ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#250

2019-08-31 00:00:07 | 刑事ドラマ'70年代





 
☆第250話『民芸店の女』

(1977.5.6.OA/脚本=小川英&柏原敏行/監督=竹林 進)

出勤途中の山さん(露口 茂)に、野間美保と名乗る淑やかな着物美女(上村香子)が声を掛けて来ます。美保は、亡くなった山さんの妻=高子とかつて料理教室で一緒だった仲で、線香を供えに訪問させて欲しいと言うのでした。

そこに居合わせたボン(宮内 淳)によって、すぐ「山さんの前に美女現わる!」の噂が捜査一係室を駆け巡り、すわ再婚か!?とゴリさん(竜 雷太)や長さん(下川辰平)は色めき立ちますが、アッコ(木村理恵)だけは不満、というより不安そう。

高子が亡くなってから約1年、まだ早いのでは?っていう女心もあるでしょうし、アッコは高子の最期を看取った唯一人の身内ですから、きっと複雑な想いがあるんでしょう。

そんな折り、自動車修理工場に勤める広瀬道夫という男が遺体で発見されます。盗難車で2度に渡って轢かれており、現場の状況から見ても計画殺人だろうと山さんは睨みます。

その捜査が進む中、美保が約束通り山さん宅を訪れて来ます。仏壇に線香を上げ、経営する民芸店の酒器を山さんにプレゼントした上、「またお邪魔してもいいですか?」と積極的なアプローチを見せる美保。山さんも満更じゃなさそうなご様子。

ところが、これも哀しい刑事のサガなのか、美保が去った後にふと「なんで私に?」と疑問を抱いた山さんは、机の上に置きっぱなしだった警察手帳に気づくのでした。そこには、捜査中の事件に関する情報が色々と書き込まれてる……

何かが引っ掛かって仕方がない山さんは、聞き込みの帰りに美保の民芸店を訪れます。そんな様子を見て、長さんは「だいぶ山さんも本気になって来たな。うひひひ」なんて言って喜びますが、実は山さんの目的は美保の身辺調査。怪しいことが何も無いことを祈りながら、店の片隅に置かれた駐車場の領収書に、本能的に眼を光らせちゃう山さんなのでした。

そんな事とはつゆ知らず、美保は山さんの来訪を喜び、一緒に食事をしながら、他愛もない身の上相談を持ちかける等、どんどん距離を縮めていきます。

「主人が亡くなってから私、ずっと独りぼっちでした。いつも1人、いくら話したいことがあっても誰もいない……心細い時も、楽しい時も……でも今は、相談出来る人がいる。頼れる人がいる。何だかそれがとっても嬉しくて……すみません」

「謝ることはありません。そういう相手がいないのは私も同じですから」

山さんとしても、高子の知人を疑いたくはないし、あわよくばチョメチョメしたい下心だって、男なんだから無いワケがありません。チョー生真面目な岡田プロデューサーに叱られるから顔に出さないだけでw

しかし、美保は車を持っていません。じゃあ、店にあった駐車場の領収書は、いったい誰の物なのか?

調べてみると、駐車場を使ったのは不動産会社の社長である笠山(小笠原弘)という男で、どうやら美保とは深い関係にあるらしい。

そして、その笠山こそ、いま捜査中の殺人事件における最有力の容疑者だった!

山さんは再び美保をデートに誘い、ミステリー小説が大好きという理由でやたら捜査のことを聞きたがる彼女に、事件の顛末を語って聞かせます。

捜査中の容疑者は、3ヶ月前に浪人学生を轢き逃げして死なせ、それを隠蔽すべく車を修理に出し、恐らく血痕を見つけた修理工の広瀬に脅迫され、今度は盗難車を使って計画的に彼を轢き殺した。証拠は残してない筈だけど、犯人は自分に捜査が及ばないか不安で仕方がなかった筈。そこで……

