ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「それでも、生きてゆく。(たぶん)」

2023-06-28 21:51:26 | 日記

先週の土曜日に、かなりネガティブ&ヘビーな記事(日記)を2つ、連続でアップしました。

が、『亜弥のDNA』のレビューにそんな記事が挟まるのがイヤだし、いかにもみんなに心配して欲しいような書き方が、自分で読み返すと寒気がしたもんで、速攻で削除しました。(とはいえ2〜3時間は存在してたので、何人かの常連さんは読まれた事と思います)

要約すると、1つめは兄がなぜか「父の日」に私宛てにウナギを送って来たことに戸惑い、怒り、喧嘩に近いメールをやり取りして、ついに兄弟が決裂しちゃいました、っていうご報告。

2つめは、やっと私が後期高齢者を支える仕事にやり甲斐を感じてきた矢先に、母が「もう私なんか生きててもしょうがない」なんて言い始めて、猿之助さんの事件が他人事とは思えなくなって来ましたよ、っていう愚痴。



兄に関してはもう、私と理解し合えることは永遠にあり得ないと悟ったんで、完全に諦めました。もっと早くその境地に至るべきでした。

だからもう詳しくは書かないけど、1つだけ記しておきたいのは、父の葬儀のとき、喪主になって七転八倒してた私を、兄は(こちらから頼まないかぎり)いっさい手伝おうとしてくれなかったこと。

揃って認知症の両親をずっと1人で介護してきた弟を、直接的に助けられる二度とないチャンスだったのに!(だから今さらウナギなんか贈られも……しかも父の日にって話です)

あれが全てであり、そのときに「自分には最初から兄弟なんかいない」と悟るべきでした。いると思うから期待して裏切られる。

もしかすると兄は発達障害なのかも?なんて思ったりもするけど、この歳になればもう関係ありません。法事で会わなきゃいけないけど、遠い親戚だと思って割り切ります。



問題は、母です。削除した記事にも書いたけど、自分で何も出来なくなって「ただ生きてるだけ」の日々を送ってたら、そりゃ気力を失くすのは当然だと思います。

だから私も、自分が誰かに介護されなきゃいけなくなる前に、この世から消えたい。これはホント悲願です。

なのに母に対しては「そんなこと言わんと、生きようや」なんて言って、おまけに介護施設でヘロヘロになりながら働いてるというジレンマ。何なんだ、オレの人生は!?(乳首)



そんなこんなが重なって、生きててもしょうがないのはオレの方じゃ!って気分になってるときに書いたのが、削除した2つの記事。

けど、とりあえず今は自分で動けるし認知症にもなってないし、ちっちゃい楽しみなら色々あるんだから、なにも急いで死ぬ必要はない。とにかく母を最後まで見送る使命があるんだし。

「親の終末期を一緒に過ごせるのは幸せなこと」なんて言うのは綺麗事だと思うけど、まったく関わろうとしない兄は後悔せずに死ねるのか?とは思う。おっと、私に兄弟はいないんでした。

そう、親を介護するのは詰まるところ自分のため。後悔したくないからしてる。それが出来ない兄は気の毒な人ですよ。だから関係ないっちゅーねん!💨



母を見送ったあと、そして自分が介護される身になったとき、果たしてどうするか? それはそのときに考えるしかありません。

今はとにかく、モデルガンとかマジンガーZの超合金を買うために生きるとします。

インディ5も観に行かなきゃいけないし! これも生きる目的の1つだったんですよね。観たらまた1つ、生きてる理由が減ってしまう!

それでも、生きていくのかホントに?

