本当は2022年にテレビ東京系列の月曜深夜枠「ドラマプレミア23」で放映された番組だけど、我が東海地方では2年遅れの2024年秋シーズン放映となりました。
秋元康 企画&原作、テレビ東京&ソケット制作による全12話のオリジナルドラマ。
秋元氏は2019年に“究極の犯人当てゲーム”と言えるミステリードラマ『あなたの番です』をヒットさせ、視聴者たちがネット上で真犯人や裏切り者の“考察”を楽しみ合う様子を見て今回の企画を思いついたそうです。
タイトル通り、刑事たちがただひたすら事件を考察し、刑事部屋から一歩も出ずに真犯人を特定。そして逮捕は捜査一課に丸投げ……というより捜査一課が彼らに推理を丸投げしてる感じ。
つまり本当に謎解きしかしない刑事たちのドラマで、私は本来なら激怒しなくちゃいけないのに、それが困ったことにけっこう面白い。
もしかしたら、謎解きゲームに興味がない私だからこそ面白く感じるのかも知れません。その理由は、刑事たちの顔ぶれを見れば分かって頂けるはず。
大東京警察署に拠点を構える考察専門部署「考察一課」の課長=“崖の船越”こと船越慶一郎に、船越英一郎。
元敏腕刑事にして売れっ子ミステリー作家の考察官=“湯けむりの楓”こと山村楓に、山村紅葉。
どんな事件でもすぐ「犯人はサイコパスだ」と決めつける挙動不審な考察官=西村まさ雄に、西村まさ彦。
某ドラマの女性監察医のように解剖所見の分析に長ける考察官=高島誠子に、高島礼子。
某ドラマの女性検事のように鋭い勘を持つ考察官=名取悠に、名取裕子。
新米考察官の藤井龍に、藤井流星。
考察一課と捜査一課の橋渡し役を担う考察官=徳永りえに、徳永えり。
考察一課の船越課長とは犬猿の仲に見えて、実は信頼し合ってる捜査一課課長の柳沢慎三に、柳沢慎吾。
そして元捜査一課刑事で時刻表トリック考察のエキスパート、だけど京都で刑事ドラマを監修しているため基本的には不在の内藤昌志に、内藤剛志。(実際、第2話まで観たけどまだ出てこないw)
つまりベースは「2時間サスペンスドラマ」のパロディーってワケです。
船越課長が最後に真犯人を特定するとき、必ず脚立に上るのはそこに崖が無いから。そういうナンセンスさは私の好みだし、笑いながらミステリーを楽しめるという意味じゃ近年のイチオシ『警視庁・捜査一課長』シリーズに通じるものがある。
1時間枠でこの下らなさだと長く感じそうなもんなのに、芸達者が揃ってるお陰でそうはならない。全編ほとんど刑事部屋のセット内で完結しちゃうのに、レギュラーキャスト陣の顔ぶれと演技力が低予算臭を強引にかき消してる!
『相棒』以降の刑事ドラマは「地味なレギュラーに豪華なゲスト」が基本ですから、そういう意味でも新鮮、というより懐かしい!(昭和の刑事ドラマは逆でしたから)
やっぱり私は、ミステリーそのものが嫌いなワケじゃない。それ一辺倒で何も工夫しない、何もチャレンジしてない(ように見える)創り手たちの姿勢にいつもガッカリしてるだけ。
その点、さすがは名うてのヒットメーカー・秋元康と言うほかありません。「なんとなく気に食わない」と感じてる人が(特に私の世代には)多そうだけど、努力や苦悩なくしてヒット作は決して生まれない。そこは素直に認めなきゃと思い知らされました。
セクシーショットは、その秋元さんプロデュースによるアイドルグループ「乃木坂46」の元メンバー、北野日奈子さん。大東京署の庶務係=北野美奈子役でレギュラー出演されてます。