「幸い犯人には、所轄署の刑事を間接的に知っている女性がついていました。……あなたです」

「…………」

そう、美保は笠山の為に、捜査情報を聞き出すべく山さんに近づいた。ボンなら騙し通せたでしょうけどw、こりゃ相手が悪すぎました。

「ご主人に死なれて、ずっと寂しかったというあなたの気持ちに、嘘は無いだろう。だからあなたは、笠山をどうしても失いたくなかった……その気持ちは私には解る」

「…………」

「しかし、轢き殺された浪人学生と、広瀬道夫のことをほんの少しでも考えたことがありますか? 彼らだって、寂しくても一生懸命に生きてきた」

「…………」

口調はクールでも、言葉の端々から山さんの怒りが伝わって来ます。

「私が……どうにも我慢出来ないのはね、美保さん。私が利用されたからじゃない。やり口の問題でもない。どうしてこんな考え方しか、あなたには出来なかったのか? それが無性に腹が立ってね。1人の刑事としても……1人の男としても」

1人の男として……それはつまり、あの山さんも、美保を女性として意識せずにいられなかった、あわよくばチョメチョメしたかったという事でしょう。チョメチョメ。山さんがチョメチョメ。

この後、山さんはわざとスキを見せて、笠山に自分を襲わせます。

「笠山が犯人だという証拠は、まだ何も無かったもんでね」

もう一度書きますが、利用するには選んだ相手が悪すぎました。つくづくボンにしておけば良かったw

とは言え、さすがの山さんも、美保の美貌や淑やかさに僅かながらグラついたのは事実。高子と親しかったという前提にも油断させられた筈で、最終的には全て見抜き、事件を解決させたにせよ、その心中は決して穏やかじゃないでしょう。

そんな山さんを、ボス(石原裕次郎)が無邪気にからかいます。

「山さんよ、そろそろ新しい人生考えたらどうなの? 独りでいるから、こんなややこしい事件が起きるんだよ」

「ボス、それは無いでしょ。だいたいボスが独身でいて……」

「ああ、そこまでそこまで」

すぐに負けを認めちゃうボスがお茶目ですw

孤独に耐えられず、相手が悪い男と知りつつも尽くしてしまう女の犯罪は『太陽にほえろ!』の……というより昭和ドラマの定番。言わば演歌の世界ですよね。

昨今のドラマで描かれる女性はずっとドライで、逆に男が女に溺れて犯罪に走るパターンの方が圧倒的に多い気がします。無論、それは現実社会を如実に反映してる事でしょう。

上村香子さんはテキサス時代の第166話『噂』に続く2度目のゲスト出演。プロフィールはその回のレビューに書きましたので、今回は割愛します。

その第166話は、先入観に惑わされて無実の上村さんに容疑をかけてしまう、とても人間臭い山さんの一面を描いた作品でした。今回の第250話も、刑事である前に1人の男である山さんの心情が描かれており、いずれも相手役が上村香子さんなのは偶然じゃないかも知れません。

つまり山さんをも惑わせてしまう女を演じられる稀有な女優さんとして、岡田Pあるいは露口茂さんに見込まれておられたのかも?
 
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『太陽にほえろ!』#248

2019-08-30 00:00:07 | 刑事ドラマ'70年代






 
☆第248話『ウェディング・ドレス』

(1977.4.22.OA/脚本=小川 英&四十物光男/監督=斎藤光正)

繁華街ど真ん中の歩道橋で、若い主婦が男にナイフで刺され、病院に担ぎ込まれます。刺された光子(新海百合子)は命に別状ないものの、なぜか犯人について何も語ろうとしません。

長さん(下川辰平)は光子の過去に何か秘密があると睨み、彼女の故郷である沼津へ飛び、どうやら元カレの古川(高木門)が犯人であることを突き止めます。

古川は、光子が勤め先で上司に乱暴されそうになったのを助けようとして、その上司を死なせてしまい、5年の刑期を終えて出所したばかり。その間に光子が他の男と結婚してしまったワケです。

「奥さん、そうやって黙っているのは、古川への愛情がまだあるからですか? ご主人にそのことを知られたくないからですか?」

古川の名前を持ち出しても黙秘を続ける光子に、長さんは思わず声を荒立てます。

「どっちなんですか奥さん? いや、一体あなたはどういう気持ちで古川を捨てたんですか? 今になってそんなに苦しむぐらいなら、どうして結婚なんかっ!?」

長さんが感情的になるのには理由がありました。翌日に愛娘の良子(井岡文世)が、気象予報士の市村(柴 俊夫)と結婚式を挙げる予定なのです。

恋人だった古川を見捨てて結婚したクセに、自分を刺した古川を庇う光子の気持ちが、長さんにはサッパリ理解出来ません。そして、娘の良子は本当にこのまま結婚して大丈夫なのか?と、マリッジブルーに陥る長さんなのでしたw