生きていくんでしょうね。生きる気力のない人間がブログなんか書かんでしょうから。

 

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『亜弥のDNA』#04~#06

2023-06-25 18:05:16 | 刑事ドラマ2000年~

キセル乗車常習犯の近藤真晴(ホリケン。)と、銀行強盗犯の田原俊晴(ホリケン。)がそれぞれ犯行に使った改造拳銃が同じ製品であることが判り、山田署捜査一係の敏腕警部=松浦さゆり(三嶋幸恵)はバックに潜む密造組織の正体を暴こうと躍起になるのですが……

七曲署の山さんも真っ青な取調べにより田原を落とし、売人の名を吐かせたのは誰あろう、まだ中学生なのになぜか捜査に首を突っ込みたがる警部の一人娘=亜弥(松浦亜弥)なのでした。


第4話『ピッチピチ娘に御用心』では、その売人=野村義晴(ホリケン。)をすぐに連行するか、あるいは泳がせるかで亜弥と警部の意見が真っ二つに対立。

そうなると、ボスである藤堂係長(上原袈裟俊)に決めてもらうしかありません。

「どっちにしますか、係長。ベテラン女刑事か、ピッチピチ女子中学生か?」

「問題が違うでしょ!」



「ピッチピチじゃな」

「じじいっ!!💨」

係長のお墨付きを貰った亜弥は、即座に野村が潜伏するアパートに駆けつけますが、さすがに今回は警部が全力で阻止します。

「なんで首を突っ込むの! 私に仕返ししたいの?」

「なによ、それ」

松浦警部は、ずっと家のことを夫に任せて捜査に没頭し、母親らしいことを何もして来なかった負い目を感じてるのでした。



「お願いだから、こんな形で私を見返すのはやめて。もしもこんな事で、あんたが……」

「私、そんなつもりじゃないよ?」

「とにかくここは私たちに任せて。こう見えても優秀な刑事が揃ってるのよ。30秒で片付けてみせるわ」

「……分かった」

で、たぶん松浦警部に褒められたのは初めてであろう田口(三遊亭亜郎)&岩城(久保和明)らが喜び勇み、野村の部屋へと踏み込むのですが……



出来たてのインスタントラーメンを顔面に浴び、おまけに拳銃も奪われて、あえなく30秒で撃沈。結局、逃走する凶悪犯に亜弥が突っ込んで行くいつもの構図になっちゃいます。



野村は田口から奪った銃を構え、いつでも発砲できる状態。今回ばかりは警部の援護射撃が無ければ、さすがの亜弥も「たった10年そこそこの人生」を閉じる羽目になったかも知れません。

ついに警部が、亜弥の頬を叩きます。



もうこれ以上、母を心配させちゃいけないと悟った亜弥は、刑事部屋の藤堂係長にお詫びとお別れの挨拶をするのでした。

「なんじゃ、帰っちまうのか。そりゃ淋しいのう」

「……お母さん」

「ダメよ。どうせこの人はピッチピチが目当てなんだから」

「ピッチピチのなにが悪いんじゃ!?」



「これは売人の供述を元に作成したリストです。これだけの人数が改造銃を購入してるんです。ピッチピチとか言ってる場合じゃありません」

「あんたが振ったんじゃろが!」

と、そこで銃による他殺死体発見の知らせが入り、刑事たちが飛び出して行きます。母から受け継いだ敏腕捜査官の血が騒ぐ亜弥を、ロッカーから覗いてる女は幽霊じゃありません。




第5話『メル友って何じゃ?』では、ついに起こってしまった殺人事件により、身を引いたはずの亜弥がますます活躍しちゃう展開になります。

なにせ今回、例の改造拳銃で殺された被害者の少年=本木雅晴は、亜弥と同じあさひが丘中学校の生徒なのでした。

家に帰りますと言いながら係長と将棋してた亜弥は、その事実を知るや早速ケータイを取り出し、本木少年の交友関係を調べ始めます。



「そうか、メル友か!」

「情報収集にはこれが一番よ」

「メル友って何じゃ?」

「足で捜査する時代は終わったのかねえ……」

「メル・ギブソンの友達か?」

こうなるともう、松浦警部も亜弥のネットワークに頼るしかありません。

結果、殺された本木はクラスの虐めっ子グループのリーダーで、いつも虐められてた同級生が複数いると判ります。



その虐められっ子の1人=城島茂晴(山田広野)はまさに今、本木の子分だった3人の虐めっ子に虐められ中なのでした。

「そこまでよ!」



「1人の子を3人がかりで、カッコ悪すぎだよアンタたち!」



「なんだ、テメエ!」

「やんのかテメエ!」

「女だからって容赦しねえぞテメエ!」

不良だの極道だのといった連中はおしなべて、口にする台詞のボキャブラリーが乏しくて本当にカッコ悪いと、宮藤官九郎さんが仰ってました。

今度は女の子1人に3人がかりで殴りかかる卑劣な不良どもに、必殺あややビンタが炸裂!



