ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『さよならも言わずに消えた!』

2024-03-27 11:22:19 | 刑事ドラマ'80年代

1981年10月20日に日本テレビ系列で放映された『火曜サスペンス劇場』の第4作『さよならも言わずに消えた!』(脚本=清水邦夫/監督=石橋 冠) が先日、BSのジャパネットチャンネルで放映されました。

『太陽にほえろ!』フリークの1人としては、その翌年に登場する“ボギー刑事”のプロトタイプみたいなキャラを世良公則さんが演じてる点で見逃せない作品。

世良さんは’78年にロックバンド“世良公則&ツイスト”として大映ドラマ『明日の刑事』#27に特別出演はされてるけど、俳優・世良公則としての本格始動は本作から。実際、今回の刑事役が『太陽〜』レギュラー出演に繋がったとご本人やプロデューサー陣も証言されてます。

とはいえ主役は世良さんじゃなく、桃井かおりさんと原田芳雄さん。比較的マイナーな映画での共演が多いお二人を『火サス』で観られる点でも面白いし、前回レビューした『五番目の刑事』の主人公がそのまま中堅になったみたいな原田さんのキャラクターも大きな見どころ。

ちなみに原作はポーラ・ゴズリングのスリラー小説『逃げるアヒル』で、これより5年後にハリウッドでもシルヴェスター・スタローン先生が『コブラ』として映画化されており、それと比べてみるのもまた一興。(言うまでもなく片や『火サス』、片やスタローンですから作風は180度違います)



桃井さんが演じるのは中学校のごく平凡な理科教師・中沢みずえ。ところがある男が訪ねて来てから僅か5日間で、彼女の人生はまったく非凡なものに変わっちゃう。


「コーヒー牛乳飲む? コーヒー牛乳」

それが原田さん演じる“西新宿署”の乾刑事。(『五番目の刑事』は東新宿署でした)

函館でみずえの弟=中沢和夫らしき焼死体が発見されたので「北海道まで同行して遺体を確認して欲しい」というのが乾刑事の用件。コーヒー牛乳はまったく関係ありません。(牛乳が北海道産だった可能性は有り)


道警で捜査本部を指揮し、黒幕の匂いをプンプンさせてる新田警部に扮したのは、2年後に『太陽にほえろ!スペシャル』でも世良さんと共演することになる高橋幸治さん。


その部下であるベテラン刑事役に『ジャングル』の山谷初男さん。


新田警部とは旧知の仲で、中沢和夫が勤めてた大企業・幌平開発の札幌支社長である木村役には『代表取締役刑事』の高松英郎さん。

もうお察しでしょうから先に書きますが、その幌平開発の大規模な汚職の証拠を、中沢和夫が握っていた。東京でも支社長が不自然な自殺をしており、それを捜査してる乾刑事が和夫の行方を追ってたワケです。

ところが、どうやら焼死体が和夫じゃないことを密かに知ってる姉・みずえが命を狙われちゃう。

乾刑事は何故みずえが狙われるのか知らないまま、たった1人で彼女を護らなきゃいけなくなる。ぶっきらぼうな刑事・乾と謎多き女・みずえが、さんざん対立しながら函館→長万部→島内→歌別へと舞台を移し、行動を共にするうち恋愛感情とはまた違う絆を育んでいく。


『コブラ』はスタローン刑事がヒロイン(当時の妻=ブリジット・ニールセン)とすぐチョメチョメな感じになるし、事件もそんな複雑な話じゃなく(ただ彼女が殺人現場を目撃して狙われるだけ)、ひたすらドンパチを見せ場とする単純かつ荒唐無稽な(つまり私向けの)内容でした。

で、ライフルで狙ってくる敵に対抗すべく、乾が新田警部に「頭はパーでもいいから腕の立つのをよこして下さい」と要望し、派遣されて来たのがボギーのプロトタイプこと、梅木刑事。



若い! おぼこい! ボギーより真面目で素直なキャラ設定だから、あえて若造っぽく演じられたのか、あるいはオンエアを観た世良さんが「刑事にしちゃガキっぽいな」と反省し、『太陽〜』や『ベイシティ刑事』では眼つきを鋭くするよう意識されたのか?



そうして島内パートから梅木刑事も加わり、ロードムービーとしての面白さも増して来ます。個人的にはやはり、後の東映Vシネマ第1弾『クライムハンター』(主役が世良さんで、その上司役が原田さん) の前日譚を思わせる2人の関係性にワクワクしちゃいます。



ぶっきらぼうな乾と違って物腰柔らな梅木に、弟の面影を見たみずえは彼が気に入ったご様子。そこには俗に言う「死亡フラグ」の匂いも漂ってます。



そして決戦の地、歌別へ。まさに『クライムハンター』を彷彿させる場面。



世良さんの銃器の扱い方はまだ『クライムハンター』レベルには程遠く、のちに『太陽〜』で神田正輝さんと共演してガンマニアの世界に引きずり込まれ、そこから腕を磨かれたのでは?っていう私の想像もまんざらハズレじゃなさそうです。



