ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「自分への就職祝い」

2023-05-31 22:10:49 | コレクション

介護施設で働くようになり、土日(公休)を省いて7日、ちょうど1週間が経ちました。

とにかく人手不足ゆえ常に忙しく、3ヶ月強のブランク(プータロー生活)のせいもあって肉体疲労がハンパなかったけど、栄養剤で誤魔化しつつ、徐々に身体は順応して来たようです。

それより私が恐れてたのは精神的ストレスの方だけど、これが意外とほとんど感じること無く、気持ちよく仕事できてます。 

と言ってもいきなり介護を任せてもらう筈もなく、今のところトイレ掃除等の雑用や食事の配膳などが主な業務だから、本当に大変なのはこれから。

だけど「ああ、イヤだなあ」とは全然思わない。むしろ、私にしては珍しく向上心が湧いて来てる。どうやら、やって行けそうです。

というワケで自分への就職祝いとして、久々にトイガンを買いました。



タナカワークス製のエアガン、S&W·M36チーフスペシャル2インチのスクエアバット「トラヴィス」モデル。

マーティン・スコセッシ監督による1976年公開の映画『タクシードライバー』で、主人公のトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)がM29(44マグナム)のサイドウェポンとして使用したクラシック・リボルバーです。



この拳銃の特長はグリップ部に集中してます。ホワイトパール風のグリップパネルもさることながら、スクエアバットと呼ばれるフレームの形状。これまで日本で発売されたチーフスペシャルのトイガンは、ほとんどがラウンドバット・モデルでした。



↑従来のラウンドバット(コクサイ製モデルガン)とのツーショット。グリップ部以外だと、ハンマーやサムピースの形状も違います。

今のところトラヴィス・モデルはエアガンしか発売されてません。モデルガン化を待とうかとも思ったけど、ニッケル風のメッキモデルはABS製オンリーになる(ヘビーウェイト製は出ない)から、コンパクトサイズのM36ならシリンダーが金属で出来てるエアガンの方がリアルな感触が楽しめると思って買いました。

映画『タクシードライバー』にはこんな感じで登場します。



この画像を撮るため約20年ぶりにDVDを観ましたが、人生経験を重ねれば重ねるほど共感度が増す作品です。

初めて観たのは高校時代だったけど、そのときは単にイカれた犯罪者の映画としか感じませんでした。

ところが大人になってから観直すと、トラヴィスって俺自身やん!と気づかされる。実際、もしウチにあるコレクションが全部オモチャじゃなくて本物だったら、私がトラヴィス化してる可能性はかなり高い。

トラヴィスは決して悪人じゃないし、イカれてもいない。私自身だし、今これを読まれてるあなた自身でもある。未見の方はもちろん、若い頃に観たきりの方も是非、今一度ご覧になってみて下さい。

ちなみに『タクシードライバー』は当時13歳のジョディー・フォスターが売春婦を演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされたことでも有名な作品です。


 

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『スケバン刑事』#01~#02

2023-05-28 22:33:07 | 探偵・青春・アクションドラマ

『スケバン刑事』は1985年の4月から10月まで、フジテレビ系列の木曜夜7時半からの30分枠で全24話が放映された、東映制作によるフィルム撮影の学園アクションドラマ。

和田慎二さんの人気漫画を実写化した作品で、続編が2つ、劇場版が3つ制作されたほか、亜流番組も数本生み出した人気シリーズの原点です。



手のつけられない不良少女で、少年院にぶち込まれてたのを「暗闇機関」にスカウトされ、やはり刑務所にいる母親の死刑執行中止と引換えに仕方なく「スケバン刑事」の任務を引き受けた麻宮サキ。扮するは週刊『少年マガジン』のグラビアやインスタントラーメンのCMで注目されたばかりの新人アイドル=斉藤由貴!



