ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「エゴサーチしてみたら驚いた!」

2021-02-28 19:00:05 | 日記


やっぱり、するもんじゃないですね。エゴサーチ。自分の名前をネット検索してみる行為。

かつて、ほんの数年だけど創作でメシを食ってた時期があり、名前を検索すればいくつか記事が出て来ちゃうし、顔もすぐにバレてしまう。別に犯罪してたワケじゃないからいいんだけど。

エゴサーチは、今まで怖くてしたこと無かったんです。お節介な友人が「こんな悪口書かれてたよ」ってわざわざ知らせてくれた事はあったけど、その悪口を書いたヤツよりも友人の方に私は悪意を感じました。ほんと余計なお世話です。

今回は、テレビ番組でタレントさんがエゴサーチの話をされてて、そう言えば自分はしたこと無かったな、いっぺんやってみようかなって、軽い気持ちで始めたんですよね。私の本名と、このブログの「ハリソン君」がどこかで繋がってやしないか?っていう不安もあったし。

そしたら、私がかつて手掛けた某映像作品について熱く語ってくれてるブログがあって、それもかなり好意的に書いてくれてるもんだから、うっかり読み耽ってしまったワケです。

そしたら、当時私が実名を出して書いてたホームページの日記と、その後で始めた最初のブログ、そして私が度々コメントを投稿してた(自主映画仲間たちとの連絡に使ってた)掲示板まで隈無く読まれてて、私が映像業界を去ってから始めたブログがトラブって閉鎖に追い込まれるまでのいきさつ、その間どんな仕事をしてどんなことをブログに書いてたか、私自身がもう忘れてることまで細かく知られてるもんだからチョー驚いた! おいちょ待てよ!



実名を出してない今のブログまではさすがに追いかけてないようで安心したけど、業界を去ってからもずっと見られてたかと思うと、怖いし、なんだか申し訳ないしで、久々に胸の奥がザワザワしました。

当然なんでしょうけど、かつて作品を評価してくれた人から見れば、私の人生は典型的な「おちぶれ人生」であり、物凄くカッコ悪い生き方なワケです。いや、映像業界の悪口を書いてる時は自分でも「ただの負け犬の遠吠えやん」って思ったりするけど、見ず知らずの人から冷静に言われると凹みます。やっぱりそうか!ってw

また、その人の分析がいちいち的確で、業界にいた頃は勘違いしてゴーマンになってたことも見透かされてて、そのせいで当時の仲間たちもどんどん離れて行ったとか、自分で分かってても振り返りたくない、とても痛い本質を今になって指摘されてたような事になってしまい、ほんと何とも言えない気分になって、今日書くつもりだった記事を書く気力が無くなっちゃいました。で、今これを書いてる次第です。

私は自虐的なところがあるし、見栄を張ってカッコいいこと書く方がよっぽどカッコ悪いと思ってるから、自分の恥部をあえて書いちゃうクセがある。今回見つけてしまった記事の「分析がいちいち的確」ってさっき書きましたけど、自分がゴーマンになってたことも仲間たちが離れていったことも自分で書いちゃってましたから、著者はそれをただなぞってるだけかも知れません。

それはつまり、こっちが自虐ネタとして書いたことを真に受けられ、そのまんまの人間だと思われてしまう怖さもあるワケです。まぁ、おおむね事実なんだけどw

とにかく、当たり前だけど書けば読まれてしまう、それが世の中に残ってしまう(閉鎖したブログもどこかでコピーされ見られてるみたいです)、それが後になってけっこうグサッと突き刺さって来る場合もあることを、あらためて思い知らされました。

レビュー記事は良いとして、日記カテゴリーであげた記事は全部削除した方がいいかな?って、ちょっと思ったりもしました。親の介護の事とか、むかし包茎だった話とかw、わざわざ公表するのも考えもんだぞって。

けど、やっぱり、他人がどう思うかなんてどーでもいい事なんですよね。

客観的に見れば落ちぶれ人生でも、私自身は今こうしてブログを書いてる方が、映像業界で神経をすり減らしながら働いてた時よりよっぽど楽しいし、親の介護も自分の意志でやると決めた事だから、しんどくても納得してます。

件の記事の著者に対しては、私の映像作品を評価してくれたことは素直に有難いと思うけど、辞めた後どういう風に生きてるかに関しては、ホント余計なお世話。他人の人生を覗き見してあれこれ書くヒマがあるなら、自分で私のより面白い作品を創ってみなはれって思う。ゴーマンですか? いいですよゴーマンで。ゴーマンさゼロの人間なんてこの世にいないでしょう。