そして此処でようやくアホな弟=和夫が登場。扮したのは『二人の事件簿』の高岡健二さん。確かに世良さんと雰囲気が似てると言えば似てます。



この時点ではもう、和夫が「俺が死んだら姉が情報(汚職の証拠)を警察に伝える」と敵に牽制をかけてた事実もバレてます。つまり、自分が生き延びる為と、敵から口止め料をふんだくる為に、実際は何も知らない姉を(保険として)和夫は利用したワケです。

前回レビューした『五番目の刑事』#14 に出てくる義弟を超えた“アホ中のアホ”だけど、すっかり寂れた炭鉱の町(国に切り捨てられた地方都市の象徴)で生まれ育った姉弟の不遇と、そんな町を復興させたいが為に汚職に手を染めた幌平開発の黒幕たちっていう、社会問題が裏テーマになってる深さが『コブラ』とは180度違う最大のポイント。

当然ながら結末も、筋肉と銃弾で並居る敵を全滅させ、美女と結ばれてオールハッピーな典型的’80年代ハリウッドアクション(私は大好きだけど)とは真逆にならざるを得ません。



まずは梅木刑事が和夫を庇って凶弾に倒れ……



結局は和夫も殺られて、乾刑事の怒り爆発!



だけどスタローン先生みたいにバリバリドッカーン!と並居る敵を皆殺しとはいかず、やむなく新田警部に応援を要請することに。



けれどそれは、黒幕が誰であるかを確かめる為のトラップでもある。行く先々で敵に襲われ、さすがに乾も内通者が道警内にいることを察してました。



現れたのはやっぱりこの人。高橋幸治さん独特の棒読みっぽい台詞回しが、冷血なラスボス役によくハマってます。



最終的には乾刑事もあっけなく爆死!

そして弟に似た梅木刑事の遺したライフルを、みずえが構えます。



が、5日前まで平凡な理科教師だった彼女にスタローンの真似事が出来る筈もなく、バッドエンドが確定したところで突き放すようにドラマは幕を閉じ、岩崎宏美さんの大ヒット主題歌『聖母(マドンナ)たちのララバイ』が流れるのでした。

’70年代の“挫折の美学”を彷彿させる内容で、本放映(’81年)当時の浮かれた空気とは合ってないように思うけど、創り手のターゲットはきっと’60〜’70年代に青春を過ごした大人世代で、だからこその“桃井かおり&原田芳雄”だったんでしょう。

当時まだガキンチョだった私にはピンと来なかっただろうけど、渋いキャスティングといい緩めのテンポといい、今の私にはとても居心地のよい世界観でした。


 

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『西部警察 PART II 』#01

2024-03-02 20:50:03 | 刑事ドラマ'80年代

連続ドラマは、刑事物に限らず「第1話」を観るのが一番好きです。その理由は3つ。

まず1つは、新鮮なものが観られるワクワク感。刑事物みたいにやり尽くされたジャンルなら尚更、どんな手を使って我々をサプライズさせてくれるか楽しみでなりません。(だからこそ凡庸な内容だとボロカス書いちゃう)

2つめは、まぁ当たり前のことだけど、初回は最も大事な「つかみ」だから。映画でも「ファーストカットで全てが決まる」みたいな批評がよくあるように、スタートダッシュで創り手の力量と熱量が計られる。だからスタッフもキャストも自然と気合が入るし、他の回より予算もかけてる筈。

そして3つめは、創り手がその作品で何をやりたいのか、つまり「コンセプト」ってヤツが明確に表れるのが第1話だから。

近年の連ドラは余程のことがないかぎり途中でコンセプトが変わることは無いけど、長丁場(短くても2クール以上)を前提に創られてた昭和の連ドラは違う。視聴者の反応によってガラリと趣が変わっちゃうことも珍しくなかった。刑事ドラマならアクション派から人情派へ、あるいはコメディータッチからシリアスタッチへのシフトチェンジがよく見られました。

それは大半を占める保守的な視聴者たちが、斬新だったり奇抜だったりする作品に拒否反応を示しがちで、保身しか頭にないスポンサーやテレビ局の偉い人たちがすぐに迎合しちゃうから。

最初は尖ってたものがムリやり丸くさせられるワケで、それは現場の創り手たちが本来やりたかったことじゃない。結果的に観易くなったとしても、そこに創り手たちの魂はこもってないはず。

キザな言い方になりますが、私は作品を通して作者と対話がしたいから、やりたいことを最もストレートにやってる第1話が一番好きってワケです。



『西部警察 PART II 』は1982年5月から’83年3月までテレビ朝日系列の日曜夜8時枠で全40話が放映された、石原プロモーション制作による刑事ドラマ。

文字通りシリーズ第2弾ではあるけど、続編というよりはリニューアル版で、’80年代作品だけあってパート1(’79年スタート)よりポップなイメージに生まれ変わってます。

