ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『キャプテン・アメリカ/ブレイブ・ニュー・ワールド』

2025-02-27 18:30:07 | ハリソン・フォード

三重県の県庁所在地=津にある「イオンシネマ津」で観て来ました。前回(“帰ってきたあぶない刑事”のとき)車で行った「イオンモール津南」のシネコンより古くて小さい(なにせモールが無い)けど、観客が少ないし駅から徒歩10分で行けるし、その途中に旨いラーメン屋があるしで、実に私向き。

つくづく映画館で映画を観るのは楽しいと思ったし、これから月に1回ペースで通おうかと画策してます。本編上映前の予告編に『アマチュア』という、これまた実に私好みの作品もあったし!

プロのスパイに妻を殺された平凡な中年男が、仇討ちのためスパイ入門を試みるも「使いものにならん」と門前払いされ、だったら自己流のやり方で復讐したる!と一念発起。プロには予測できない“アマチュア”ならではの戦法が敵を混乱させ、追い詰めていくというストーリー……みたいです、予告編を観たかぎり。

元スペシャリストがそのスキルを活かして悪党どもを皆殺しにする映画ばかり創られて来たから、これは新鮮。観たい!




さて、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のいったい何作目になるのか分からない、ジュリアス・オナー監督による2025年2月現在公開中のスーパーヒーロー映画にして『キャプテン・アメリカ』シリーズ第4弾となる本作。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(’19) のラストで初代キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースから“正義の象徴”である盾を託された、ファルコンことサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)が新たなキャプテン・アメリカとなって活躍する、次世代『アベンジャーズ』の序章と言えそうな内容。

『アイアンマン』(’08) からスタートしたMCUは全作観たワケじゃないけど、常にハイクオリティーで楽しめました。しかし作品数が多すぎて食傷気味だったのも事実で、父母の介護や自身の転職で「それどころじゃない」状況が数年続き、私は前述の『~エンドゲーム』でMCUは卒業するつもりでした。

ところがなんと、シリーズ過去作で超人兵器「ハルク」を生んだ上、なにかとアベンジャーズの障壁になってきた軍人→政治家のサディアス・ロス役を、『∼エンドゲーム』公開後に亡くなられたウィリアム・ハート氏に代わって我らがハリソン・フォード氏が演じるという大ニュース!(ハリソンは『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』でハート氏と共演してました)



しかも今回、サディアス・ロスはアメリカ大統領の座に上り詰めており、ハリソンにとっては『エアフォース・ワン』(’97) 以来となる二度目の大統領役。(一緒に写ってる日本人=尾崎総理大臣役は平岳大さん。)

そしてロス大統領は、MCUファンなら誰でも知ってるだろうからネタをバラしますが、クライマックスで「レッドハルク」に変身“させられて”新キャプテン・アメリカと激闘を繰り広げるワケです。



かつてほどのネームバリューは無いとはいえ「あのハリソン・フォードがヴィラン役でMCU参入!?」っていうニュースはけっこう映画ファンを騒がせたし、その上「今回の役を最後にハリウッドから引退する」なんて、私に断りもなくハリソンが宣言しちゃったもんだから、そりゃ無理してでも映画館へ行くしかありません。

実際に観るまでは正直、レッドハルクがあのハリウッド・レジェンド最後の役に相応しいか?っていう疑問はありました。

けど、観て納得しました。映画はいきなりハリソンの横顔からスタートするし、キャプテン・アメリカは愚直なほど正義に邁進するだけ(そこが魅力)なのに対して、ロス大統領は縁を切られた愛娘(リブ・タイラー)への贖罪として、トランプ並みに傲慢だった自分を変えようと必死になり、けれど因果応報でレッドハルクにさせられちゃう。

つまりドラマとしては(贔屓目でも何でもなく)完全にハリソンが主役なんですよね! MCU自体もかつての勢いを失ってるにせよ、その復活の火蓋を切る作品で主役を任され、みごとに演じきったらそりゃ未練は無いでしょう。



観に行ってホントに良かったです。もちろん普通にスーパーヒーロー映画としても(なにせ信頼のMCU)充分面白いし、第二次トランプ政権を彷彿させる世相の描かれ方には「社会派」と言っても過言じゃない鋭さがある(製作がスタートしたのは2年以上前のはず)。

もちろん新キャップ役のアンソニー・マッキー氏も魅力的だし、ロス大統領の側近であり元“ウィドウ”の政府高官=ルース・バット=セラフ(シラ・ハース)が小柄なのにめっぽう強くてカッコいい!