って、そんな記事をわざわざ見つけ出してドンヨリしちゃってる、今日の私こそが一番滑稽ですよね。これ以上に無益なことって何もない。やっぱエゴサーチなんてするもんじゃないです。ほんと時間の無駄でした。反省。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『太陽にほえろ!』#423

2021-02-27 00:35:06 | 刑事ドラマ'80年代










 
『太陽にほえろ!』が築いた刑事ドラマの定石をことごとく覆し、新時代のスタンダードとなった平成の大ヒット作『踊る大捜査線』('97) の全脚本を執筆された君塚良一さんが、実は『太陽~』でプロデビューされてたことはマニア間じゃ有名な話だけど、一般的にはあまり知られてないかも知れません。

『太陽~』で書かれたのはこの#423オンリーだけど、なにせデビュー作ですから君塚さんにとって忘れがたい作品みたいです。

ただしそれは、どちらかと言えば悪い意味で忘れがたいのかも? 近年NHKのBSプレミアムで放映された『太陽~』特集番組における君塚さんご自身のコメントによると、確かに君塚さんの書かれたプロットが採用されはしたんだけど、出来上がった台本を読むと「ぼくが書いたセリフやト書きは、一字一句残ってなかった」んだそうですw つまりメインライターで監修役の小川英さんに書き直され、ほとんど原型を留めてなかった。

君塚さんが書かれたのは「高校生が自殺した友人に代わって大人に復讐する」ストーリーなんだけど、それが「僕がこれをやりたいと思った核を残しつつ、全部がきちんとエンターテイメントに仕立て直された感じ」になってたそうです。

「複雑な気持ちだったけど、悔しいとは思わなかった。だって(完成作は)とても面白かったから」

そう述懐されてる君塚さんの書かれたホンが一体どんなだったか、なぜ原型を留めないほど直す必要があったのか、完成作から逆算して推理しながらレビューしたいと思います。

なお今回は、翌週に最終回を迎える『あさひが丘の大統領』で生徒役レギュラーだった田中浩二さんと星野浩司さんがゲスト出演されてるのも見どころの1つ。さらに頭師孝雄さん、西田健さん、そして『太陽~』の後番組『ジャングル』で刑事役レギュラーとなられる安原義人さん等、なにげに豪華布陣です。


☆第423話『心優しき戦士たち』

(1980.9.12.OA/脚本=小川 英&君塚良一/監督=山本迪夫)

長さん(下川辰平)が父親の法事で休暇を取り、数年振りに夫婦で帰郷しようとした朝、七曲署管内でジョギング中のサラリーマンが轢き逃げされる事件が発生。

ニュースを観るかぎり手掛かりが少なく、犯人を探すには人手がいるだろうと察した長さんは、奥さん(西 朱実)を先に出発させて自分は捜査に参加。いくら昭和のモーレツ労働者とは言え、ここまで来ちゃうとマジ病気ですw

で、その甲斐あってルポライターの村上という男(西田 健)に容疑が絞られ、その村上が事故直前に芸能プロダクションの社長=守田(頭師孝雄)と会ってたことが判り、長さんは新婚ホヤホヤなのに顔じゅう毛だらけのロッキー(木之元 亮)を連れ、守田に会いに行きます。

そしたら、その守田のプロダクション所属でただいま人気絶頂のアイドル歌手=堀川陽子(池田信子)が行方不明になって大騒ぎしてたもんだからこっちも驚いた!

いきがかり上、長さんたちも陽子の行方を探すことになるんだけど、その道すがらルポライター村上との関係を尋ねても、守田社長は「今はそれどころじゃないでしょう!?」とか言って話を逸らしちゃう。

まぁ確かに、事件性があるとすれば陽子の命にも関わって来ますから、今は行方を探すしかない。聞き込みの結果、どうやら彼女は同年代の少年2人組に連れ去られたことが判って来ます。

誘拐事件ともなると長期戦を覚悟せねばならず、とりあえず長さんは着替えをしようと、いったん自宅マンションに戻るのでした。

そしたら、自分ちの食卓で見知らぬ少年2人と、見覚えある女の子1人がカップラーメンをすすってるもんだからマジ驚いた!