そこには時代の変化もありつつ、放映局と制作会社の垣根を越えた“兄弟番組”と言える『太陽にほえろ!』が、神田正輝さんや渡辺徹さんの起用による“ポップ化”でみごと低迷期からの復活を遂げた影響もあったかと思われます。

それを象徴してる(と私は思う)のが、この俳優さんの起用です。



三浦友和さん。前身番組である日テレの『大都会』シリーズが、やはりパート2で自社の所属俳優じゃない松田優作さんをフィーチャーし、みごと視聴率をアップさせた成功例を再現したんでしょう。

けれど当時、私は友和さんに対して「文芸映画や大映ドラマ、グリコのCM等で百恵ちゃんの相手役を務めるハンサムボーイ」そして「百恵ちゃんのハンサムな旦那さん」っていうイメージしか抱いてなかったもんで、このキャスティングには本当に驚きました。

ハンサムだけに角刈りも似合うけど、本当に大門軍団(鉄拳と銃弾ですべてを解決し、ついでに全国の建造物や乗物を爆破して回る狂人グループ)の一員が務まるの?って。



蓋を開けてみて、また驚きました。ハマってる! カッコいい!

のちに友和さんが書かれたエッセイ本『被写体』(引退後の百恵ちゃんを延々とストーキングするマスコミ連中とのバトルが綴られてます) を読んで私は納得しました。この方には元よりワイルドな素地がお在りだったんですよね。

それをいち早く見抜いたのか、あるいは評判を聞いたのか、いずれにせよ「西部警察のパート2は三浦友和で行こう!」と決めた、当時の石原プロはやっぱり凄い。まさに絶頂期。パート3に社長の甥っ子をねじ込んでから徐々に凋落して行くんだけどw



☆1982年5月30日に放映された第1話『大門軍団・激闘再び-沖田登場-』は、新井光脚本&小澤啓一監督による作品。

大型トラックにニトログリセリン(振動を与えるだけで大爆発する超デンジャラスな液体)入りの瓶を仕込んだという、言わば爆破予告の電話が西部署に入り、大門軍団が出動するんだけど……



そのトラックにはトラップが仕掛けてあり、先に駆けつけたパトロール警官たちがニトロの餌食にされちゃう。

さらに犯人は、乗客を40人近く乗せた観光バスにもニトロを仕掛けたと通告して来ます。



しかも今度は、午前10時に首都高速の豊洲インターチェンジでそのバスが吹っ飛ぶと言う。それがヒントになってバスはすぐ特定出来たものの、時限装置なしで犯人はどうやって予告通りに爆発させるつもりなのか?



先回りした大門軍団をあざ笑うかのように、ビルの屋上からライフルの銃声が聞こえて来ます。その手で来たか!



運転手が撃たれてバスは暴走! なんとかして止めなきゃ間違いなくバスはクラッシュし、ニトロが爆発してしまう!



大門団長(渡 哲也)が“マシンX”こと日産スカイライン2000GTターボで、“ポッポ”こと鳩村刑事(舘ひろし)がスズキGS600Gで追跡するも成す術なし!

と、その時!



いきなり角刈りの男が通りすがりのトラックを捕まえ、有無も言わさずバスへの接近&並走を強要! 角刈りに命令されたら怖くて逆らえない!


「やめろ、馬鹿野郎っ! 爆発するぞ!!」


鳩村たちの制止を無視し、バスの扉を蹴破って車内に飛び込む角刈り男!



間一髪! ハンドルに飛びつき、幹線道路の真ん中を横切るムチャな幼稚園児たちを避けて側道へと舵を切った角刈りは、サイドブレーキを引いてなんとかバスを停止させます。

が、これだけ動いてニトロが爆発しなかったことがむしろ奇跡で、角刈りは人命救助したにも関わらず軍団に詰め寄られます。


「ムチャしやがってこの角刈り野郎! 何者なんだテメエはっ!?」


「沖田五郎。西部署捜査課の刑事」

「西部署だと? ふざけんなっ!」

「そうだ! ウチの署に角刈りはもう沢山なんだよ!」


「…………。」

セリフに少しアレンジを加えましたが、実際には有り得ません。渡哲也さんの前でこんなアドリブが許されたのは社外俳優だけ、中でも松田優作さんぐらいでしょう。

それはさておき、沖田五郎の軍団入りを知ってたのは二宮係長(庄司永建)だけで、木暮課長(石原裕次郎)も知らなかった模様。

その木暮が調べてみると、沖田は東大卒のエリートであり、当然キャリア街道まっしぐらだった筈なのに、暴力刑事の吹き溜まりである大門軍団に“飛ばされた”とすれば相当な問題児。先の博打的スタンドプレーにも頷けるってもんです。


「やっぱり角刈りにはロクな奴がいねえな、大さん」


「…………。」

↑無論ここにも私のアレンジが入ってます。この2人に限ってそんな確執はありません。

さて、観光バスの爆破を阻止された犯人が、今度は都内に5,892台ある路線バス(当時)のどれかにニトロを仕込んだと通告。当然すぐに見つけられるワケがなく、バスはあえなく爆破され、多くの犠牲者が出ちゃいます。