そんな女性キャラが必ず登場するのもMCUの見どころで、ハリソンの再登場は無いとしても私が卒業するのは早いかな?と、今は思ってます。

PS. ちなみに今日、理髪店でちょうど今回のハリソンと同じぐらいの長さに刈ってもらいました。スポーツ刈りをリクエストしたら「そんないっぺんに切らんでええ、マメに通いなさい」と言われた結果であり、まったくの偶然。さすが分身!


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『インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル』

2023-07-01 20:30:03 | ハリソン・フォード

観て来ました! 全国ロードショーが始まったばかりの『インディ・ジョーンズ』シリーズ第5弾!

少なくともハリソン・フォード氏が演じるインディは、今回が本当に見納め。真のハリソン・フォードである私が書いてるんだから間違いありません。

監督&脚本は『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールド氏が務め、スティーブン・スピルバーグ氏はジョージ・ルーカス氏と共に製作総指揮に回ってます。音楽はもちろんジョン・ウィリアムズ氏!

良かった! 面白かった! 泣いた! 世間でどう評価されるかは未知数だけど、知ったことじゃない!

だから皆さんにも是非観て頂きたいので、ネタばらしは一切しません。簡単なあらすじと感想だけ書きます。



前作から更に15年の月日が流れ、舞台は1969年(ついに私の誕生年を越えた!)、アポロ11号が月面着陸を果たしたばかりのアメリカ……なんだけど、冒頭シーンは1944年からスタート。

これはとっくに公表されてるネタなんで書きますが、最新のデジタル技術によって若返ったインディが、宿敵=ナチス相手に大暴れ!



↑これはシリーズ第1作『レイダース』の画像だけど、こんな若いハリソンの姿がけっこう長く観られて、それだけでファンは感涙もの。

とはいえ、やっぱりデジタルゆえの違和感は否めないんだけど、実際にハリソンご本人が演じてる姿を加工しただけに、例えば『ローグ・ワン』のレイア姫みたいなオールCGよりはずっとリアルです。

私としては、’80年代に撮影された短いインディ映画が今になって発掘された!みたいな錯覚を大いに楽しみました。



で、その時にインディの友人である考古学者=ショウが手に入れた「運命のダイヤル」を狙って、死んだはずのナチス=フォラー(マッツ・ミケルセン)が’69年に現れ、メインストーリーが始まります。

その争奪戦に、亡くなったショウの娘であるヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)が、すでに引退状態だったインディを巻き込んでいく。



果たして「運命のダイヤル」とは何なのか? それを手に入れたとき、一体どんな奇跡が起きるのか?

争奪戦や探検はいつも通りの『インディ・ジョーンズ』だけど、ラスト約30分の展開に私は驚愕し、そして号泣しました。

ちょっとだけ書くと、前作でSFの方向にシフトしたのを決して「無かったこと」にはせず、その路線を継承しながらも力技でシリーズを原点回帰させ、マンゴールド監督は見事に「有終の美」を演出してくれました。本当に素晴らしい!



ハリソンは確かに年老いたけど、御年80でこのカッコ良さはそれこそ奇跡ですよ!(劇中の年齢設定は70歳)

元よりジャッキー・チェンみたいにキレッキレのアクションを見せる人じゃなかったから、加齢による衰えは感じさせません。

むしろ衰えてるのはインディの内面で、失いつつあった冒険心を旧友の娘によって呼び起こされる。還暦近い歳になった私としては、そこにハートを大きく揺さぶられるワケです。

予告編(TVスポット)にも出てたセリフ「ぶちかませ、インディアナ・ジョーンズ!」ですよ! ぴえ〜ん!!💦



というワケで、80歳であんなに頑張ってる私の分身を見て、生きる気力を失くしてる場合じゃありません。明日からまた頑張ります。

ありがとう、インディ! やっぱりあんたは最高のヒーローだ! ぴえ〜ん!!💦


 