「なんだお前たちは!? ……おいちょ待てよ、キミは確か……」

そう、ただいま人気絶頂のアイドル歌手=堀川陽子と、彼女を拉致した犯人に違いない少年2人=修(田中浩二)と武(星野浩司)が、長さんちで勝手にくつろいでるのでした。

なぜ、彼らはここに隠れてるのか? 実は今朝、長さんがご近所さんに「法事で3日ほど留守にします」と挨拶してたのを、この区域で新聞配達をしてる修がたまたま聞いており、まさかこのお人好しそうなオジサンが刑事とは思わず、管理人室から合鍵を盗んで侵入し、アジトに使ってたワケです。

もちろん、七曲署では拳銃の常時携帯が許可されてますから、長さんは愛銃COLTローマン2インチの銃口を彼らに向け、すぐ電話でボス(石原裕次郎)に報告しようとするのですが……

「おいちょ待てよ! 電話したら今ここで死ぬ!」

「おいちょ待てよ! オレも一緒に死ぬ!」

「おいちょ待てよ! 分かった、話を聞こうじゃないか!」

彼らは持ってた果物ナイフを陽子にではなく、自分の喉元に突きつけており、彼女に危害を加えるつもりは無さそうです。そもそも彼らは今の今まで、3人仲良くカップラーメンをすすってたんです。人んちで勝手にw

自分が食うラーメンは残ってるのかどうか気にしつつ、長さんは彼らの話をとにかく聞いてみることにしました。

それで判ったのは、修と武が1年前に自殺したアイドル歌手=古城冴子の友達であること、その冴子も守田プロダクションの所属タレントだったこと、そして守田社長がタレントのギャラを搾取したり、タレントが移籍を希望しようものなら全力で脅迫したりと、札付きの悪徳マネージャーであること。

そう、古城冴子を自殺に追いやったのは守田社長であり、2人はその事実を世間に暴露するため、ルポライターの村上に調査を依頼した。

ところが、最初は正義感に燃えてた筈の村上が昨夜、急にこの件から降りると電話して来た。恐らく村上は、守田社長から多額の口止め料を貰った。だから守田は村上との関係を話したがらなかったワケです。

もう頼れる相手が誰もいなくなった修と武は、今夜テレビに生出演する予定の現役アイドル=堀川陽子を拉致し、その番組に穴を空けることで守田社長に打撃を与えようとしてる。だけど……

「そんな事をして何になる?」

「何にもならない事ぐらい初めから分かってる! こんな事すれば捕まるだけだって事も分かってるんだ!」

「でも、俺たちに出来るのはこれしか無かった。今日の番組に穴を空けてやる事しか無かったんだ!」

2人は、古城冴子が自殺した日の前夜に電話をもらい、彼女から「友達はキミたちしかいない」「死にたい」そして「マネージャーが怖い」といった言葉を聞いていた。

冴子は「もう歌は唄えない」と言い、「歌って、人間が好きでなきゃ唄えない。人間が怖くちゃ唄えない」とも言っていた。大好きだったことがいつしか苦痛になり、彼女は生き甲斐を失ったワケです。

「あの子は守田社長に殺されたんだ!」

その上、2人と一緒に戦ってくれる筈だった村上も、結局は守田に買収されてしまった。

「俺たちが守田マネージャーに少しでも打撃を与えるには、これしか無かったんです!」

「お願いします、番組が終わるまで待って下さい! それだけでいいんです! お願いします!」

「……いや、それは出来ん……お前たちがやったことは誘拐なんだよ。誘拐はな、殺人の次に罪が重いんだ」

「でも!」

「言いたいことがあれば法廷で言うしか無いんだ。手記を出すことだって出来るだろう?」

「そんな事したって誰も聞いてくれやしない! 汚ないヤツらはそんな事したって平気なんだ! だから俺たちは……」

「それでもそれしか無いんだっ! それが、この世のルールだっ!!」

自らの迷いを吹っ切るように怒鳴った長さんに、今度は被害者である筈の陽子がたたみ掛けます。

「この人たち、誘拐なんかしてません! 私、自分でこの人たちについて来たんです。誘拐されたんじゃありません!」

「キミ……」

陽子もまた、守田から生き甲斐を奪われた操り人形の1人であり、もう人前で唄いたくないと思い詰めてるのでした。

「自分が我慢すればいいと思って来ました……でも、もう笑顔は作れません」

「…………」

「お願いです、今夜の番組が終わるまで待って下さい。刑事さん! 待って下さい!」

「…………」

涙を流して訴える美少女に、さすがの長さんも職務を忘れかけます。あと3時間……わずか3時間、待ってやるだけの事だ……

それで一旦、長さんは彼らに協力することを決意するんだけど、もちろんチョー生真面目ドラマ『太陽にほえろ!』がそんなことを許すワケがありません。悩みに悩んだ末、長さんは前言を撤回します。