ここで沖田が動き出し、6年前に担当したニトロ爆弾事件で逮捕できなかった容疑者=立花(亀石征一郎)を洗い直すんだけど、その情報提供者(当時の先輩刑事)として北村総一朗さんがワンシーンのみご登場。



のちに『踊る大捜査線』で全国的に名が知られるけど、当時はまだ「知る人ぞ知る」程度の俳優さん。

とはいえ本作の2ヶ月前に放映された『太陽にほえろ!』の“500回記念作”じゃメインゲストですから、こんなワンシーンだけのチョイ役に甘んじるような存在じゃなかった筈。

そう言えば数年後の『太陽にほえろ!』山さん殉職スペシャルにも(今回と似たような“情報提供者”役で)2シーンのみ登場されてました。役の大きさにこだわらず、とにかく演技すること(あるいはテレビに出ること)が好きで好きでたまらないっていうお人柄が伺えて、今更ながらファンになっちゃいました。



閑話休題。沖田はその甘いマスクを活かして風俗方面にもネットワークを持っており、お姐ちゃんから情報を得て立花のアジトに単独突入!



けど逃げられて、同じ角刈りでもパチキ(剃り込み)が入ってるぶん迫力が違う団長に睨まれます。



「どうして立花のことを自分に言わなかった?」

「今回の事件のホシだという確信が無かったんです」

「捜査は1人や2人でやるもんじゃない。もっと早くお前が立花のことを話していれば、とっくにヤツを逮捕できた筈だ」

「…………」


「また次の犠牲者が出る可能性がある」


「……申し訳ありませんでした」

確かに団長のおっしゃる通りで、一匹狼はいいけどそれが事件解決の妨げになったんじゃ話にならない。

本庁にも顔が利く木暮課長の調べによると、沖田は1年前、凶悪犯に籠城された喫茶店の人質を1人で救出しようとして弾丸を食らい、人質も1人死なせてしまった。

それ以来、なぜか西部署“大門軍団”入りを熱望し、あえて警部からヒラ巡査への格下げを自ら申し出たらしい。


「どうにも解らん男だ。時が経てば、もう少し詳しく分かるだろう」

その言葉通り、回が進むにつれ沖田が軍団入りを志望した理由と、それが最終章(パート2最終回の予定がパート3序盤に持ち越し)への伏線になってることが徐々に明かされて行きます。

石原プロのアクションドラマで、これほど丁寧にキャラクターが描かれたのは本作が唯一でしょう。(倉本聰さんがメインライターだった『大都会』パート1は別物として)

さて、立花がまたしても爆破を予告して来ます。しかも、バスの被害どころじゃ済まない量のニトロを、今度は部下たちにジャックさせた大型フェリーに仕込んだらしい!



「要求があるなら言ってくれ。カネか?」

「違う。オレが欲しいのは大門軍団だ」

「大門軍団?」

「今から大門軍団はオレの指揮下に入ってもらう。命令に背けばニトロが爆発する」

その立花の命令とは、大銀行の金庫を空けて全員を退去させること。やっぱカネやんけっ!?


「立花……ぶっ殺す!」

……って口には出さずとも、沖田がM36チーフスペシャルから持ち換えたM29PPCカスタム(44マグナム)を見れば、その想いが伝わって来ます。

予告編やOPタイトルを除くと、この瞬間こそ日本のTVドラマにおいてPPCカスタムが登場した最初の場面。こんなデカくてクソ重たいハンドガンを持ち歩く刑事なんて、世界中を見渡しても西部署以外にはいないでしょうw

と思ったら翌年、七曲署(太陽にほえろ!)に新登場するブルース刑事も使い始めたから驚いた! 私の知るかぎり他の番組で使われた例はなく、つくづく兄弟番組なんですよね。



立花は大門軍団に銀行への先導と、さらにジェット機を羽田空港に待機させることを要求して来ます。

「ヤツら、ジャックした船を使い捨てにするつもりだ!」

おそらく今度のニトロには起爆装置が付いており、立花が日本を離れた瞬間に爆破される。それまでにフェリーを見つけなきゃ何人の命が奪われるか分からない!

そこで木暮課長が、300名の乗客を乗せた東京湾フェリー“しらはま丸”が連絡不能になってるとの情報をキャッチします。

「団長、時間はあと30分ちょっと。どうしますか!?」

「……ヘリを使おう」


「自分が行きます!」



「行かせて下さい、団長!」

ここで初めて沖田が「団長」という呼び名を口にしました。イコール、絶対服従への誓い。不謹慎だけど「ハイル・ヒトラー」みたいなもんです。

「課長、大丈夫でしょうか? あの沖田で。この大事な時に!」



「大事な時だからこそ、団長はヤツに賭けた。ヤツが本当の団員として迎えられる為にもだ。オレも大門に賭ける」

300人の命を博打に使うとは、まさに狂人中の狂人たち!