きっかり3秒で戦闘力を奪われた不良どもは、田口刑事&岩城刑事にも日頃のうっぷんを余すこと無くぶつけられ、あえなく退散。



やられる側の痛みとオトナ社会の恐ろしさを思い知った彼らは、ニートとなって毎晩悪夢にうなされ、死ぬまで苦しみ続けることになります。祝・いじめ根絶!

弱いもの虐めはそれほど罪深いワケだけど、だからと言って撃ち殺すのは、ちょっとやり過ぎ。果たして犯人はこの城島くんなのか?

「キミもさ、ちょっとぐらい抵抗しないとカッコ悪いよ?」

「A組の松浦さんだ……」

「あやや、よく知ってるね」

「キミのことを知らないヤツなんて……」

照れてる場合じゃありません。亜弥がこの城島くんにターゲットを絞ったのは、同じ氏名が改造銃の購入者リストに載ってたから。



「拳銃買うのに本名教えちゃダメでしょ。これじゃどう考えたってキミが殺人犯だよ?」

「違うよ! 拳銃は確かに買ったんだけど、没収されたんだ」

「誰に? いつ? どこで? 何のために? 血液型は?」

「いっぺんに聞かないでおくれよ。学校で、持物検査されて……」

「!?」



「まさか、先生が?」

城島くんの担任教諭=長瀬智晴(児山武史)が拳銃を没収し、それがまったく公になってないという事は、つまり……!




第6話『亜弥の説教部屋』では、放課後の職員室に学校きっての美少女から呼び出され、ドキドキしながらやって来た長瀬教諭が、母親の手伝いで改造銃について調べてると告白され、赤くなってた顔を一気に青くします。

「キミ、そんな事してて、受験は大丈夫なのか?」

「あややぁ〜💦」



さすがは先生! いま最も痛いところを突かれ、さすがの亜弥も頭を抱えます。

「私のことはいいんです! 先生のクラスの城島くん、その改造銃を買っちゃったんですよ。ご存知ですよね?」

「えっ……そ、そうなのか?」



「先生。どんな嘘でも、必ず嘘は不利になっちゃうんですよ?」

「…………」

「城島くんが銃を買ったことは分かってるんです。その先は、言わなくても分かりますよね?」

「…………僕が没収した」

決して長瀬教諭は悪人じゃない。それをよく知ってるから、自首させて少しでも罪を軽くする役目を、亜弥が買って出たのでした。

「それから?」

「銃は……ウチに置いてある」

「それだけ?」

「…………」

「それだけじゃないんだね……」

「…………」

今度は長瀬教諭の方が頭を抱えます。



「先生のこと、みんないい先生だって言ってるよ? 私もそう思ってる」

「…………」

「先生、私はあなたを捕まえたりしません。あなたの心が知りたいだけです。逃げないで、勇気を出すんです!」

「…………僕は、イジメを無くしたかったんだ」

見て見ぬフリが出来なかった長瀬教諭は、虐めっ子らに話し合いを求めたけれど状況は変わらず、それどころか教師が介入したことで虐めは更にエスカレートしたのでした。

「虐められっ子を護るには、ああするほか無かったんだ!」



「そんな……それしか無かったなんて、そんなワケ無いじゃない! 最悪の選択だよ! なんで1人で抱え込んじゃったの?」

すでに精神を病んでいたであろう長瀬教諭は、いきなり立ち上がって懐から改造銃を取り出し、自分のこめかみに銃口を押し当てます。



「いけないっ!」

物陰で見守ってた松浦警部が駆け寄ろうとするも、間に合わない!