「やはり……見逃すワケにはいかん」

再び長さんが拳銃を手にし、ボスに電話をかけたもんだから修と武は逆上します。

「畜生、騙したなっ!?」

ルポライターの村上に裏切られ、今度は刑事にまで裏切られたんだから逆上するのも無理ありません。長さんは2人がかりでフルボッコにされ、痛みに耐えながら彼らに手錠を掛けます。身体の痛みよりも、心の痛みの方がずっと堪えたに違いない長さんなのでした。

「なぜですか? なぜあの人たちを騙したんですか?」

テレビ局へと向かう車内で陽子に問われ、長さんはこう答えました。

「……騙したりはせん。迷っただけだよ」

「…………」

「あの子たちに今それを言っても、嘘としか思わんだろうが……しかしそれでいいんだ。それが、我々の仕事だ」

「でも私、もう今夜の番組には出たくないんです。唄いたくないんです! 守田さんのプロダクションが作ったあんな歌……」

「しかしね、その歌も堀川陽子も、プロダクションのものじゃないだろう? たくさんのファンのものだと私は思う」

「…………」

「その人たちに、キミは今夜唄うことを約束したんだろ? 約束は守らなきゃいかん。それが、キミの仕事だ」

「…………」

「1つ、頼みがあるんだがね。出来れば、あの子たちの友達になってやってくれないか? 警察を恨むのは構わんが、キミとあの子たちが仲良くしてると思うと、私も楽しいんでね」

「……はい」

どうやら長さんの想いは陽子に通じたらしく、彼女は予定通り生放送に出演し、画面越しに明るい笑顔を見せてくれました。

この時に彼女が唄ったのは『スター誕生!』出身の歌手=浦部雅美さんが'77年にリリースされた『ふるさとは春です』という楽曲。浦部さんのレコード音源に合わせた口パクみたいです。

陽子役の池田信子さん、決して悪くはないんだけど、アイドル歌手を演じるには華が足りないよなあって、私は正直思いました。なんで本物のアイドルを呼ばないんだろう?って。まあ今回は悪徳プロダクション所属って設定だから無理としても、『太陽~』のキャスティングにはそういう不満が常にありました。たとえば大映制作の刑事ドラマだと山口百恵さんとかアグネス・ラムさん等がよくゲスト出演されてましたからね。


それはともかく、さて……完成作から逆算して君塚良一さんが書かれた本来のストーリーを推理する、なんて豪語しちゃいましたけど、ちょっとムリでしたねw

完成作は如何にも『太陽にほえろ!』らしい内容で、ほんと君塚さんの仰った通り「高校生が自殺した友人に代わって大人に復讐する」っていう「核」しか残ってないんでしょう。

もしかすると原案では、長さんが最後まで少年たちに協力しちゃってたのかも?って思ったりもしたけど、もしそれがこのストーリーの「核」だったなら、たぶん採用されてないと思うんですよね。

じゃあ、君塚さんが書かれたストーリーの、一体どこが『太陽~』制作陣の眼にとまったのか?

私が思うに、今回のエピソードで一番ユニークだったのは「長さんが自宅に戻ったら、犯人たちが勝手に上がりこんでメシを食ってた」っていうシチュエーションじゃないかとw そういうのって多分ベテラン作家には出来ない発想で、意外と眼を引くんじゃないかと私は思ったんだけど、如何なもんでしょう?

もしそうだとしたら、原案はもっとコメディー寄りだったのかも知れません。『踊る大捜査線』も基本はコメディーだし、君塚さんは萩本欽一さんのお弟子さんでもありますから、その可能性はけっこう高いんじゃないかと、私は思います。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『太陽にほえろ!』#422

2021-02-23 00:35:51 | 刑事ドラマ'80年代










 
☆第422話『令子、俺を思い出せ!!』

(1980.9.5.OA/脚本=小川 英&尾西兼一/監督=竹林 進)

先月ロッキー(木之元 亮)と結婚したばかりの交通課婦警=令子さん(長谷直美)が、新婚わずか1ヶ月にして記憶喪失になっちゃったもんだからおいちょ待てよ!