「ポッポ、わざとゆっくり先導して時間を稼げ!」


この圧倒的な物量たるや! タイトルバックにも流用されるショットとは言え、これぞまさに“第1話”の凄味です。



一方、若手の“ジョー”こと北条刑事(御木 裕)とヘリを飛ばし、上空から“しらはま丸”とライフル部隊の姿をキャッチした沖田は、またもや命知らずな行動に出ます。



「何をするんです、ムチャですよ!」

「ボケっとしてないで援護しろ!」



空からジョーが撃ちまくり、沖田が船上でトドメを刺す。こんなアクションが毎週、当たり前のように観られた夢の時代。


「お前は騙されてるんだ。誰もお前を迎えに来やしないんだよ!」


聞き分けの無い見張り役を殴り倒し、沖田は起爆装置の解体にチャレンジするも……


振動を与えずに解体するのは不可能と判断し、ニトロを抱えたまま縄梯子で上空へと舞い上がり……


「もっと船から離れろっ!!」


爆発に巻き込まれる危険も顧みず、ニトロを東京湾にポイ捨てするのでした。


フェリーの無事を確認した団長が、スペシャル仕様の日産サファリ4WDで立花の行く先を塞ぎます。

「何のつもりだ、大門!? 船が吹っ飛ぶぞ!」


「フェリーのニトロは処理した。立花、やってみろ!」

銃撃戦という名の皆殺し、開始!



『西部警察』シリーズも徐々にコンプライアンスを気にし、敵の生死が曖昧になって行ったような記憶があるけど、今回はまだちゃんと殺してます。

そりゃ何十人もの命を平然と奪った連中ですから、処刑されて当然。現実世界じゃ有り得ないからこそ、ドラマの中でやるんです。

なにはともあれ、事件解決。パート2がスタートして初めて、団長が笑顔を見せました。


「よくやったな、角刈り!」


「あざーす、角刈り!」

何度もすみませんw 実際は「ゴロー、よくやったな」「団長……」という掛け合いでした。新入りが初めて団長に下の名前(あるいはアダ名)で呼ばれる時が、すなわち“団員”として認められた瞬間。2回も死にかけてやっとです。

徹底して荒唐無稽!

だからこそ大好き! 唯一、「団長の為なら死ねます」みたいな軍隊スピリットが非常にニガテだけど、それも今となっては昭和の風物詩として楽しめます。いやホント、それを見て笑ってられる平和が続いて欲しい。

1話の中で陸海空の大型モビルをチャーターし、2箇所におけるアクションを同時展開させるハリウッド大作並みの見せ場作りも、通常の3倍にあたる(と云われてる)制作費をかけた『西部警察』シリーズならでは。

ただ、さすがに毎回ここまで豪華には出来ないから、やっぱり第1話はスペシャル中のスペシャル。このシリーズは最終回も凄かったけど、ここから始まるワクワク感は初回でしか味わえません。至高です。

セクシーショットは捜査課の事務員=美子役の小野田かずえさんと、七重さん(吉行和子)の営むスナックで歌手を務めるアイ子役の豊島ひとみさん、そして二代目となる団長の妹=明子役の登亜樹子さん。


さすがにこの若さで団長(推定40歳)の妹ってのは……


 

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『走れ!熱血刑事』#01

2024-02-22 21:31:20 | 刑事ドラマ'80年代

先日よりCATV「日本映画専門チャンネル」で再放送されてる『走れ!熱血刑事』は、1980年11月から1981年6月までテレビ朝日系列の月曜夜8時枠で全26話が放映された作品。

日テレ火曜夜9時枠の『警視ーK』と同時期に勝プロダクションが制作した連続ドラマで、警視庁 愛住警察署 捜査課に勤める熱血刑事=山本大介を演じたのは、近年『マツケンサンバ II 』のリバイバルヒットにより再々注目されたばかりの、松平 健。



両親を早くに亡くし、中学生の頃からグレて「殺人以外は何でもやった」と自慢するほどの元“暴れん坊将軍”だから、孤独な不良少年少女の気持ちがよく解る。

そんなキャラクターは当時『3年B組金八先生』のサプライズヒットにより巻き起こった学園物ブームに対応すべく、未成年犯罪をメインに描くため設定されたもの。

ゆえに番組序盤のゲストは演技の拙いガキンチョ俳優ばかりで、それが作品のクオリティーを下げたせいか視聴率は低迷しました。



そもそも『走れ!熱血刑事』っていうタイトルがド直球にも程がある! 『マツケンサンバ II 』が一周二周してウケちゃう昨今ならまだしも、肝心のティーンたちが昭和臭を敬遠しつつあった’80年当時の空気とあまりにズレてます。

以前『ウルトラマン80』のレビューにも書きましたが、戦中戦後を生きてきたクリエイターたちには、戦争を知らない(ゆえに苦労も知らない)世代の嗜好がまるで理解できなかったんですよね、きっと。

そもそも『金八先生』がウケたのも従来の学園物とは一線を画す内容だったからなのに、未成年問題さえ扱えば視聴率が取れると思い込んじゃう安易な姿勢が……って、それも今だから言えることで当時は誰にも分からなかった。最初に『金八先生』やトレンディドラマを生んだ人たちが如何に凄いかって事です。