すると……



「バカッ!!」



メガトン級のあややビンタを浴びた長瀬教諭は、人生最多の鼻血を流して我に返るのでした。



「どうしてそんな簡単に、殺したり死のうとしたりするんですか!? 誰も死んだり生きたりなんて出来ないんです! 一度死んだらそこでおしまい、一度きりの人生なんです!」



「先生がそんな事してて、私たちはいったい誰から人生を、命の尊さを学べばいいんですか!?」



まるで金八先生みたいな亜弥の説教は、ずっと娘を放ったらかしにして仕事に打ち込んできた、母親の胸にもチクリと突き刺さります。



「あんたには参っちゃうわ」

「また怒るの?」

「ううん。大した娘よ、あんたは」

母親に脱帽され、満面の「どや顔」を見せる亜弥ですが……

「で、受験どうなってんの?」

「!?」

「私もすっかり忘れてたけど、大丈夫なの?」

「忘れてたって、いま何月だと思ってるの? あんたそれでも親?」

「誤魔化さないで!」

「そっちこそ誤魔化さないで!」

結局ケンカしちゃう2人だけど、それは今までとは明らかに違う、ほのぼのとした親子喧嘩。



そんな牧歌的な光景が、いつも陰から覗き見してるこの人(田中美穂)はお気に召さないご様子ですw


存分におちゃらけつつ、アクションやキャラクタードラマもしっかり盛り込むのが、昭和の刑事ドラマをよっぽど愛してるに違いないK監督の持ち味。

バラエティー番組内のミニドラマを、これほど細かくカット割りして映画風に撮る監督も珍しく、当然ながらコント風に撮るより数倍の時間とコストを要した筈で、現場の苦労が伺えます。



けれど最初の3話と違い、松浦亜弥さんが実に伸び伸びと演技されてるお陰で画面も弾み、がぜん面白くなって来たと私は感じてます。

続く第7話から第9話(最終回)までは一気に駆け抜ける3部作で、本格的なアクションシーンもあり、まるでちゃんとした刑事ドラマみたいになってます。是非、最後までお付き合い下さい!


 

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『亜弥のDNA』#01~#03

2023-06-22 22:02:40 | 刑事ドラマ2000年~

グループではなく単独で爆発的に売れた史上最後のアイドル「あやや」こと松浦亜弥さんが、前回レビューした『スケバン刑事/コードネーム=麻宮サキ』(’06) よりもずっと早い、2002年という人気絶頂期に刑事ドラマ『亜弥のDNA』で主役を張ってたことをご存知でしょうか?

と言ってもそれはプライムタイムの連ドラじゃなく、テレビ東京系列の深夜バラエティー番組『アイドルをさがせ!』内の1コーナーで、各話10分にも満たないミニドラマシリーズ。

なんだけど、異常なほどの刑事ドラマ愛に満ちた内容で、かつ私好みのナンセンスなユーモアに溢れた作品でもあるから、このブログで取り上げないワケにはいきません。スケバン刑事はただの「前ふり」です。

よっぽどの天才でイケメンなクリエイターによる作品だと私は確信してるけど、ちょっとクセの強い作風だったりもするので、好みはきっと岐れる事でしょう。

だとしても、あやや本来の魅力、あの怪物的なアイドルパワーを再確認するにはうってつけのドラマ。なにせ、あやや以外は全員くまなく無名のアクター! そして見るからにチョー低予算! なのに輝いてる!

石原裕次郎さんが「太陽そのもの」と云われたのと同じように、あややの存在が皆を輝かせてる。まさにスーパースターで、アイドル中のアイドル! それが本来の松浦亜弥さんです。



主人公は、あさひが丘中学校に通う中学3年生の、松浦亜弥。ドラマや映画において、売出し中の新人タレントに芸名と同じ役名を与えるのは昭和からの伝統。(逆にデビュー作の役名を芸名にする人も多かった)

あややの「人気絶頂期」って書いたけど、正確には「これからブレイクしようとする時期」に出演が決まり、撮影期間中にみるみる売れっ子になって紅白出場まで果たし、こんなちっぽけなドラマに出てる場合じゃない状況の中、針の穴を通すようなスケジュールの隙間を縫って撮影された、苦心の作。それが『亜弥のDNA』。

全エピソードの演出と脚本を任されたK監督は、自主映画上がりでこれがプロデビュー作だったという、マイナーどころか素人に毛が生えたばかりの超ド新人。

もし、あややのブレイクがあと数日早かったら、K氏が監督を任されることは無かった筈で、このときに彼は一生分の運を使い果たし、以降は苦労の絶えない人生を送ってるみたいですw



第1話『足を交互に出して走れ!』は、山田署捜査一係のボンクラ刑事コンビ=田口(三遊亭亜郎)& 岩城(久保和明)と、米国大統領暗殺を企てる無賃乗車の常習犯=近藤真晴(ホリケン。)との、非常にデンジャラスな距離感によるガンアクションで幕を開けます。



で、あっさり刑事たちを蹴散らして逃げようとする近藤の前に立ちはだかったのが、スーパースターのオーラを放つ稀代の美少女!