その麻宮サキを監視し、暗闇機関からの指令を伝えるべく、夜な夜な留守中に土足で部屋に上がり込み、クローゼットを漁ってパンティーの匂いを嗅いでから、何食わぬ顔で彼女の帰りを待つエージェントの神 恭一郎に、中 康次。



そして警察より強大な権力を持つと云われる暗闇機関の幹部=暗闇指令を演じる俳優は「?」とクレジットされてたけど、どう見たって桑田佳祐だから、長門裕之。



第1話『謎の転校少女サキ』はパイロット版として制作された為、独立したストーリーになってます。

裏口入学を斡旋して私腹を肥やす女子高の校長らを、サキが超合金ヨーヨーwith桜の代紋で懲らしめる。



「スケバンまで張ったこの麻宮サキが、何の因果か落ちぶれて、今じゃマッポの手先……」



「笑いたければ笑えばいいさ。だがな! テメエらみてぇに魂までは薄汚れちゃいねぇんだぜ!」



「テメエら、許せねえっ!!」

実にアホなドラマですw けど、これはインパクトがありました。当時、東京で新聞奨学生をやってた私は、専売所で斉藤由貴ファンの同僚と一緒に賄い飯を食べながら、この第1話を観たときの驚きを鮮明に憶えてます。なんと38年前!

東映には昔からスケバン映画の伝統があるけど私は観たこと無かったし、そのスケバン路線に大映テレビ(赤いシリーズ等)のアイドル路線、さらに特撮ヒーロー物のテイストまで加えた『スケバン刑事』の世界観は俺ジナルに溢れてました。



主役の斉藤由貴さんにスケバン要素のカケラも無いのがまた画期的! 例えば当時の三原じゅん子さんみたいに「如何にも」な人が演じてたら、たぶん面白くないしヒットしなかった筈。

その「ギャップ萌え」戦略は続編の南野陽子さん、浅香唯さんらに引き継がれていく事になります。

そして第2話『帰ってきた不良少女サキ』が実質的な初回で、麻宮サキが少年院に入る前に通ってた鷹ノ羽学園が舞台となり、髪の毛フサフサの担任教師=平泉 成や……



やけに色っぽい用務員の高畑淳子らと闘うことになります。



最大の見どころは勿論、当時売出し中だったけどイマイチ売れなかった、若手女優たちとの対決や共闘。

第1話には大映ドラマや『太陽にほえろ!』等の刑事ドラマでもよくお見かけした立原ちえみさんや……



やはり刑事ドラマのゲスト出演が多かった大川陽子さんがご登場。



そして第2話には麻宮サキのライバル番長となる夢小路美也子が登場。演じたのは後に山口県長門市の市議会議員(田中千秋名義)となられる、アイドル歌手出身の渡辺千秋さん。



というワケでセクシーショットは斉藤由貴さん、大川陽子さん、渡辺千秋さんです。


 

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『さすらい刑事旅情編III』#06

2023-05-27 17:02:07 | 刑事ドラマ'90年代

『さすらい刑事旅情編』の第3シリーズは1990年10月から’91年3月まで、テレビ朝日系列の水曜夜9時枠で全23話が放映されました。

シブがき隊(布川敏和)に代わる新たな若手イケメン枠=桜田刑事には少年隊(植草克秀)が扮し……



小倉久寛、林家こぶ平の流れを汲む三枚目枠=角谷刑事は山崎大輔が演じてます。



誰やねん!?って思うけど、劇団スーパー・エキセントリック・シアターから抜擢された舞台俳優さんみたいです。



☆第6話『信州安曇野・結婚サギにあった女』(1990.11.14.OA/脚本=いとう斗士八/監督=田中秀夫)

JR東京駅構内で萩原という年配者(今福将雄)が何者かに刺され、松本行きあずさ17号の切符を握りしめたまま絶命します。毎週毎週、ニューヨークの地下鉄も真っ青になるホント物騒なステーションです。



で、殺された萩原氏は「月1回ペースで長野県松本市にいる娘に会いに行ってた」らしいんだけど、ショートカットになった西園寺刑事(高木美保)が調べてみたら、彼に息子はいるけど娘なんか存在しなかったから驚いた!