「良子。お前な、市村くんと結婚しても一生後悔しないだろうな?」

「あなた! 結婚式の前日になんてことを!」

自宅で、もう寝床に就いてた良子をわざわざ起こし、突拍子もないことを言い出す長さんに、奥さんの康江(西 朱実)が眼を丸くします。

「お前は黙っていなさい! 良子の口からハッキリと聞きたい」

「やだなあ、そんなこと今さら。後悔なんかしません」

あっけらかんと答える良子だけど、長さんは今でも交流があるという良子の「元カレ」が気になって仕方ありません。

確かに、嫌いになって別れたワケじゃない。彼が北海道に転勤してから、何となくしっくり行かなくなったんだと説明する良子に、長さんはますます不安を募らせます。

「なんとなく? 良子、お前そんないい加減なことでいいのか? その人との気持ちも整理がつかないまま結婚するなんて、市村くんにすまないと思わんのか?」

「お父さん、そんなんじゃないんだけどなあ……そんなんじゃないのよ。北海道の彼だって同じ気持ちだと思うの。そうやってだんだん離れていく人もいるし、昨日知り合ったばかりなのに凄く気持ちの通じ合う人もいるわ。そういうものでしょ? 人間って」

「…………」

「私は私なりに、自分の気持ちを確かめて、進さんと結婚することにしたの。心配しないで、お父さん」

「そうか……分かった」

なにも言い訳せず、正直な気持ちを淡々と語る良子に、長さんはかえって安心するのでした。

「あの子も立派な大人になったなぁ……教えられたよ。良子がここまで育ったのも、母さんのお陰だ。俺は何もしてやれなかった」

「いいえ、それは違うわ。良子も俊一もいつも文句は言ってるけど、本当は誰よりもお父さんを一番信じてるのよ」

口喧嘩が絶えない野崎家なのに、見ていて嫌な気分にならないどころか、いつもホッコリさせられるのは、そういうワケなんですよね。

下川さん、西さん、井岡さん、そして長男=俊一役の石垣恵三郎さんと、皆さん素朴なキャラでありつつ芸達者で、野崎ファミリーのエピソードはいつも安心して見てられます。理想的な家族として描かれながら、嘘っぽさを感じないんですよね。特に下川さんと石垣さんはルックス的にも本当の親子にしか見えませんw

さて、翌日。ボス(石原裕次郎)は捜査のことを忘れて結婚式に行くよう命じますが、長さんは光子と古川のことを放っておけません。

こんな時に限って事態は悪化するもんで、古川が警官を襲って拳銃を奪ったという事実を知り、長さんは光子のいる病院から離れられなくなります。

「俺たちに任せてはくれないか?」と山さん(露口 茂)が説得しても、長さんは動きません。昨夜、良子と話して、長さんは光子の気持ちがなんとなく理解出来たのでした。だからこそ、古川にこれ以上罪を重ねて欲しくない。

「ほんの少しの不運が、古川を凶悪犯にしてしまった。その古川の人生を、なんとか立て直してやりたい。今の俺なら、それが出来ると思うんだ……そんな気がするんだよ」

そんな長さんを、奥さんが危篤になっても捜査を優先した山さんに止められるワケがありませんw

良子の披露宴には代わりにボスが出席し、祝辞を述べることになりました。

「新婦のお父さん、野崎刑事がこの席にお見えにならないことは、全て私の責任です」

ボスのスピーチは、いきなり謝罪からスタートしました。

「野崎さんは、立派な刑事です。有能という事だけで言えば、あるいは野崎刑事よりも優れた刑事がいるかも知れません。しかし、他のどんな刑事にも真似の出来ないものを、野崎さんは持っています」