どう見てもティーンエイジャーの少女が、なぜ怖い顔して通せんぼするのか理解できないまま、とりあえず逃げてみる近藤を、彼女は全力疾走で追って来るのでした。



「なんでオレは子供に追われてんだっ!?」



ティーンエイジャーの肺活量には到底勝てないと悟った近藤が、卑劣にも少女に銃口を向けます。



ところが少女は平然と銃のシリンダーを掴んで発砲機能を封じ、あややパンチ1発とあややキック1発で近藤をノックアウト!



「子供、子供ってうるさいんだよ!」

「誰なんだ、テメエは!?」

「あさひが丘中学3年A組、松浦亜弥」



「お前、スケバン刑事か?」

「何それ? 私、スケバンじゃないよ」

「スケバン刑事も知らねえ子供じゃねえか!」

と、そこにもう1人の美女が登場します。田口&岩城コンビの上司にあたる敏腕警部、その名は松浦さゆり(三嶋幸恵)。



そのとき「あやや!?」と叫んだのは、亜弥自身。動揺したときに発する彼女の口癖です。

「亜弥! 何やってんの!?」

すかさず亜弥から拳銃を取り上げた松浦警部は、スキを見て逃げようとする近藤のすぐ横に立ってる鉄柱を狙って発砲!



弾丸は鉄柱に当たって跳ね返り、近藤の足に命中して逃走を阻止しちゃうのでした。

「撃たなくたっていいじゃない!」

「私は鉄柱を狙ったのよ。事故だわ」

「あやや!? ダーティハリーも真っ青だよ!」

「ダーティハリー知ってて、なんでスケバン刑事知らねえんだよっ!?」



当時15歳の松浦亜弥さんは恐らくダーティハリーもスケバン刑事もご存知なかったでしょうが、4年後に何の因果かマッポの手先「麻宮サキ」となってスケバン刑事の映画に主演します。

「中学生がなんでこんな事してんの!」

「別にいいじゃん、役に立ってるでしょ?」

「バカ言わないの!」

と、そこに何の役にも立ってない田口&岩城のコンビが駆けつけ、亜弥が捜査に協力することになった理由を説明します。

それは数日前、2人がいつものごとく取り逃がしそうになってた犯人を、たまたま通りかかった亜弥が咄嗟のパンチ&キックで倒してしまい、それ以来、彼女を全面的に頼るようになったという止むに止まれぬ事情。

「なにが止むに止まれぬ事情よ! あんたたち、こんな子供に手柄もらって恥ずかしくないの?」

「いい加減にしてよ、お母さん!」

「えっ、お母さん!?」

たいへん驚く田口&岩城だけど、松浦という姓を聞いたときに警部の身内かも?と一瞬でも思わなかったんでしょうかw



第2話『情熱のキッス』では、定年退職するのをうっかり忘れて仕事を続けてる、捜査第一係長の藤堂警部(上原袈裟俊)が初登場!



そんな係長ゆえ、刑事部屋に女子中学生が混じってても全然気づかない。だから亜弥も堂々と捜査に参加できるという、とても理にかなった設定。

ご高齢ゆえ電話に出るのも時間がかかり、先に受話器を取った亜弥が銀行強盗発生の第一報を受けちゃいます。



「係長、現場に急行します!」

「有無!」

「なんで有無なんですかっ!?」

「あっ、間違えた!」



松浦警部=母親の心配なんかどこ吹く風で、またもや拳銃を所持する犯罪者を追って走る亜弥!