愛する妻に「あなた誰?」と言われ、いきなり今夜からチョメチョメ出来なくなっちゃうロッキーも気の毒だけど、眼の前に立ってる顔じゅう毛だらけの古臭くてダサい大男が、自分の結婚相手だといきなり聞かされた令子さんの心痛たるや想像を絶しますw

そもそも令子さんがこうなっちゃったのも、その爆毛男のせいなんです。すこぶる質の悪いヘロインが街に出回り、中毒患者が相次いでショック死する緊急事態の中、藤堂チームは売人の高岡(沖田駿一)を必死に探してました。

で、ロッキーはアパートに帰ってもその手配写真と睨めっこ。当然、狭い部屋で一緒に暮らす令子の眼にも入っちゃうワケです。警察官どうしの夫婦とはいえ、捜査情報の漏洩には当たらないんでしょうか?

それはともかくとして翌日、令子は駐車違反の取り締まり中に高岡と出くわし、その顔をまじまじと見てしまう。慌てて逃走する高岡をミニパトで追跡した令子は、返り討ちに遭って車で撥ねられ、その衝撃で記憶を失ったのでした。

画像ではロッキーに襲われて怪我したように見えますが、順番の入れ替えによる意図的な印象操作ですw ちなみに令子さんのパンティーが写ってます。

ロッキーが手配写真を見せたりしなければ、令子もそこまで深追いはしなかったはず。なのに爆毛は反省するどころか、自分の名前すら思い出せない令子が「記憶を取り戻しつつある」というニセ情報を流し、敵を誘きだそうとします。つまり、愛する妻をオトリに使おうと。

当然、ボス(石原裕次郎)には止められるんだけど、ロッキーは毛で出来た顔をキリッとさせながら言うのでした。

「でも、あいつが記憶喪失でなければ、自分から進んでオトリになった筈です! あいつはそういうヤツなんです! あいつは!」

そんなロッキーがつくづく古臭く、ダサいですw

で、狙い通りヘロイン組織の刺客が病院に侵入し、ロッキーは令子の眼の前でそいつをフルボッコにするんだけど、今や普通の女の子に戻っちゃった令子は泣きながら叫ぶのでした。

「出てって! 出てってよ! イヤよ! 大嫌い! バカッ! ケダモノッ! 鬼っ! 毛っ! ダサい! 古臭い!」

襲われた恐怖でますます心を閉ざした令子が、自ら記憶を掘り起こすことはもはや絶望的。そんなワケでロッキー刑事の幸せは、たったの1ヶ月であっけなく終止符が打たれるのでした。

さすがにちょっと、気の毒になって来ましたw

もちろん、ここでロッキーが離婚しちゃったら、後のマミー刑事も誕生しなくなっちゃいますから、何とかしなくちゃいけません。

というワケで奮起したのが誰あろう、後輩のスニーカー(山下真司)。令子も参加した七曲署慰安旅行の集合写真(なぜかスコッチがナーコと恋人気取りw)を彼女に見せながら、愛してるからこそ、命懸けで守る覚悟があるからこそ妻をオトリに使った、昭和モーレツ男=ロッキー刑事の毛で隠された真意を、まるでラグビー部の熱血顧問みたいに涙目で訴えるのでした。

「どうしてそんなに一生懸命なの? 犯人を逮捕したいから?」

「それもある。だけど先輩が好きだから、先輩が選んだキミも好きだから……オレだけじゃない、一係の仲間は皆そうなんだ!」

「…………」

さすがは後の泣き虫先生、効果はバツグンだったようで、自分が記憶を無くした時の工事現場に連れてって欲しいと、令子はロッキーに懇願するのでした。

「いかん、それは危険過ぎる!」

「あなたが守ってくれるわ」

「…………」

「一係の人たちも守ってくれるわ。憶えてるんです、私。すぐそばに、そういう人がいるってこと」

「…………」

「それから、その人に素晴らしい仲間がいるってことも。それだけは憶えてるんです」

「令子……」

かくしてあのパンチラ現場に、あの時と同じ制服姿で戻った令子は、あの時と同じように高岡らの襲撃に遭い、もちろんロッキーとその仲間たちに守られ、事件は解決するのですが……

「さぁ令子、思い出せ! キミは今みたいに襲われたんだ! そうだなっ!?」

「分からない……分からないんです、何にも……何にも分からないんです!」

「令子……」

結局、彼女の記憶はついに戻らず、ロッキー刑事の幸せはわずか1ヶ月で終止符が打たれるのでした。
 

いやしかし、それじゃ番組の歴史が変わっちゃいますから、やっぱり何とかしなくちゃいけません。

ロッキーは仕方なく、せめて最後に1回だけチョメチョメしようと令子をアパートの部屋に連れ込み、とりあえずちゃぶ台の前、つまり彼女の指定席に座らせるのでした。すると……