それはさておき、刑事ドラマ史上最も滑舌の悪いボス=岩下課長に扮したのは、日活アクションの盟友である石原裕次郎を完全に意識してたであろう、宍戸 錠。


そしてやはり七曲署の山さん(露口 茂)を意識してそうな“チーフ”こと戸塚主任に扮したのは、“アヤパン”こと高島 彩アナウンサーの父親としても知られる、竜崎 勝。


大企業の御曹司でありながら両親に反発してあえてノンキャリアの警察官になった、“ジュニア”こと速水刑事をニヒル&ワイルドに演じるのは、『特捜最前線』で熱血刑事役は卒業した、荒木しげる。

1980年は暴力刑事ブームの頂点で、何かと言えば容疑者や参考人、聞き込み相手まで意味もなく、当たり前のように殴ってました。もちろん未成年であろうが容赦なし!




そんな当時の刑事ドラマに必ず1人はいたバイク乗りの“マー坊”こと佐々木刑事に、本職はシンガーソングライターの阿部敏郎。

さぞや軟弱なフォークソングを唄ってたであろう阿部さんも、刑事ドラマに出ちゃうとこの有り様。


ただ暴走族から情報を聞き出すだけの為にウルトラジャンプを披露し、これと言って用はない雑魚どものバイクを一台一台クラッシュさせて……


最後は自らクラッシュしてリーダーの車を止めるという狂人ぶり。これぞシン・刑事ドラマ!


夜明けの刑事にして明日の刑事、人情派の“テツさん”こと中村刑事には、コント55号の坂上二郎。


定番“お茶汲み”枠の制服婦警=虎子には、どなたかのバーター出演と思われる渡辺千恵乃。


そしてボインボインぼよよんぼよよ〜ん!な嘱託医で、明らかにマツケン目当てで鑑識課員も兼ねてるヒロイン=淳子に、水沢アキ。


☆1980年11月10日に放映された第1話『青春チャンピオン』(脚本=大野武雄&山崎巌/監督=小山幹夫)では、あのころ隆盛を極めた暴走族どうしの抗争が描かれ、その間に入って“用心棒”を請け負う黒澤映画ばりの少年が登場。



で、その少年=吾郎(常井 浩)が暴走族Aに百万円で雇われて暴走族Bのリーダーを拳銃で襲撃し、重傷を負わせて逃走。

かつて吾郎はプロボクサーの卵で大介(マツケン)と親しかったんだけど、ある夜、暴漢たちに襲われてた少女を助けようとして拳を振るい、暴漢の1人を死なせてしまった為に少年院へ送られ、すっかり人生をこじらせてるのでした。

にしても、根は優しい吾郎がカネのために人を殺そうとするだろうか? 疑問を感じた大介が捜査してみると、かつて吾郎が死なせた暴漢にみどり(前野礼子)という妹がおり、難病を患った母親の治療費を稼ぐためにキャバレーで働いてることが判明。



そう、吾郎はみどりに母親の治療費を工面するため、つまりキャバレーの仕事を辞めさせたくて殺しを請け負ったのでした。

だったらマジメに働いて稼げよ!って思うけど、当時は「ツッパることが男の勲章♪」なんてアホな歌詞のアホな歌謡曲が流行るアホな時代で、こういうアホがなんとなくモテる空気だったんですよね。

で、お人好しサンバ男の大介は吾郎の良心を信じ、何度も自首を薦めるんだけど……



吾郎はことごとく裏切った挙げ句、みどりにまで銃口を向けてまた逃走。これだけのアホをまだ信じてる大介までアホに見えちゃいます。


ちなみに大介の愛銃はコルト・パイソン357マグナム。甘いルックスのサンバ男には似合いません。



で、なんだかんだあり、吾郎が約束の百万円を受け取るべく、河原で暴走族とボクシングしてると聞いた大介は、改造ジープに淳子とみどりを乗せて現場へ急行!


わざわざ派手にジープをジャンプさせ……


猛スピードで急斜面を駆け下りて……


大量の水飛沫を上げながら川の中をかっ飛ばす狂犬サンバ男! 同乗させられた女優さんはたまったもんじゃない!(吹替えでもCGでもありません)



ツッパることが男の勲章とか抜かすアホどもに義理だの仁義だのは無く、集団フルボッコの刑に遭ってる吾郎の姿を見て、サンバ男の怒りがいよいよ爆発!



ちょっとタイミングをズラして仲間の刑事たちが駆けつけるのもお約束。


ずるいゾ大介、オレたちにも殴らせろっ!!