その強盗犯=田原俊晴(ホリケン。)は前回の犯人=近藤真晴とルックスがよく似てるけど、もちろん別人です。



そして亜弥は、田原が逃走中に1人の女とアイコンタクトを取った瞬間を見逃しませんでした。

「はっ、なぜ此処に!?」

「だって、カノジョが待ってるんだもん。絶対戻って来ると思った」



うまく「まいた」つもりが先を読まれ、観念せざるを得ない田原は、悔しまぎれの深〜い接吻をチュバチュッチュと、至近距離で天下のアイドルに見せつけるのでした。




第3話『亜弥がカツ丼を食べた』では、まったくの別人である近藤真晴と田原俊晴が犯行に使用したリボルバーが、まったく同じ型の改造拳銃であることが判明します。

ということは、他にも同じ改造銃を持った同じ顔の犯罪者が、もっといるかも知れない!

恐らく大規模な密造組織がバックに潜んでると睨んだ松浦警部は、逮捕した田原からその手掛かりを聞き出すべく、取調室に向かうのですが……

「いい加減に吐いたらどうなの!?」



「亜弥! 何やってんの!?」

「邪魔しないでよ、お母さん。もうちょっとで落とせるんだから」

「落とせる?」

さすがに目眩を起こした松浦警部は、女子中学生に凶悪犯の取調べを許可した藤堂係長に猛抗議するのですが……

「そうじゃ、思い出したぞ!」

「は?」

「あの子の眼じゃ。どこかで見た気がすると言ったろう?」



「新米の頃の、あんたの眼じゃよ。あの眼にそっくりじゃ」

「新米の頃の私?」

「触るとヤケドしそうな、情熱的な眼じゃ」

「…………」



放映当時、あややファンたちは『亜弥のDNA』というタイトルにSF的な深い意味が込められてるに違いない!ってネットで騒いでたらしいけど、実際はすこぶる単純に、犯罪捜査に懸ける母の情熱と才能を受け継いでるから亜弥は強いんだっていう、それだけの意味しか無いそうです。

今回も亜弥は、その持って生まれた凄腕捜査官スキルを存分に発揮!

まずは田口たちにカツ丼の出前を手配させ、昨夜から食事はおろか水も与えてない容疑者=田原に食わせるのかと思いきや、その眼の前で実に美味そうに、自分で平らげます。



「あ〜、美味しかった。お腹いっぱい!」

その上で田原の母親を呼び寄せ、手作り弁当を差し入れてもらうという心理作戦。’02年当時でも色んな意味でアウトだろうけど、それが出来ちゃうのが深夜番組(しかもテレ東)の強み。



もちろん田原はあっけなく落ちて、売人の身元を明かすのでした。

「あやや〜、これも美味しそうだぁ」

またもや手柄が転がり込んだ田口&岩城は大喜びだけど、さんざん亜弥の介入を拒んできた警部は立つ瀬がありません。

そもそも、亜弥はなぜ、一銭のトクにもならない危険な捜査に首を突っ込んで来るのか?



そして、こないだから亜弥たちの様子をこっそり覗き見してる、この女(田中美穂)はいったい何者なのか?

小賢しい(そして全くどうでもいい)数々の謎を引っ張りつつ、次回へと続きます。



なお、 zetima社から発売されたDVDには、映像特典として各エピソードごとにNG集がついており、本編とは違う松浦亜弥さんの15歳らしい笑顔が見られます。

本編でも第4話以降は表情豊かになるあややだけど、第1話〜第3話は「刑事」を意識し過ぎたのか、表情がやけに硬いんですよね。

最初の3話は全てクランクイン初日に撮影されてますから、スーパーアイドルと言えども当時はまだ新人で、さすがに緊張してたのかも知れません。

いや、というより、自主映画上がりでプロのスタッフたちと仕事するのはその日が初めてだったという、K監督こそがガッチガチに緊張してたに違いありません。それが主演女優にも伝染しちゃったという、絵に描いたような悪循環w

なので、あややの魅力が真に発揮されるのは、次回から。今回のところは大目に見て下さいm(_ _)m


 