「ねえ、創さん」

「うん。……えっ!?」

「私、どうして制服なんか着てるの?」

「れ、令子っ!?」

最初からそうすりゃ良かったね、っていうお話でしたw

新婚早々に愛する妻が記憶を無くしちゃう、つまり赤の他人に戻っちゃうってのは相当切ない話で、主役がロッキーでなければ泣けたかも知れませんw

いや、しかし今回に限っては、ロマンス芝居が似合わない木之元さん&長谷さんだからこそ、かえって不器用な夫婦愛が自然に感じられたような気もします。特にラスト、令子の記憶が戻った瞬間のロッキーのリアクションにはグッと来ました。

当時は「また記憶喪失ネタかよ?」って冷めた眼で観た記憶があるけど、今あらためて観直すとこれ、なかなか良いエピソードです。令子さんと結婚させてもらえてホント良かったね、ロッキーw

ところで、この時期からロッキーの使用拳銃がS&W・M1917風のMGCハイパト・カスタムに変更されてます。スラッと長い細身のバレルが、長身のロッキーに似合っててイイ感じです。程よくマッチョになって貫禄もついて来て、結婚してからロッキーもちょっとだけ格好良くなりました。古臭いけどw

また今回、冒頭シーンの銃撃戦でロッキーがドック(神田正輝)のM59を拝借して使う描写があり、オート拳銃を構えるレアなロッキーの姿も見られます。すこぶる似合わないけどw

そのシーンでスニーカーはお馴染みのCOLTトルーパー4インチを使ってたのに、発砲する瞬間だけローマンの4インチと入れ替わるというw、昭和のアクションドラマ「あるある」も見られます。この時にトルーパーが壊れたりしたのか、次回からスニーカーの使用拳銃は『太陽~』初登場となるCOLTパイソン4インチにチェンジされ、後にラガー刑事(渡辺 徹)へと受け継がれていきます。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『チャーリーズ・エンジェル』2000

2021-02-21 17:50:30 | 外国映画









 
2000年に公開されたマックG監督によるアメリカ映画。1976年から'81年にかけて放映されたTVシリーズのリメイクであり、'03年に第2弾『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』、そして'19年に新キャストによる第3弾『チャーリーズ・エンジェル』(リブートかと思いきや続編なんですね) が公開されてます。

チャーリー・タウンゼント探偵社で働く女探偵3人の活躍を描いたアクション・コメディーで、この2000年版ではキャメロン・ディアス、ドリュー・バリモア(兼製作)、ルーシー・リューが「エンジェル」と呼ばれるキュートな探偵たち(ナタリー、ディラン、アレックス)を演じ、サポート役の「ボスレー」にはビル・マーレイが扮してます。(電話や無線で指示を送る所長のチャーリーは、いっさい顔を見せないのがシリーズのお約束)

2010年代で私がハマったアクション映画は『96時間』と『キック・アス』だけど、'00年代はこの『チャーリーズ・エンジェル』が一番繰り返し観た作品かも知れません。

なぜそんなにハマったのか、今となっては自分でもよく分かりませんw ハマってた当時すら、この映画のどこが良くてどう好きなんだ?と問われても「よく分かりません」って答えるしか無かった事でしょうw

今あらためて観ると、ムダとしか思えないシーンがてんこ盛りだし、ギャグは大半スベってるしでw、決して優れた作品じゃないことは明らか。捜査活動にいちいち「恋」が絡んで来るとこなんかホントかったるい!w

けど、やっぱり楽しいんですよね。底抜けに明るくて可愛くてセクシーで、だったらそれで充分やん!って納得させちゃうパワーがある。

『マトリックス』からの流れを受けたピョンピョン&クルクル(物理的に不可能なアクション)も当時は新鮮だったし、それをアクション専門じゃない女優さんたちがやってるのが何より良かった。

特に最初のアクション・シークエンス(夜の路地裏における『ヤセ男』との対決)は今観ても、何回観てもワクワクします。ほんとバカバカしくてw、やたらめったらカッコいい!