いや〜、王道です。『太陽にほえろ!』の第1話によく似てます。徹底して王道から逸脱した『警視ーK』と同じプロダクションの作品とは思えません。(社長の勝新太郎さんが『警視ーK』に入れ込みすぎて『走れ!熱血刑事』にはノータッチだったんでしょう)



「当分会えなくなるぞ。いいのか?」

「関係ねえよ。オレはとっくに自分の人生あきらめてんだよ」

「吾郎、お前はまだまだ若いんだ。いくらでもやり直しは利く。キレイになって出直して来い」

「へっ、今度あんたに会う時はさ、いっぱしの悪党になってんだろうよ」

「貴様……」


「貴様の腐った根性、叩き直してやる! かかって来いっ!!」


そりゃ相手はボクサーだからこうなりますw



けど、サンバで鍛えた暴れん坊は何度でも立ち上がる。このあたりは映画『ロッキー』を意識してそうだけど、それより先に『太陽にほえろ!』のボン(宮内 淳)がやってます。



「止めなくていいんですか?」

「やらせときなさい。あれが二人だけの対話なんだよ」



決着はまさかの“クロスカウンター”。ルーツは『あしたのジョー』だった!

こんなとき、昭和臭プンプンの青春ドラマならお互い無言で笑い合うもんだけど……


よっしゃ、いい面構え。笑うなよ? 絶対笑うなよ?



ニコッ!


ニコッ!


ダメだこりゃ。

こんなアホのどこがいいのかサッパリ解らんけど、みどりは泣きながら吾郎に抱きつきます。

「ゴローちゃんのバカッ、バカバカバカ!」

「こいつ……見せつけやがって」


「あの二人、不純異性交遊の現行犯でしょっぴいて下さい」



「将軍様のご命令とあらば仕方ないな」


「へっ、ざま見ろ」

さすが、殺人以外なら何でもやった男です。


「どいつもこいつも、ぶち殺してやるっ!」


最後にちょっと私なりのアレンジを加えたけど、あんなに甘いルックスの大介が、キレるとバイオレンスに歯止めが利かなくなる狂人なのはホントの話です。

同じ年に放映された『大激闘/マッドポリス’80』の渡瀬恒彦さんも『大捜査線』の杉良太郎さんも『爆走!ドーベルマン刑事』の黒沢年男さんもみんなそう。

そんな暴力刑事ブームを牽引したのは間違いなく石原プロの『大都会』や『西部警察』だろうけど、世間で“校内暴力”が吹き荒れた時代背景とも何か繋がるものがあったかも知れません。

やがてツッパリが姿を消すと共に『はぐれ刑事純情派』や『踊る大捜査線』がヒットしますから、まさに時代を写す鏡。そこがテレビの面白さです。

というワケでセクシーショットは、初回ゲストヒロインの前野礼子さん(本作がテレビ初出演)と……



レギュラーヒロインで翌年にはゴリさん(竜 雷太)と婚約する、水沢アキさんです。


 

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「友 直子 in 太陽にほえろ!’82」ー1

2024-02-09 22:00:04 | 刑事ドラマ'80年代

クローズアップ・ショットがめっきり減っちゃったもんで、もし長さん(下川辰平)とのダブル主演作『こわれた時計 (#499) 』が無ければ今回、ナーコ(友 直子)の画像集は成立しなかったかも知れません。

勝手な想像だけど、ナーコのクローズアップ激減の理由は芸能界の序列システムにありそうです。

通常、ナーコの出番は刑事部屋のみ。ということは同じ日にレギュラー全員が撮影に参加するワケで、『太陽にほえろ!』に限らずテレビでも映画でも大スターから順番に出番を終わらせていくのが撮影の習わしゆえ、当然ボス(石原裕次郎)の出番が最優先。

となると最後まで待たされるのは新人のラガー(渡辺 徹)か、限りなく素人に近いナーコ。徹さんがDVDの映像特典における対談で「よく一緒に帰ったよね」と直子さんに仰ってたのは、たぶん結果的にそうなっただけの事でしょう。

で、午前0時を過ぎても撮影が終わらないなんて当たり前の世界ですから、学業に忙しくなってきた直子さんがそんな時間まで居残り出来なくなったのかも?

あるいは、デビュー時はまだ高校生ってことで(門限に間に合うよう)優遇してもらえたのが、大人になって甘えが利かなくなったとも考えられます。

なんにせよ『こわれた時計』が無ければホントに今回の記事は成立しませんでした。



ナーコが通勤バスの中でよく見かける小学生の少年から、壊れた腕時計をプレゼントされるんだけど、その時計の持ち主は最近起きた殺人事件の容疑者だった!