確かに、並外れた推理力の山さんや、射撃の腕前No.1のゴリさん(竜 雷太)、メカや女性心理に強い殿下(小野寺 昭)等に比して、長さんにはこれと言った特徴がありません。そんな長さんが、誰にも負けないものとは……

「それは、優しさです。立派な家庭を築き、良子さんのような聡明なお嬢さんを育て上げた事でも証明されてます。しかし、野崎刑事が優しいのは、家族や仲間に対してだけじゃありません」

長さんが、なぜ娘の結婚式すらすっぽかして捜査に打ち込むのか? その理由を良子は、そして康江や俊一も、口には出さずとも理解していました。ボスのスピーチを聞きながら、彼女らは静かに涙を流します。

「野崎刑事は、事件の被害者のお父さんでもあり、犯人の父親でもあるんです。そういう気持ちで刑事を続けるのが、どんなに苦しく、難しいことか……そしてそれが、どんなに素晴らしいことか、解って頂くために私はやって来ました」

このスピーチには私も泣かされました。これこそ七曲署イズム、『太陽にほえろ!』という作品の揺るぎない基本スピリッツなんですよね。今の時代には通用しないかも知れませんが……

さて、長さんが危惧した通り、拳銃を持った古川が病院に押し入ります。しかし光子は銃口を向けられても逃げずに、古川と向き合います。

「私、変わったの……気持ちが変わってしまって、もうどうすることも……」

「そうだったのか……前科者にはもう用はねえってのかっ!」

逆上して引き金を引こうとする古川に長さんが飛び掛かり、古川は病院の屋上へと逃げ込みます。同僚たちに止められても、長さんは説得を諦めません。

「山さん、話をさせてくれ! 頼む! それが出来ないなら、一体なんのために俺は此処にいたんだっ!?」

長さんは丸腰で、銃を構える古川と真摯に対話しようとします。

「うるせえーっ! デカなんぞに何が解る!?」

「それは違う。デカにだって解るんだよ古川。彼女の気持ちの中に、汚いものがあるかどうか位はね。ちゃんと解るんだよ」

「…………」

「何も、変わったことがあったワケじゃない。裏切りがあったワケでもないんだ。ただな、ただ、彼女が独りぼっちで、一番つらい時に、彼女を労ってくれたのは、夫の石田さんだったんだよ。お前じゃなかったんだ、古川。ただそれだけの事だ」

良子と同じように、光子も古川が嫌いになって別れたワケじゃない。女性の心変わりがドラマで描かれる場合、大抵は明確な理由がつけられるもんだけど、本作ではあくまで曖昧なスタンスなのが、かえって新鮮だしリアルだと思います。

「あのとき光子さんはお前に対して、なんの弁解も救いも求めなかった。いや、かえって自ら身を晒し、正直に告白して、解ってもらおうとした。あのときの眼には、どんなやましさも無かった筈だ」

「…………」

「まだ分からないのか? 光子さんはな、お前に撃たれてもいいと思ってたんだ。もし心の中にやましさがあれば、あんな行動は出来なかった筈だ」

ナイフで刺された時も、光子がまったく逃げる素振りを見せなかったことを、古川は思い出します。

「それはな、光子さんが、弁解すればするほど、嘘になると思ったからだよ」

「……解りたくねえよ、そんな話! 解りたくねえよ! 解らねえよ!」

そう言いながら古川は膝をつき、泣きながら拳銃を手放すのでした。

「だがな、古川。お互いそれを解り合わない限り、本当に立ち直ることは出来ないんだよ。光子さんも、お前もな」

事件を解決させる為じゃなくて、二人を立ち直らせる為にこそ銃口の前に立った、長さんの本気の「優しさ」が古川にも伝わったことでしょう。

こうして事件は解決しましたが、良子の披露宴はとっくに終わっており、せめて新婚旅行への出発を見送るべく東京駅に向かう長さんですが、新幹線も待ってはくれませんでした。

「幸せにな、良子……」

あっという間に遠ざかる新幹線を涙眼で見送った長さんは、独りトボトボと七曲署に帰り、同僚たちには「ギリギリ間に合ったよ」と嘘をつきます。けど、なぜかボスたちは信じてくれません。