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『スケバン刑事/コードネーム=麻宮サキ』

2023-06-18 16:35:07 | 日本映画

2006年に公開された、深作健太監督による東映配給の日本映画。言わずと知れた和田慎二原作の人気コミックを実写化したシリーズの、今のところ最終作。

1980年代に斉藤由貴、南野陽子、浅香唯らが扮したスケバン刑事=麻宮サキを、グループではなく単独で爆発的に売れたアイドルとしては史上最後の人であろう「あやや」こと松浦亜弥が演じてます。



そして超合金ヨーヨーでサキと渡り合うライバルで、実は同じ「マッポの手先」だった裏切者=秋山レイカ役に「モーニング娘。」の元メンバーにして当時「美勇伝」のリーダーだった、石川梨華。



「美勇伝」は「モー娘。」や「あやや」らの所属する「アップフロントプロモーション」が当時売出し中だった3人組ユニットで、あとの2人=三好絵梨香と岡田唯も主要キャストとして出演してます。



そして初代「麻宮サキ」と思われるサキの母親として斉藤由貴が特別出演するほか、刑事崩れにして暗闇機関のエージェント=騎村に竹内力、桑田佳祐そっくりな指令役=暗闇警視に長門裕之、敵のラスボスに窪塚俊介、といったキャスト陣が脇を固めてます。



この作品は10年以上前にレンタルDVDで初鑑賞、そしてこないだ東映チャンネルで二度目の鑑賞となりました。

初鑑賞時は「あややが歴代スケバン刑事の中で一番サマになってる」のは良いけど肝心のストーリーが「気絶するほどつまんない」っていう感想でした。

久々に観れば印象が違うこともよくありますから、それを期待しながら今回観直したワケだけど、感想はやはり寸分違わず同じでしたw



歴代に比して「あやや」のスケバン役はサマになってて、演技も上手いもんだから「ギャップ」の面白味が無くなったことも大きいけど、それより何より「深作健太監督のセンスと演出力の無さ」が致命傷レベルだと言わざるを得ません。

皆さんご存知でしょうが、深作健太は親の七光りでいきなりメジャー大作(お父上が大ヒットさせた『バトル・ロワイアル』の続編)を任された二世監督で、確かそのときも演出力の無さを叩かれた筈だけど、コネが何より物を言う芸能界ですから、こうしてセカンドチャンスが貰えるワケです。

初鑑賞時の私は、その世界からドロップアウトして間もない頃でしたから、ひがみの感情も多分にあったと思います。だからこそ、あの世界に対して何の感情も抱かなくなった今なら、もしかすると楽しめるかも?って。

けど、そんな感情はいっさい関係なかった。つまんないものはつまんない。ただそれだけ。

我ら昭和世代とは感覚が違うゲーム世代の監督が、それより若い観客に向けて創った作品だから、オッサンには理解できないんだろ?って、健太は言うかも知れない。けど、キミより若い監督が創った作品でも面白いもんは面白いって、ちゃんと理解も評価も出来ますから!

そもそも、この作品が大コケし、アップフロントプロモーションの時代は終わったような印象を世間に与えてしまった(と私は思う)結果が、何より全てを物語ってます。



クライマックスのアクションシーンで、麻宮サキをセーラー服じゃなくバトルスーツで闘わせたこともバッシングされてたけど、そんなのはごく些末なこと。ストーリーさえ面白けりゃ観客は真逆の反応をした筈です。

東映さんが監督のチョイスをもっと真剣に検討していれば、結果は大きく変わってたかも知れません。そう思わせるだけの力を、松浦亜弥さんや石川梨華さんはちゃんと持ってました。

特に松浦亜弥さんに関しては、今や懐かしグッズになっちゃったムック「刑事マガジン」の2006年号で、お世辞や忖度にはいっさい縁が無さそうな竹内力さんと長門裕之さんが「芝居勘が抜群にいい」「ある意味バケモノ」「俺なんかどうでもいいから、とにかくあややを観てくれ」って絶賛されてますから!