一言で言えば「突き抜けてる」んですよね。世間からどう思われようが、私はこれが可愛いと思うから、カッコいいと思うからやるんだ!っていうブレない姿勢がとても心地好くて、元気を貰える。そういう映画って、沢山ありそうでなかなか無い。

マックG監督がMTVやCM畑のご出身で、カッコいい見せ方を熟知されてるのも大きいだろうし、プロデューサーも兼ねたドリュー・バリモアさんの時代を読む鋭いアンテナとか、飾らないお人柄もプラスに働いたんじゃないかと思います。

それともう1つ、ハリウッドアクションにしてはそれほど大作感が無いのも良かったかも知れません。なぜなら、スケールアップされた続編『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』に私は全然ノレなかったから。1作目の絶妙なバランス感覚が、続編で力が入りすぎて崩れちゃうのはよくある話です。

かつて吉本新喜劇が全国ネットのゴールデンタイムに進出した時、オシャレかつ大掛かりな舞台装置でゴージャス感を出したばかりに、ベタなネタがことごとく空回りして全然笑えず、あっという間に打ち切られた悲劇を私は連想しちゃいましたw 新喜劇は梅田花月劇場サイズでないとダメなんです。

それとタイミングですよね。1作目のアクションは『マトリックス』ブーム冷めやらぬ時期だからこそ新鮮だったけど、続編の頃には飽きられてたかも知れない。最近公開された第3弾は観てないから何とも言えないけど、ほとんど話題にならなかったのは多分そういう事でしょう。

ついでに書きますと、かつて映画監督を目指してた私は、ちょうど『チャーリーズ~』1作目が公開された頃にプロデビューのチャンスを頂き、初の商業映画として和製『チャーリーズ~』みたいなガールズアクション・コメディーを監督したんだけど、全然ウケなくてお蔵入りになっちゃいましたw

自分で言うのも何だけど、それまで自主製作で創って来たアクション・コメディーはどれも好評で、だからこそチャンスを貰えたワケなのに、商業映画にスケールアップすると微妙に何かが違ってしまった。特にコメディーは、その微妙な違いで全てのバランスが狂っちゃう。失敗して初めて、私はそれを学びました。

そういうのって、創ってる当人でも出来上がってみないと分かんないものなんですよね。私の場合は単に才能が無かっただけかも知れないけど、どんな巨匠でも失敗する時は失敗しちゃう。創作ってホント難しいもんです。

この映画版『チャーリーズ・エンジェル』以後、'02年の『ボーン・アイデンティティー』登場を境に、アクション映画は大きく2つの作風に岐れて行ったような気がします。

1つは、その『ボーン~』シリーズが追究したリアリズムとスピード感を受け継ぐシリアスな作風、そしてもう1つは『アベンジャーズ』シリーズに代表されるアメコミヒーロー物の荒唐無稽な作風。『マトリックス』や『チャーリーズ~』のスピリットは後者に受け継がれてますよね。

『007』シリーズなんてかつては後者の代表格だったのに、ダニエル・クレイグのボンドになってから前者に舵を切ったもんで私は驚きました。それはそれでカッコいいんだけど、なんか違うような気もします。

そんな中、ぼくらのスタローン先生が『エクスペンダブルズ』シリーズ等で'80年代型の筋肉アクションを復活させたりなんかして、私ら世代にはそれが一番肌に合ってるかも知れませんw

いずれにせよ、いくつになっても、私はやっぱりアクション物が一番好きですね。そもそも「活動写真」なんだから、動いてナンボですよマジで!


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『クローサー』2002

2021-02-19 09:07:28 | 外国映画










 
2002年に制作され、日本では'03年に公開された、コーリー・ユン監督による香港&アメリカの合作映画。その翌年に公開されたマイク・ニコルズ監督の同名アメリカ映画とはもちろん無関係。原題は『夕陽天使』、英題は『So Close』で、『クローサー』は日本国内だけのタイトルです。

当時、まずはジョン・ウー監督作品に代表されるやたらスタイリッシュなGUNアクション物のブームと、ワイヤーワークを駆使しまくった『グリーン・デスティニー』などファンタジー色の強いアクション時代劇のブームがあり、それらの特色を取り入れたアメリカのSFアクション『マトリックス』シリーズが世界的に大ヒットして、登場人物たちがやたらピョンピョン跳んだりクルクル回ったりしながら二挺拳銃(たいていベレッタ)を撃ちまくるアクション映画がやたら流行ってました。

で、そのブームを取り入れつつ往年のTVシリーズをリメイクした『チャーリーズ・エンジェル』('00) がこれまた大ヒット、ガールズ・アクションのブームにも本格的に火が点いて、源流である香港で創られた決定版がこの『クローサー』ってワケです。

ぴょんぴょん&クルクル&二挺拳銃も大きな特色だけど、それ以前に登場人物たちがやたら格好つけて、それをやたらスタイリッシュな撮り方と編集(スローモーション多用)で見せるのがこの時代のトレンド。そこには押井守監督作品などジャパニメーションの影響もかなりあったと思われます。