しかも、萩原氏の息子は14年前に松本市で強盗殺人をやらかし、関東の刑務所に服役中。

どうやら萩原氏が月1回ペースで会いに行ってた、そして殺された当日もあずさ17号で会いに行こうとしてた「娘」は、14年前に息子が殺してしまった被害者夫婦のひとり娘=公子(石田ゆり子)らしいのでした。



つまり萩原氏は、おそらく息子に代わって罪を償うべく、身分を隠して「あしながおじさん」を続けてきた。

両親が殺される現場を目撃し、心に深すぎる傷を負って生きてきた公子が、もし萩原氏の正体を最近知ったとしたら……



ショートヘアの西園寺刑事とリーゼント(三浦洋一)が、あずさ2号であなたから旅立つべく長野へと向かいます。

「あの子は普通の子とは違うんです。14年前の傷を引っ掻き回すようなことはやめて下さい!」



孤児となった公子を養子として大事に育ててきた叔母(柳川慶子)は、ショート&リーゼントに涙ながら訴えます。

そりゃそうでしょう。傷に触れないように触れないようにと、14年間も気遣いながらやって来たのに、いきなり訪ねてきたリーゼントのギョロ眼野郎にぶち壊されちゃたまったもんじゃありません。

ちなみにこのリーゼント男、出勤日の(つまり前夜酔い潰れたワケでもない普段どおりの)朝に起床するシーンで、バッキバキのリーゼントのまま布団から出て来てましたw いくら何でも、んなヤツは世界中探してもおらんやろ!💨



「彼女はそっとしといた方がいいと思うんだけど」

西園寺がたしなめても、24時間ヘアスタイルを崩さないだけあってリーゼントの意志は変わりません。

「いや、話した方がいいだろう。変な同情はしない方がいい」

「変な同情じゃないわ、人として普通の感情よ!」

「あの子だって普通の女の子なんだよ! ただ周りがそういう眼で見てあげないだけなんだ。可哀想だ可哀想だってな!」

どうやらリーゼント自身も幼い頃に両親と死別し、周囲から気を遣われる息苦しさを味わって来たようで、だから寝るときもバッキバキなんです。

そのツラさをよく知ってるからこそ、リーゼントはあえて単刀直入に斬り込むのでした。

「殺された萩原さんは、14年前にあなたの両親を殺害した犯人の父親なんです」



「それで私が殺したって言うんですか! 警察の人は捜査の為なら何をしても許されるんですかっ? 14年前のときも!」

どうやら公子の深い深い心の傷に、現地の警察は塩を塗りたくるような聴取を繰り返したらしい。主役の刑事が所属するチーム以外の警察官は全員、非道かつ無能なアホンダラと相場は決まってるんです。

おまけに今の公子には、見るからに狡猾そうな川口(市川 登)という婚約者が憑いてる。そんなもん、登場した瞬間に真犯人確定ですよねw



面倒だからクライマックスまで飛ばします。かくかくしかじかで、なんと真犯人は婚約者の川口(もちろん結婚詐欺師)だった!って事で、こう言っちゃ何だけどチンケな事件なのに、ボスの高杉警部(宇津井 健)もはるばる長野まで折り目正しく駆けつけます。



「萩原さんはね、あなたが川口に騙されてることを知らせようとして、彼に刺されたんですよ」



「なんであの人が、私の為に?」

「殺人犯の父親として、罪を償おうとしたんです」

それを聞いてようやく目を覚ました公子は、事件当日ずっと川口とチョメチョメしてたという証言を撤回します。

こういう時、必ず犯人が非道な捨て台詞を吐き、すかさずショーケンや優作のパンチを浴びるのが昭和から受け継がれた伝統のシステム。

「誰がこんな女、好きになるかよ。性格暗いし、面白くも何ともねえよ!」



おいおいっ!? 殴らせたれや宇津井健ーっ!!💨

もう既にこの時代、殴ろうとしても上司や仲間に止められるシステムが確立し、今じゃ殴りかかる素振りすら見せない草食刑事しか出てこない。そりゃ日本も衰退していく一方です。