「長さんな、まだ終わっちゃいねえんだ。披露宴はこれからだ」

「は?」

長さんが振り返ると、そこにはウェディングドレス姿の良子と市村が! 二人は出発予定を1日遅らせ、長さんが署に戻って来るのを待っていたのでした。

「良子……」

「お父さん……」

泣きました。事件関係者の心情と刑事のプライベートを無理なくリンクさせた脚本も素晴らしいけど、それに加えて我々ファンはずっと以前から、野崎ファミリーの歴史を見守って来ましたからね。これは涙なくして観られません。

良子が初登場し、娘の反抗期が描かれたマカロニ時代の第22話は、長さんの初主演作でもありました。こうして嫁に行った良子に代わって、これからは俊一の進学や就職問題が長さんを悩ませることになります。良子の出産、すなわち長さんに孫が出来るエピソードも見たかったですね。

光子を演じた新海百合子さんは、第206話『刑事の妻が死んだ日』ほか『太陽にほえろ!』には通算7回ご出演の常連ゲスト女優さん。『Gメン'75』や『特捜最前線』『相棒』等の刑事ドラマにもゲスト出演され、脇役一筋ながら現在まで息長く活躍されてます。

良子役の井岡文世さんはプロフィールが見当たらないんですよね。セミレギュラーとして10年近く出演された『太陽にほえろ!』が代表作であることは間違いないと思われます。

余談ですが、画像をご覧の通りボン(宮内 淳)のおでこが出て来ましたw 分け目は6対4ぐらいで、センター分けに行き着くまでの過渡期です。

横にいるゴリさんはスコッチ編の中盤あたりから髪が短くなり、お馴染みのヘルメットヘアが定着しつつあります。
 
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『太陽にほえろ!』#245

2019-08-29 00:00:05 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第245話『刑事犬 対 ギャング犬』

(1977.4.1.OA/脚本=田波靖男&四十物光男&小川 英/監督=竹林 進)

スコッチ(沖 雅也)が山田署へと転勤した、その翌週に放映されたエピソード。つまりレギュラー6人体制=ボン(宮内 淳)単独活躍期の幕開けですが、まだボンの人気も実力も信用してない制作陣は、ゲストの顔ぶれを強化することでスコッチの抜けた穴を埋めようとした、ような感じがします。

その第1弾が大好評「警察犬シリーズ」の再開で、かつてテキサス(勝野 洋)の良き相棒だった警察犬ジュンが、新たにボンとコンビを組んで大活躍します。

結局、ボンは常に誰かとコンビを組まされる運命なワケですw 翌週の第246話『赤ちゃん』には麻薬Gメンの村岡房江(浜 美枝)が、そして第252話『鮫島結婚相談所』には元刑事の鮫やん(藤岡琢也)が再登場し、入れ替わり立ち替わりボンの相棒を務めます。

おまけにこの245話には、後にボンと2年間もコンビを組む毛むくじゃら男=木之元 亮さんがカメラテストでプレ登場するんですよね。

冒頭、ボンがジュンに会いに行く警察犬訓練所のトレーナー役で、髭なのかモミアゲなのか髪の毛なのか判んないモジャモジャの爆裂したビジュアルに加え、独特な野太い声と滑舌の悪さでインパクトは絶大。後にロッキー刑事として七曲署に現れた時も「あれ、あの時の爆裂モジャモジャ男やん!」って、クラスで話題になったもんです。

それはともかく、確かにこの時点じゃボンも頼りないイメージがまだ払拭出来てないし、ビジュアル的にも精悍さが足りてません。ボンが本当に格好良くなるのは、爆裂モジャモジャ男の先輩格に昇格し、とっくりセーターを着なくなり、髪をセンター分けにしてオデコを出すようになってからです。

そしてボンだけじゃなく、他の七曲署レギュラー刑事たちも以前より垢抜け、どんどん格好良くなって行きます。ほんと男前揃いです。

スコッチがいた頃はそれこそ太陽みたいに丸かったボス(石原裕次郎)のお顔も、程よく贅肉が落ちて来ました。万人が抱くボスのイメージに落ち着きましたよね。

ゴリさん(竜 雷太)は金八先生みたいにしょっちゅう指でかき上げてた髪を短くカットし、竜さんが教師を演じられたデビュー作『これが青春だ』の頃に戻った感じ。ロッキー加入後は更に髪が短くなります。

殿下(小野寺 昭)だけはルックスがほとんど変化しないんだけど、歳を重ねて精悍さが増し、やっと刑事らしく見えて来ました。

長さん(下川辰平)もボスと同じで、丸かったお顔がシュッと引き締まって男前になられました。もっと後期になると頬が痩けて老いを感じちゃうので、この時期のルックスがベストかも知れません。

そして山さん(露口 茂)の、誰にも真似出来ない唯一無二の格好良さ! 角刈りのべらんめえ親父から刑事コロンボ(ピーター・フォーク)期を経て、大学教授的イメージの山さん像がついに完成した感じです。

ボン単独活躍期は、ルックス的にもキャラクター的にも、メンバー全員がそれぞれのイメージを完成させた時期とも言えます。

良くも悪くも、ほとんど変化しない『太陽にほえろ!』の長期安定時代が、これから数年に渡り続くことになります。
 
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『これは経費で落ちません!』#05

2019-08-26 00:00:16 | 多部未華子








 
結局、前回ラストシーンで森若さん(多部未華子)をラーメン屋まで足を運ばせた佐々木さん(伊藤沙莉)の囁きの内容は、謎のまま放置されちゃいましたw

そんな事ってあります?w なんで誰も文句言わないの?w もちろん何から何までタネ明かしする必要は無いんだけど、これは明かしておかなきゃいけない種類のタネじゃないかと、思ってるのは私だけなんでしょうか?

あの森若さんを動かせる魔法を知ってる、経理部の固い絆を示した演出なのかも知れないけど、それにしたって謎のままにする意図が解らない。私は気になって二度寝も出来ません。

初めてこの作品にケチをつけましたw(もしかするとどこかでタネ明かしされてるのを私が見落としただけ? だとしたら、どなたか回答プリーズ!)

さて、第5話はいつもよりヘビーなお話になりました。また、2つのストーリーを並走させるパターンが崩され、本筋1本に絞られた作劇は普段よりスローテンポにも感じました。

そして私が思ったのは、ますます刑事ドラマみたいになって来たぞとw しかも昨今の謎解きゲーム番組とは違う昭和テイスト。そう、まるで『太陽にほえろ!』じゃないかとw

それは森若さんが刑事みたいに鋭く不正を見抜き、糾弾するからだけじゃありません。そんな自分自身の仕事に疑問を抱き、葛藤しつつも真実を追及せずにいられない、人間・森若沙名子の苦しみをじっくり描いた点こそが『太陽にほえろ!』だと思うワケです。昨今のドラマじゃ(なにせゲームですから)刑事があんなに苦しんだりはしません。

今回、信頼を寄せる経理部の先輩=田倉勇太郎こと勇さん(平山浩行)に横領の匂いを嗅ぎ付けてしまう森若さん。いつものように「ウサギを追うな」と自分に言い聞かせながらも、持って生まれた刑事魂がそれを許してくれない。(違うけどw)

森若さんが「ウサギを追うな」を座右の銘にしてる背景には、実は過去の痛い経験があるのでした。2年前、森若さんが営業部員の不正(200万円分の空出張)を見抜いてしまった為に、その男性社員はクビになり、彼と結婚間近だった女子社員が森若さんを逆恨みし、罵詈雑言を浴びせた末に会社を辞めてしまった。

それで自分も辞めようとした森若さんを大きな心で包み込み、思いとどまらせたのは僕なんだと、部長(吹越 満)はドヤ顔で佐々木さんに語るのですが……w

森若さんの追及により、横領したのは勇さんじゃなく、その親友である製造部の熊井さん(山中 崇)の仕業だったことが判明。家族想いの彼がお金に困ってることを知ってた勇さんは、見て見ぬフリをしてたのでした。

かつて自分が苦しかった時に助けてくれたのが熊井だからと言い訳する勇さんに、森若さんは2年前「不正を見つけたらすぐ上に報告するのが経理部の仕事。キミは正しいことをしただけだ」と私を励まし、辞職を思いとどまらせてくれたのは他ならぬ勇さんだと言って諭します。(この最もシリアスな場面で、部長の自慢話がホラであることが判っちゃう可笑しさw)

そう、森若さんは刑事として……じゃなく経理部員として、あくまで正しい仕事をしただけ。……なんだけど、理屈ではそうでも「正しいから偉いワケじゃない」って、ひとり公園のブランコに揺られて涙を流す森若さんに、私は七曲署のマカロニ刑事やボンボン刑事の魂を感じたワケです。

そんな森若さんを何とか笑顔にしようと頑張る山田くん(重岡大毅)にも胸を打たれました。ウザいんだけど憎めないw 「一緒にいたいです」って言う山田くんに「一緒にいて下さい」じゃなく「一緒にいます」って、トンチンカンな返事をする森若さんも大好きですw

孤独を愛してた筈の森若さんが、前回の件で迷い始め、今回の件で更に「誰かと一緒にいること」の価値に気づいたかも知れず、ラブストーリーとしても凄く丁寧に段階を踏み、経理の話と巧みに絡めながら進行してますよね。

ずっと独りでいるのも(本人が望むなら)全然アリだと思ってる私だけど、森若さんには是非とも山田くんと結ばれて欲しいって、自然に思えて来ました。彼とならハッピーに過ごして行けそうです。

さて、第2話で前振りされてた経理部の「欠員補充」の件、今回のラストシーンで正体が明かされました。演じるのはなんと、江口のりこさん! しかも森若さんをも辟易させるほどの完璧主義者だそうで、次回の予告編で「変わらなきゃ」って森若さんが言ってるのは、そんな反面教師を身近に得たお陰かも知れませんw(変わる必要なんか全然無いと私は思いますけど)

さらに社長秘書としてベッキーさんまで登場するらしく、次回はえらい騒ぎになりそうですw

セクシーショット(?)は熊井さんの妻を演じた、黒坂真美さん。熊井夫婦は森若さんを恨むことなく、逆に感謝してくれてホッとしました。
 
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「奴らを高く吊るせ!」

2019-08-25 12:00:04 | 日記
 
あおり運転の末に暴行まで働いた輩は当然許せないし、それを止めないどころか(何の目的か知らないけど)ガラケーで撮影し、輩を匿ってた女も厳罰に処すべきだけど、その二人以上に腹が立ったのが、全くの別人をそのガラケー女だと決めつけ、ネット上に実名と写真を晒したクズと、それを疑いもせず拡散させた複数のクズたち。本当にクズとしか言いようがありません。

三年A組の菅田将暉先生があれほど「送信する前によく考えろ」って、人生を賭けて言ってくれたにも関わらず、やっぱりクズには届かない。馬鹿には何を言っても無駄ってことです。

過去にも何度か書きましたけど、私もネット上で全くの濡れ衣を着せられ、一生引きずらざるを得ない心の傷を負わされた経験があるもんで、このテの話題には尋常ならざる憤りを覚えます。

私の場合は全くローカルなサイト内で起こった事であり、実名を晒されたワケでもないから心の傷だけで済んでるけど、今回被害に遭われた方に及んだ実害は計り知れません。本当に実刑を与える位の処罰をしないと、クズはこの先また同じことを繰り返しますよ。

拡散させたクズたちの中には被害者に謝罪してるクズもいるそうだけど、謝って済む問題にしちゃ絶対にいけない。送信ボタンを押したことを一生後悔し続ける位の罰を与えないと、本当に世の中破滅ですよ。

だって、同じことを計画的にやれば、自分が気に食わない誰かを社会的に抹殺することも簡単に出来ちゃうんだから。もしそれがバレたとしても、被害者が受けた実害や心の傷より犯人への処罰が軽いとなれば、完全に「やったもん勝ち」ですからね。そんな理不尽なこと絶対にあっちゃならない。

無実の私に寄ってたかってトラウマを植え付けた匿名のネット民たちが、自分は何の傷も負わないでのうのうと生きてるかと思うと、今でもたまらない気持ちになります。たかが送信ボタン1つ押すだけで、これほどのダメージを見ず知らずの他人に与えることが出来ちゃう。恐ろしい。本当に恐ろしいことです。

世の変化に法が全然追いついてない。ますます破滅です。
 
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