どうやら少年は殺害現場を目撃したらしいけど、大人への不信感が強くて何も証言してくれない。彼の心を開かせるのはナーコしかいないと判断した長さんは、二人の“歳の差デート”をボスに提案するのでした。


ジェットコースターに乗っても少年が無表情なのは、全神経をナーコのおっぱいに集中させてるから。小学生が無邪気な天使だと思ったら大間違いです。



↑すっかり大人の山さん(露口 茂)も、さりげなく肘でナーコのおっぱいを確認。


↑「ボス、ナーコのボインはまるで成長していません」「山さん、真実を追究し過ぎですよ!」「よし、令子の勝ちだ!」「全員、殺します」



そんな事もあってか、スコッチ、ロッキー、長さん、ゴリさんに加えて、ナーコもこの年の10月でレギュラーを降りちゃうんですよね。

その時点でマミー刑事=長谷直美さんのレギュラー入りが内定してたのかどうか分からないけど、ナーコの後釜はキャスティングされず、結果的に友直子さんが歴代最後の“マスコットガール”となりました。

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「七曲署捜査一係’82」ー1

2024-02-07 21:21:08 | 刑事ドラマ'80年代

ジプシー登場からロッキー殉職&長さん転勤まで(#494~#520)の藤堂チーム=七曲署捜査第一係のメンバーは、以下の通り。

☆☆☆☆☆


ボ ス=藤堂俊介(石原裕次郎)


ドック=西條 昭(神田正輝)

ジプシー=原 昌之(三田村邦彦)

ロッキー=岩城 創(木之元 亮)

ラガー=竹本淳二(渡辺 徹)


ゴリさん=石塚 誠(竜 雷太)

長さん=野崎太郎(下川辰平)

ナーコ=松原直子(友 直子)


山さん=山村精一(露口 茂)


☆☆☆☆☆


藤堂チームにとって激動の1年であり、我々ファンにとっては衝撃の1年でもありました。

その中で最も私にとって衝撃的だったのは、この人の変貌ぶりかも知れません。



↑2月5日放映(#494 ジプシー刑事登場!)



↑3月19日放映(#500 不屈の男たち)


前回の記事に「ジプシーは(ネアカな本性を表すまで)2ヶ月近く我慢した」って書きましたけど、正確には1ヶ月半。せめてワンクール(3ヶ月)は我慢して欲しかった!




↑ジプシー登場編に続く#495『意地ッ張り』は(スコッチ退場により)タイトルクレジット2番手に格上げとなったドックの活躍編で、西部警察を卒業して交番巡査に格下げとなった井上昭文さんがゲスト出演。そう言えば杉サマの『大捜査線』でも神田さんと絡んでおられました。


↑女性ファン待望のスリーショットが観られた#496『ジプシーとラガー』。表面的なクールさはキープしつつ、早くも根の優しさを見せてしまうジプシー。

↑輪の中には加わらない孤高さを表現してるけど、実は必死に我慢してるだけ。距離を置きながらも一緒に乾杯してますからね。



↑#497『ゴリさんが拳銃を撃てなくなった!』では、なぜか指がシビれて精密射撃が出来なくなってるゴリさんを、容赦なく追及していくニヒルなジプシーが観られました。

↑のちの警視庁捜査一課長(内藤剛志)に対しても令状なしで手荒な扱い。

つまり登場時のキャラに戻ったワケで、ブレてるんですよね。だから我々視聴者は「どっちなのよ?」って戸惑っちゃう。これは明らかに制作サイドの迷いによる混乱で、振り回された三田村さんが気の毒です。

   「松田聖子ちゃん(ニコッ!)


↑#498『600秒の賭け』ではロッキーが真面目すぎるがゆえの暴走をやらかし、愛妻=令子さん(長谷直美)をハラハラさせます。そんな性格が半年後に災いし、いよいよ彼女を未亡人にしちゃう。とんでもないロクデナシですw

↑そして長さんも半年後にお別れ。演じる下川さんは“殉職”を熱望されたらしいけど、さすがにダメでしょう。同じ年にスコッチ、そしてロッキーが亡くなってるのに! 思い留まってくれてホント良かった。

↑と思ったらまさか、この人が!

ちょっと前に三田村さんが参加した番組で“全員殉職”っていうムチャな前例はあるにせよ、『太陽にほえろ!』の殉職は言わば別格なんだから、もうちょい重く扱って欲しかった。そういう意味じゃ非常に残念な1年とも言えます。


↑#499『こわれた時計』は長さんとナーコのダブル主演作。さすがに“お茶汲み”さんが1人で主役を張るワケにはいかず、前任者=アッコ(木村理恵)の時はロッキーが、そして今回は長さんが、つまり女性視聴者にヤキモチを焼かせない刑事が相棒役を務めるワケです。

↑ナーコが主役を務めたのもトピックだけど、長さんの息子=俊一(石垣恵三郎)が久々に登場してくれたのも長年の番組ファンには大きなトピック。

実の親子にしか見えないだけじゃなく、石垣恵三郎さんは下川さんにも負けないぐらい演技が上手い! 確かこれが最後の出番なんですよね。もっと出て頂きたかった!

で、こないだニヒルさを取り戻した筈のジプシーは、今回こんな感じ。

なんか、フツーに馴染んじゃってます。服装もラフになってるし、この辺りで制作サイドが「一匹狼キャラ、中止」を決断したんでしょう。

次の500回記念作『不屈の男たち』では冒頭から捜査会議の輪に(当たり前みたいな顔して)入ってます。



そしてラスト、1982年最大の衝撃シーン。

   「おいジプシー、お前なんか仲間に入れてやんねーからな!」

   「松田聖子ちゃん(ニコッ!)」

「ダメだこりゃ」

 

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