なにがそんなに可笑しいーっ!?💨💨💨



またもや深い傷を負わされた公子に、西園寺がリーゼントに代わって真意を伝えます。

「問題は、そのツラい想い出とどう付き合っていくかだって。その為には、周りの人間が普通に接してあげることだって」

「……私、ツラかったんです。みんなが、私の心の傷に触れないように触れないようにってしてくれるのが……でも、川口さんは違ったんです」

弱ってる人にこそフランクに接する詐欺師のテクにまんまとハマったワケで、新興宗教の勧誘とよく似てます。今回もリーゼントの意見が正しかった。

「あの刑事さんのお陰で、少しラクになれた気がします」



こうしていつも美味しいとこをさらっていくリーゼント刑事は、今夜もバッキバキに油を塗りたくった頭で寝床に就き、ギョロ眼をかっ開いたまま眠ってることでしょう。

ゲストの石田ゆり子さんは、当時20歳か21歳くらい。沖縄は石垣島のご出身で、デビューは全日空の沖縄キャンペーンガール。女優としてのブレイクは実妹=石田ひかりさんの方が先でした。

本作より前にテレ東の連ドラ『マザコン刑事の事件簿』にレギュラー出演されたほか、『外事警察』『うぬぼれ刑事』『MOZU』『CRISIS』等にもご出演。

おっとりした雰囲気ゆえか、私の知る限り刑事役の履歴は無く、今回みたいに「事件に巻き込まれる」役どころばかりという印象。いつかバリバリの敏腕刑事役も見てみたいです。

 

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「介護職、3日目」

2023-05-25 20:25:50 | 日記

初日は無我夢中、2日目は頭痛が酷かった。そして3日目の今朝はめちゃくちゃ身体がダルくて、ちょっとクラクラしたりもしてヤバかった。けど、動いてる内になんとか回復。さて、明日はどうなるんだろう?

とにかく肉体疲労が尋常じゃないんで、ちょっと高額な滋養強壮薬(毎日飲む錠剤)を買いました。

仕事の内容自体は、今のところは辛くないです。けど、とにかく息をつく間がない。あっという間に時間が経つのは有難いけど、果たしてスタミナ的にやって行けるんだろうか?



職場の人間関係は良さそう。そりゃあ介護を仕事に選んだ人たちだから基本的には優しいし穏やか。でないと務まらない。

職員による虐待問題が過去にあったそうで、だからこそ今は荒っぽい人間を雇わない。それと人手がとにかく足りてないから、こんな私でも雇われたワケです。

入居者さんにはやはり曲者が少なからずおられるけど、別に腹は立たない。もしかしたらホントに向いてるかも?

問題は、人の顔と名前を憶えるのがかなり苦手なこと。そこを克服して体力的に耐えられたら、多分やって行けると思います。


 

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『はみだし刑事情熱系』5ー#13

2023-05-23 19:19:10 | 刑事ドラマ2000年~

東映チャンネルばかり観てて、BS朝日でこの番組をやってることに最近まで気づいてませんでした。2000年10月から'01年3月まで、テレビ朝日系列の水曜夜9時枠で全24話が放映された『はみだし刑事情熱系』の第5シリーズです。

本来なら神田正輝さんがゲスト出演された第12話をレビューしたかったのに、2時間スペシャルだったせいで今回は飛ばされちゃいました。けど、この第13話にも意外なゲストが登場し、笑わせてくれるから良かったですw



☆第13話『涙の狙撃犯!! 悪女を守る男達』(2001.1.10.OA/脚本=尾西兼一/演出=安部雄一)

政府与党の建設大臣=原島詩子(根岸季衣)の自宅に銃弾が撃ち込まれるという事件が発生し、臨海地区に拠点を置く「広域」こと警視庁刑事部広域特別捜査隊に犯人割り出しの指令が下ります。



