1990年にリリースされた、成田裕介監督による東映Vシネマの第6弾。原作は生島治郎さんのハードボイルド小説『凶悪』シリーズで、つまり天知茂さんが主演された昭和の刑事ドラマ『非情のライセンス』シリーズの平成バトルアクション版!
主役の特捜刑事=会田健を演じるのは、我らがブルース刑事こと又野誠治さん! そしてヒロイン役が武田久美子さん! 奇しくも武田さんゲストの『太陽にほえろ!』#704をレビューしたのと同じ週にCATVで放映されました。
ボギー刑事こと世良公則さんが主演し、又野さんが悪役で共演した『クライムハンター/怒りの銃弾』(’89) からスタートした東映Vシネマは、すっかり女性向けのメディアとなったテレビに取って代わり、バイオレンスとエロの活劇を一手に引き受け、とにかく銃を撃ちまくってオッパイを見せるというw、エンターテインメントの本来あるべき姿をとことん追及してくれました。
そしてこの『凶悪の紋章』がリリースされた’90年は、マカロニ刑事こと萩原健一さんの『裏切りの明日』、ボギー世良さんの『クライムハンター3/皆殺しの銃弾』、そしてドック刑事こと神田正輝さんの『野獣駆けろ』と、七曲署OBたちが主演するGUNアクション作が続々登場!
以前レビューしたVシネマ史上ナンバー1カルト作と云われる『女バトルコップ』もこの年にリリースされてます。あれから30年、Vシネマもすっかり廃れちゃいました。どうも昨今の男子たちはバイオレンスにもエロにも興味ないみたいで、破滅です。草だけ食ってろっ!!(怒)
で、この『凶悪の紋章』ですが、なにせブルース又野さんが主演ですから、ニヒリスト天知さんの『非情のライセンス』とはまるっきり別物。ご覧の通り『ランボー』&『ダイ・ハード』な内容となってます。
国家的プロジェクト「新東京構想」に絡む巨大商社の陰謀と、警察上層部の汚職に真っ向から立ち向かうブルース、じゃなくて会田刑事!ってなストーリーは一応あるんだけど、それは又野さんがタンクトップ姿でショットガンを撃ちまくる為のお膳立てに過ぎませんw
エンディングのタイトルバックも、拳銃を撃つ誠治! ショットガンを撃つ誠治! ハダカで身体を鍛える誠治! シャドウボクシングする誠治!etc…と、完全に又野誠治PVの様相。『太陽〜』でブレイクしきれなかった又野さんを、ここでアクション大スターに育てたる!っていうスタッフの意気込みと愛がヒシヒシ伝わって来ます。
又野さんだけじゃなく、初の濡れ場を披露された武田久美子さんにとっても本作は大いなるチャレンジ。と言ってもブルースに乳を揉まれ、ディープキスするだけだけど、アイドルからオトナの女優に脱皮したい意気込みもまたヒシヒシ伝わって来ます。
敵ボスの愛人役でブルースとは敵対するポジションだけど、乳を揉まれたりする内に愛が芽生えたりなんかして、ジーパン刑事こと松田優作さんの『最も危険な遊戯』を彷彿させる展開にもなって行きます。
ほか、ちょっとカマっぽい敵の用心棒役に、当時デビューしたての宇梶剛士さん。
ピンチのブルースに武器を調達し、ろくに顔も見せずに去って行く謎のクライムハンターに、友情出演のボギー世良さん。
そして『非情のライセンス』で山村聰さんが演じられたエージェント=矢部警視に、『クライムハンター』の時とまんま同じ格好の原田芳雄さん。
ほか、冒頭でブルースとチョメチョメする女に庄司みゆきさん、敵ボスの愛人2号に村上麗奈さん、愛人3号に相田寿美緒さんが扮し、庄司さんと村上さんは乳首とお尻をボインぼよよ〜ん!と見せてくれます。これがね、本当のエンターテイメントなんですよ。お分かりですか?
というワケでセクシーショットは武田久美子さん、相田寿美緒さん、村上麗奈さんです。