そうしたブームは、アクション映画そのものの在り方を大きく変えたように思います。それまでのアクション映画はアクションスターと呼ばれる俳優たちが主役を務めて来たけど、それ以外の俳優でも凄いアクションを見せることが可能になっちゃった。

『チャーリーズ・エンジェル』がその典型例で、続いて登場したこの『クローサー』も、それまでアクション物には出てなかった人気女優3人が凄いアクションを見せてくれます。現在の日本で言えば石原さとみさん、広瀬すずさん、北川景子さんあたりがバリバリのハードアクションを演じるようなもんで、技術の進歩なしでは成立しない企画です。

その後『チョコレート・ファイター』のジージャー・ヤーニンや『アトミック・ブロンド』のシャーリーズ・セロン等の凄絶アクションを見てしまった今、本作は決して驚くほどのレベルじゃないんだけど、公開当時は女優さんもここまでやるようになったか!と感嘆したもんです。

『トランスポーター』のヒロイン役で注目されたばかりのセクシー美女=スー・チーと、『少林サッカー』で一躍トップアイドルになった可憐なヴィッキー・チャオが、姉妹で凄腕の殺し屋というかなりムチャな設定なんだけど、『マトリックス』ブームで「アクション映画は何でもアリ」になっちゃったあの頃は自然と受け入れられましたw いや、考えてみれば『マトリックス』は仮想現実っていう設定があればこその「何でもアリ」なのに、皆それを忘れてピョンピョン・クルクルやってましたよねw

で、殺し屋姉妹を追う凄腕の女性刑事がカレン・モク。二宮和也くんに似たお顔立ちで、殺し屋姉妹と比べると微妙なルックスやなあって当時は思ったけど、今あらためて観ると独自の美しさと味わい深さがあって、私は3人の中で一番好きかも知れません。

ストーリー前半は殺し屋姉妹の姉=スー・チーを中心に進んでいき、彼女がイケメン彼氏にプロポーズされて殺し屋稼業から足を洗う決意をし、妹のヴィッキー・チャオと対立するという、その辺の展開は正直言ってかったるいですw

ところが中盤! もう20年近く前の映画(そんなに経つのか!)なのでネタをバラしますが、てっきり主人公だと思ってたスー・チー(ポスターでもセンターだし)がヴィッキーを守ろうとしてアッサリ殺されちゃう!っていうサプライズがあり、そこから俄然面白くなっていきます。

犯罪組織の罠によりスー・チー殺しの罪を着せられたカレン・モク刑事が、復讐に燃えるヴィッキーと手を組み、2人で敵アジトに乗り込んでいく。そこで待ち受ける最強の用心棒が、我が日本が誇る昭和のアクションスター、刑事ドラマでもお馴染みだったあの人なんですよね!


そう、最強の敵は『Gメン'75』の香港カラテシリーズでさんざんヤン・スエと闘って来た、草野刑事こと倉田保昭さん!

ブルース・リー御大ともお知り合いで、日本よりむしろ香港でリスペクトされてる倉田さんがいなければ『Gメン~』の香港ロケは実現しませんでした。

イメージの固定を避けたくて『Gメン~』を強引に降板したら日本で「干された」状態となり、以降は香港や台湾をベースに活躍されて来た倉田さん。そのシャープなアクションは健在で、今回2週間かけて撮影されたソード・アクションのシーンも「相手が倉田さんでなければ1ヶ月以上かかってた」とコーリー・ユン監督は語られてます。

で、2人がかりで倉田さんを倒し、組織のボスを抹殺したヴィッキー・チャオとカレン・モクは、淡いキスをして別れます。ちょっと百合の要素まで入ってるという、ほんと至れり尽くせりな映画w

その一方、前半でスー・チーと婚約したイケメン彼氏は、デートをすっぽかされたまま放置w 彼女が死んじゃったこともまだ知りませんwwwsex

そんなイケメンの扱い方といい、スー・チーの入浴や美脚パンチラ、カレン・モクの生着替え、ヴィッキー・チャオのタンクトップなどお色気サービスもばっちりで、これぞ我々のために創られた映画ですw

『チョコレート・ファイター』や『アトミック・ブロンド』と比べちゃうと生温いかも知れないけど、それでも撮影は相当ハードだったはず。これだけの美貌を誇る女優さんたちが、よくぞやってくれました。天晴れ!

それから20年近く経って、綾瀬はるかさん等がようやくハードアクションに挑戦してくれるようになったけど、まだまだ日本は遅れてます。ほんと頑張って頂きたいです。


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする