今さらの話題ですが、心身共にスランプだった時期にやってたのがパリ五輪。なにせスランプで書けなかったから、今さら書きます。
私が特に注目してたのがレスリング女子で、その中でも元木咲良選手(62kg級)。
開催前夜ぐらいにやってたNHKスペシャル『レスリング女子/新時代』で紹介された、史上最強と言われる日本代表選手6人の中でも、ひときわユニークな存在。
なにせ担当コーチの方が「咲良の運動神経の悪さは尋常じゃない」と太鼓判を押すほどの運動オンチ。
だけど「運動神経がなくても勝てる唯一の競技がレスリング」なんだそうで、多彩な技を繰り出す天才肌の藤波朱理選手(53kg級)とは対照的に、たった1つの必殺技「アリエフ」を徹底的に磨き上げてオリンピック初出場!という、マンガ顔負けの背景に強く惹かれました。
「全階級で金メダルも夢じゃない」と言われた6選手のうち、番組が特に推してたのが前述の元木咲良選手と藤波朱理選手(吉田沙保里さんの連勝記録を抜いてなお更新中の“ワンダーガール”!)、そしてそれまで日本選手は前人未到だった“最重量級での金メダル”を目指す、「かわいい!」が口癖の鏡優翔選手。
結果、その3選手と櫻井つぐみ選手(57kg級)が金メダル、須崎優衣選手(50kg級)と尾崎野乃香選手(68kg級)が銅メダルを獲得!
“オール金”はさすがに無かったけど、出場全階級でのメダル獲得は日本レスリング初の快挙。凄い! よかった! かわいい!
そして眩しい! 羨ましい! 結果じゃなくて、彼女たちの飽くなき向上心と、そのキラキラした眼が!
昭和や平成の時代と違って、悲愴感をまるで感じさせない明るさがある。ほかの種目もそうだけど、みんな「やらされてる」んじゃなく「やりたくてやってる」からでしょう。
私にだって若い頃はそういうのがあった! 自主映画創りやシナリオライターの仕事は、どんなに苦労が伴っても楽しかった。それこそ鏡選手や藤波選手みたいにキラキラした眼をしてたはず。かわいい!
それに比べて今のオレは燃え尽きて、抜け殻で毛も抜けてミッドライフ・クライシスで……と思いかけたけど、いや、待てよと。おいちょ待てよと気づきました。
オレもチャレンジしてるやん! 義務感で始めたから今までそういう意識が無かったけど、“介護”っていうのは過去の自分の生き方を根底から覆すほどの、まったく新しいジャンルへの挑戦やん!って。
介護職を「ハードだハードだ」としつこく書いて来たけど、「辞めたい」とは一度も書かなかったはず。肉体的な限界が来るまで続けたいと思ってるし、施設への愛着もそれなりにある。
こないだ、同じルーティンを繰り返すだけの入居者さんたちを少しでも楽しませたくて、安物ながらDVDプレーヤーとソフト(クラシック映画全集みたいなの)を施設に寄付したんだけど、そんなことする職員はたぶん他にいません。爺ちゃんたちはともかく婆ちゃんたちがホント好きなんです。
しんどいことは他々あるけど、それは若い頃やってた創作活動とて同じこと。ただ、それを乗り越えるのに必要なパワーが大幅にダウンしただけで。
オリンピック選手みたいに高いハードルを自分に課すのは若さの特権で、中年は中年に見合った目標を掲げればいい。記事のタイトルはもちろん嘘です。
いや、別にわざわざ掲げなくたって、生きてりゃ自然と乗り越えるべき壁が次々現れる。それこそ前を向いてる証拠です。
なんか、書いてる内に答えが出た気がします。そういうのがブログの良さだって、phaさんも『ゆるくても続く知の整理術』に書かれてました。やっててよかった! かわいい!