テレビ朝日&東映の看板を背負い、2023年現在まで全22シリーズが放映され、今後もなお続くであろう、現役の連ドラ最長寿を誇るミステリードラマ『科捜研の女』の、記念すべきシーズン1第1話が先日、CS東映チャンネルにて放映されました。
本放映は1999年10月21日、脚本=日暮裕一、監督=大井利夫、サブタイトルは『声紋は語る! 京都大文字の夜、謎の美女が……』。
殺人事件の現場を検証中だった京都府警捜査一課の木場警部(小林稔侍)と城丸刑事(伊藤裕子)の前に、吉田刑事(小林 隆)が挙動不審な女を連行してくる場面から、長い長い歴史がスタートします。
現場のゴミ箱を勝手に漁ってたその不審者こそ、科学捜査研究所に着任したばかりの法医研究員=榊マリコ(沢口靖子)なのでした。
近作におけるマリコさんより見た目が若いのは当然だけど、随分やんちゃと言うか、お転婆だったり短気だったりするのが、ちょっと新鮮。
これは長寿番組「あるある」で、最初はアクの強いキャラでも作品が長く続いていく内、演じる俳優さんの「素」にどんどん近づいて一体化しちゃう。『太陽にほえろ!』の山さん(露口 茂)が最たる例です。
番組自体もまだ手探り状態で、最初の2シーズンは変人キャラのマリコさんと対比、あるいはバランスをとる為か、常識人の城丸刑事がバディー的な役割を担ってました。
で、城丸さんにバツイチの彼氏がいて、その元妻が「とてもワガママで陰険な女だったらしい」と聞かされ、マリコさんも「いるよね、そういうバカ女!」とか言って呆れるんだけど、直後に紹介されたその彼氏がなんと……
マリコさんと4年前に離婚してから刑事部長に出世し、兵庫県警から京都府警に異動して来たばかりの元亭主=倉橋拓也(渡辺いっけい)だったから驚いた!
「ワガママで陰険な女で悪かったわね!」💢💨💥
相棒の彼氏に全力ビンタを食らわせ、気まずい空気になっちゃうワケだけど、城丸さんがお返しのビンタをマリコさんにお見舞いすることで、すんなり和解。何があってもウジウジしない、この明るさが一番の魅力かも知れません。
ちなみに、沢口靖子さんと別れて伊藤裕子さんと付き合ってる役を演じたことについて、渡辺いっけいさんは「もっとカッコいい俳優さんが演じるべきだと思った」と、実に正しいコメントをされてますw
そしてシリーズ初期を支えたもう1人のキーマンが、小林稔侍さん扮する木場警部。
科学を盲信するあまり頭でっかちになりがちで、「科学は人間と違って嘘をつかない」が口癖のマリコさんに、この番組のスピリットを象徴する言葉を投げかけます。
「人の情けや哀しみ、憎しみ。そんなもんが数字で表せると思ってんのか? 我々が相手にしてるのはナマな人間なんだよ」
「…………」
「人間ってヤツはね、どこまでも愚かでバカバカしくって、救いようがない。だから愛おしいんじゃないかな」
「……私には、私のやり方があるわ!」
当時はそう反発してたマリコさんも経験を重ね、現在はそれを若手に教える立場になってる。長寿番組でしか味わえない説得力がそこにあります。
京都府警 科学捜査研究所の初代メンバーは、現在所長を務める日野さん(斉藤 暁)と瓜二つだけどまったくの別人=物理担当の榎戸研究員(斉藤 暁)と、化学担当の小清水研究員(橋本さとし)、法医助手の奥田研究員(小林千香子)。
そして初代所長で文書担当の森村研究員(佐戸井けん太)。
以上のメンバーは(マリコさんを除いて)シーズン1にしか登場せず、キャスティング面でも初期は試行錯誤してたみたいです。
まさか、そこから20年以上も続く番組になろうとは、キャストもスタッフも視聴者もきっと、誰ひとり想像もしてなかったことでしょう。
記念すべき初回ゲストは、第1容疑者に斎藤陽子さん。
そして第2容疑者に渡辺真起子さん。
セクシーショットは伊藤裕子さん、小林千香子さん、斎藤陽子さんです。