そんな彼女の魅力どころか『スケバン刑事』というBIGネームバリューさえ活かせず、どんな作品でも常に褒めどころを見つけてきた私にさえ「気絶するほどつまんない」と言わしめた深作健太の罪は計り知れないって、久びさ登場の宮藤官九郎さんが言ったとか言わないとか。

自慢したいだけで書きますけど、私はかつて人気絶頂期の松浦亜弥さんと一緒にお仕事させて頂いたメモリーがあるもんで、正直やっぱり、恨みの感情が入ってます。

あややは本当に凄かった! そんな逸材の勝負作を、親の七光りだけの凡才に任せてしまった日本映画界にこそ、深い深い恨みがあるワケです。


 

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「向いてるのかも知れない」

2023-06-17 18:38:07 | 日記

私がええ歳しながら転職を試みるも失敗し、底なし沼に堕ちてく実況記事を楽しみにしてた読者も中にはいるだろうけど、あいにくそうはなりそうにありません。

介護職にチャレンジすると決めてから、早いもんで1ヶ月が経過したけど、失敗だと思ったことは一度もありません。これは自分でも意外でした。

それどころか、楽しい……とまでは言わないけど、宅配業じゃ味わえなかった充実を日々感じてます。てなことを書くと「強がってる」みたいに解釈する人もいそうで書かなかったけど、ホントに自分自身が一番驚いてるぐらい、気分よく毎日を過ごせてます。

とはいえ肉体的にはハードゆえ疲れるし、早起きしないといけないからブログの更新は滞りがちになるけど、今は執筆でストレス発散する必要が無いのかも知れません。

スポーツジムにもすっかり行かなくなっちゃいましたw 貴重な自由時間や休日にわざわざ身体を動かしに行くヤツの気が知れない!(最初の2ヶ月は無料っていう謳い文句に釣られて1年契約しちまった💦)



前にも書いたけど、こうなるように導かれて来たような気がしてなりません。

これまで半世紀以上の年月を生きてきた実感として、いかなる出来事も最終的に「プラマイゼロ」になるよう仕組まれてる。

私の場合、これまで人と接するのを極力避けてきたから、人生を折返したあとは思いっきり人と接しまくる職業に就くよう、何かに導かれたワケです。

その「何か」を神様と考えれば宗教になるけど、結局のところ導いたのは自分自身でしょう。人と接することを潜在意識下で望んでたに違いありません。

父が亡くなった時と、前の仕事を辞めた時に襲ってきた、強烈な喪失感。プータローになって独りで過ごした日々は、沢山の人と接する夢ばかり見てました。

だから、人と接するのがイヤだったんじゃない。ただ怖かっただけ。

それは人間関係でイヤな思いを散々して来たからだけど、その苦い経験が今になってプラスに活かされてるんですよね。

これも以前書いたけど、キツいことを言われても、無視されてもさほど傷つかない自分に、気づいたらなってたワケです。多くの人はもっと早くなるんだろうけど、イチモツは特大なのに気が小さい私の場合、半世紀という年月が必要だった。

イチモツが馬鹿みたいにデカいからこそ気は小さい。プラマイゼロです。



何より、私はこれまで自分の為にだけ生きて来たから、誰かの役に立つ喜びを知らないままだった。親の介護はしてるけど、それは育ててもらった恩返し=義務感からだし、2年や3年で返しきれるもんじゃない。

ちょっと話が重くなって来たけど、これまでやりきれてなかった事をこれからやって、プラマイゼロに持っていく。一人前になるってそういう事なんだろうなって、本当に今そう思ってます。

多くの人は家庭を持つことでその実感を得るんだろうけど、私はイチモツが特大すぎて家庭どころじゃないですから。

今回はちょっと、本題がシリアスすぎて下ネタが浮いてるけど、これも無意識にバランスを取ろうとしてるワケです。プラマイゼロにしなくちゃ!っていう、人間の本能だと思いますマジで。



だから、今の職場でやってること1つ1つに意味を感じてます。これが仕事における「やり甲斐」ってヤツかも知れません。

それと、人生の終末を迎えようとしてる、施設の利用者さん(特にお婆ちゃん)たちが、なんだか愛おしくて愛おしくてたまらない。自分の親とオーバーラップするからだろうけど、それだけとも思えない。

だから、この仕事は私に……というより「いまの私」に向いてる気がしてます。本当に意外でした。

あかん、シリアスすぎる! 自慢のイチモツを載せないとバランスがとれない!💦


 

コメント (4)
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