2001年1月当時の広域メンバーは、主人公=高見兵吾(柴田恭兵)を筆頭に、西崎刑事(風間トオル)、星野刑事(来栖あつこ)、工藤刑事(志村東吾)、牧刑事(甲本雅裕)、杉浦刑事(平泉成)、そして兵吾の元妻にして現上司の捜査課長=根岸玲子(風吹ジュン)。



加えて、内勤アナリストでオペレーターの正美(加藤麻里)に……



庶務課の内勤婦警で元敏腕刑事の「キクちゃん」こと松尾菊枝(樹木希林)というレギュラー陣。



で、私を大いに笑わせてくれた人は、次のシーンで登場します。原島大臣から事情聴取すべく事務所を訪れ、警察手帳を見せるため懐に手を入れた兵吾を、問答無用で投げ飛ばした若きシークレット・サービス。



演じてるのはなんと、各界を引退して間もない頃の元力士=舞の海秀平さん!



登場してすぐには誰か判らなかったけど、シロウト俳優が出て来たことだけは瞬時に判りましたw この場面じゃ一言も喋らないけど、やっぱりプロの役者さんとは全然違うワケです。

恭兵さんや風間トオルさんは、セリフを言わなくても表情と姿勢(オーラみたいなもの)で感情を的確に伝えてくれるけど、舞の海さんはまるでマネキン人形……いや、マネキンにも表情はあるから、まるで鉱物みたいに無機質なんですよね。そこが面白い!w

かつて『太陽にほえろ!』(第233話)に龍虎さん=放駒親方がゲスト出演されたことがあり、あの人も刑事たちと対立する凄腕SPの役で、しかも新春1発目のゲストだった点まで舞の海さんと同じ。そういう伝統があったりするんでしょうか?

放駒親方もやっぱり演技はヘタだったけど、柄がデカいだけに迫力がハンパなく、ちゃんと凄腕SPに見えました。その点、舞の海さんはちょっと……



それはともかく、鉱物みたいな元力士に無言で投げ飛ばされた兵吾はたまったもんじゃないけど、SP統括者の岩下(佐戸井けん太)が言う「いきなり胸元に手を入れたアンタが悪い」っていう指摘も、状況を考えれば確かに正しい。舞の海はただ職務を遂行したに過ぎません。

ところで、恐らく田中真紀子さんをイメージして設定されたであろう原島建設大臣(根岸季衣)は、元副総理の娘。



以前、その元副総理に不正献金疑惑が浮上し、警察庁に呼び出されたお抱え運転手の香坂(奥村公延)が飛び降り自殺したという不幸があり、今回の銃撃事件はその件と繋がってる可能性がある。

だから詳しく話を聞きたいのに、原島大臣は兵吾らをまったく相手にしてくれません。

そんな傲慢キャラだから、自宅が銃撃されたのも単なる脅しや悪戯じゃないだろう、と思ったら案の定、外出しようとした大臣に拳銃とライフルの弾丸がさっそく降り注ぎ、名もなき脇役SPが撃たれちゃいます。



そのとき他のSPたちがみんな大臣を護り、撃たれた仲間を放置したことが信じられない兵吾は、統括者の岩下に抗議しますが、彼の返事は……

「あんたも犯人を追えば良かったんだ」

「なんだと?」



「我々SPはいつでも死ぬ覚悟が出来てる。要人を護るための動く壁なんだ。第1の壁が崩れたら、次の壁が護る」

「なにが壁だよ。あんな身勝手な女のために命賭けてるって言うのか? その為に仲間が命落としても、あんた平気なのか?」

なおも食ってかかる兵吾を、後輩刑事の牧がたしなめます。

「SPなら当然です。彼らはその為に特別な訓練を受けたエリートなんです」

これもきっと、牧が言ってることの方が正しい。まあ、現実の日本じゃそんな場面に出くわす機会は無いんだけど……と思いきや23年経った今、そうでもなくなって来ちゃいましたね。破滅です。



