-13 19:29:06 | 刑事ドラマ HISTORY

2024年冬シーズン、フジテレビ系列の「金曜夜9時の連続ドラマ」枠でスタートした、酒井義(原作)&林いち(漫画)の人気コミック『院内警察/アスクレピオスの蛇』を映像化したフジテレビ&共同テレビの制作による医療エンターテインメント。

日本ではまだ馴染みの薄い「院内交番」を舞台に、元イケメン敏腕刑事と現役イケメン天才外科医の“正義”がぶつかり合う、要するに“刑事モノ”と“医療モノ”という2大王道ジャンルを両立させた作品。

院内交番とは、患者どうしのトラブルやクレームへの対処、遺失物の管理、人探し等の業務を請け負う、実際に一部の大学病院や国立病院に存在する民間組織だそうで、通常は引退した警察官が流れ着く職場。

そんな院内交番への勤務を、なぜかエリートの道を捨てて志願した元警視庁捜査一課の敏腕刑事=武良井治(むらい おさむ)に、桐谷健太。



大病院の医療事務に就職できたと思い込み、ルンルン気分で出勤したら交番だったもんでズッコケた、事務員の川本響子に元“欅坂46”メンバー、長濱ねる。



2人が配属された交番の室長を務める、温厚な性格の警察OB=横堀に、市村正親。



そして武良井と何やらダークな因縁があるらしい天才外科医=榊原俊介に、瀬戸康史。



武良井とチョメチョメな因縁がありそで無さそな腫瘍内科医=尼子唯織(あまこ いおり)に、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のドラマー “ほな・いこか” こと、さとうほなみ。



ほか、外科医に玄理、麻酔科医に馬場ふみか、看護師に工藤美桜&荻野友里、亡くなった武良井の恋人に入山法子、といったキャスト陣が脇を固めてます。



第1話の冒頭から説明台詞のオンパレードで、すぐに「私はこのドラマにハマらないな」と直感しました。説明を説明と感じさせない為の努力を放棄してる、としか思えない脚本(原作も?)ですから、そこに斬新な面白さが発見できるとは到底思えません。

案の定、第1話を観た限りはだけど、院内警察という職業そのもの以外に新たな発見は無かったし、横堀室長を除く全てのキャラクターに魅力を感じませんでした。その室長にしても市村正親さんが演じればこそでしょう。



そもそも「刑事モノ+医療モノ」っていう企画からしてマイナス・スタートじゃないかと私は思ってます。

2つの人気ジャンルを組み合わせれば……っていう発想自体がありきたりで、それなら櫻井翔くんが刑事を演じた昨年のアクション・サスペンス『大病院占拠』の方が「どんな手を使ってでも(若い視聴者の)興味を引いてやろう」っていう創り手たちの覇気が感じられました。

この『院内警察』における刑事モノ要素はほぼ“謎解き”であり、そんなドラマ(ミステリー仕立ての医療モノ)は今まで枚挙に暇がないほど創られてますから新鮮さはどこにも見当たらない。つまり、面白くない。



余談ですが、こないだ「SNS上で誰かの批判ばっかしてるヤツらは物事の本質を知らないバカ」みたいなこと書きましたけど、レビュー記事はそういう安直な書き込みとは全然違います。感じたことをどう表現すれば正確に伝わるか、考えに考え抜いて綴った“感想”あるいは“評論”であり、誰かを傷つける為の“単なる悪口”とは根本的に違います。件の記事もそういう自負があるからこそ書きました。

もし、作品に関わった人が辛口のレビューを読んで、結果的に傷ついたとしても、それを次作への糧にして頂きたいし、そうしなきゃクリエイターは務まらないと私は思います。

セクシーショットは、警察側を代表して長濱ねるさん、病院側を代表して工藤美桜さんにお願いしましょう!


 

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