「俺だってな、みゆきの為だったらいつでも死ねるさ。SPにだって家族がいるだろうが」

みゆき(前田 愛)っていうのは、兵吾が玲子さんと離婚する前に毎晩チョメチョメしてつくった愛しい娘。

第4シリーズでついに兵吾が自分の父親であることを知ったみゆきは、この第5シリーズの序盤でカナダへと留学し、次の第6シリーズではまるで別人となって(キャストが木内晶子さんに交代して)帰国することになります。

さて、捜査が進み、犯人グループのリーダーは、自殺した運転手の息子で原島大臣の秘書を務めてた、香坂洋二(村井克行)であると判明します。

しかも、その香坂の妹=成美(中村 綾)と毎晩チョメチョメしてる結婚相手がなんと、SP舞の海だったから驚いた!



父親が自殺したとき、妊娠してた成美が精神的ショックで危うく早産しそうになった上、葬儀のときに原島大臣から「自殺なんかして、いい迷惑よ」などと言い放たれ、香坂は復讐の鬼となった。

そして彼の義理の弟である舞の海も、元副総理の娘である原島大臣を憎んでてもおかしくない。もしかしたら、義理の兄弟が共謀して原島大臣を狙ってる可能性だって充分にある。



「いや、ヤツはそんなことする男じゃない」

それは兵吾の直感でしかないけど、舞の海はきっと、与えられた職務を果たすことしか考えてない。

ともあれ、反対を押し切って新年祝賀パーティーに出席する原島大臣を、兵吾たちは兵吾たちなりにガードするしかありません。



案の定、襲撃されたパーティー会場はパニックとなり、大臣の「壁」となったSPたちが1人、また1人と凶弾に倒れていきます。



そして香坂が現れ、いよいよ義理の弟と対峙することになります。

「どけっ! なぜそんな女を庇うっ!? お前、成美の亭主じゃないか!」



「俺は、動かない。成美の為にも……俺は、壁なんだ」

実は、早産しかけた成美が再び産気づき、今、病院で死を覚悟しながら出産しようとしてる。それを兵吾から聞かされても尚、舞の海はここに鉱物のように立ってるのでした。



「成美さん、死ぬかも知れないんだ! それでも必死になって子供を産もうとしてる! そんな時に、そんな時にこいつ、こんなとこで壁になって……お前に、撃たせたくないから此処にいるんだ! 原島詩子を護る為にこいつ此処にいるんだ! 一番ツラいのは誰なんだよっ!? こいつじゃないのかよ、香坂っ!!」



いつものごとく熱い熱い兵吾の説得により、香坂は復讐を諦めます。

ここで舞の海が、かつて香坂の父親から「きっと日本の政治を変えてくれる人だから」と、原島大臣の護衛を頼まれてたことを明かします。

それを聞いてさすがに眼が醒めた大臣は、香坂の父が自殺する原因となった不正献金疑惑について、知ってることは全て証言すると香坂に約束し、舞の海にはこう言います。

「あなたに護ってもらう価値のある政治家になれるよう、1から出直します」

これにて一件落着! そして成美も無事に出産することが出来ました。



「心配かけてすまなかったな。よく頑張ったな。俺たちの赤ん坊を、ありがとう」



あまりに可愛い赤ちゃんを見て、今は海外にいる愛娘=みゆきのことを思い出し、つい胸がキュンとなる兵吾&玲子なのでした。



そうして無理矢理にでも「みゆき」をストーリーに絡ませないと、高見兵吾のドラマにならないんですよね。演じる前田愛さんが実際にカナダ留学しちゃったがゆえの設定だけど、この不在はホント痛かった。

兵吾の熱い熱いセリフも、みゆきが絡まないとイマイチ響いてこない。つくづく、このドラマは兵吾とみゆきのラブストーリーなんですよね。

セクシーショットはゲストの中村綾さんと、レギュラーの来栖あつこさん。中村さんは’80年代後半の、そして来栖さんは’90年代後半のグラビア界を盛り上げて下さいました。


 

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