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『インディ・ジョーンズ』シリーズ

2023-07-01 10:13:00 | ハリソン・フォード

これを観る(というより見届ける)までは死ぬワケにいかないと思ってた、『インディ・ジョーンズ』シリーズの第5作がついに公開されちゃいました。

ハリソン・フォード氏が「最後のインディ役」と明言されてますから、もし万が一、別の主演者でシリーズが続行されたとしても、私はもう観ません。なぜなら私こそが真のハリソン・フォードだから。

これから見届けに行くので、明日以降ブログの更新が無ければ「アホや、ホンマに逝きよった!」と笑ってやって下さい。



今さら語るのが野暮なほど有名なシリーズなんで簡潔に書きますが、良くも悪くもアメリカ映画の流れを大きく変えた2人の巨匠、『アメリカン・グラフィティ』『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカス氏が製作総指揮者として、『ジョーズ』『未知との遭遇』のスティーブン・スピルバーグ氏が監督として、初めてタッグを組んだのが1981年公開のシリーズ第1作『レイダース/失われたアーク』。

そして我らが主人公=考古学者にしてトレジャーハンターのインディアナ・ジョーンズ博士役に抜擢されたのが、当時『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役で一躍注目されるもBIGスターとはまだ言えなかった、私ことハリソン・フォード氏なのでした。



いにしえのB級連続活劇(いわゆるクリフハンガー映画)をクオリティーアップして復活させただけのつもりが、世界的大ヒットになってスピルバーグ監督は驚いたそうだけど、お陰でハリソン・フォード氏も一気にハリウッドのトップスターにのし上がり、分身である私が替わりに冴えない人生を請け負うことになった次第。

というか私がハリソン・フォードだから何の問題もありません。(ここまで言うと我ながら痛々しい)



導入部のアクションがべらぼうに面白いのは、ルーカス&スピルバーグが『007』シリーズへのリスペクトもこめてるから。特に第1作におけるトラップだらけの洞窟探検、そして転がってくる巨大岩石から必死に逃げるインディのくだりがもう最高!

だけに、そのあと本題に入ってからの展開が、当時高校生だった私にはちょっと退屈に感じられました。



いや、高校生だったからじゃないですね。私はとにかく、ヒーローが悪党を片っ端からぶん殴ったり撃ち殺したりするアクションが一番好きだから、ナチスの飛行場におけるこんなシーンをもっと観たかった。



なもんで、私を本格的に『インディ』シリーズのファンたらしめ、ハリソンと一体化するに至らせたのは、1984年公開の第2作『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』なのでした。



「ジェットスター・ムービー」の呼び名に相応しく、冒頭から過剰なほど見せ場につぐ見せ場で、シリーズ中で最もハイテンションな作品。



アクション描写も一番激しく、ハリソン・フォード出演作の中でも頭抜けて荒唐無稽な作品と言えます。

けれど私は、この『魔宮の伝説』でこそハリソンの魅力に取り憑かれたのでした。彼が演じると、どんなに漫画チックな内容でも人間臭くなると言うか、アクションヒーローにちゃんと血が通う。だからすんなり感情移入できて一体化しちゃうワケです。



かの淀川長治さんが良い意味で「イモっぽい」と表現された、二枚目過ぎないルックスも効いてます。どう見てもカッコいいんだけどカッコ良すぎない、唯一無二のスーパースター。

そんなハリソンの持ち味は、インディみたいに荒唐無稽なヒーローを演じてこそ最大限に発揮される。ご本人は「超」がつくほど真面目な方だからシリアスな作品をチョイスしがちだけど、もっと肩の力を抜いて仕事された方が良いのでは?って、一ファンとしては思ってます。



ハリソンがいよいよ押しも押されぬ大物スターとなり、その生真面目さが作品の内容に反映され始めたのが、1989年公開のシリーズ第3作『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』かも知れません。

もちろん荒唐無稽なクリフハンガー映画には違いないけど、ずっと疎遠だった頑固者の父=ヘンリー・ジョーンズ(ショーン・コネリー)とインディの、確執と和解のドラマが縦軸に据えられ、シリーズ中で(今のところ)最もエモーショナルな作品になってます。



構成のお手本となった『007』シリーズの初代ジェームス・ボンドであるコネリー氏が「インディのパパ」役に選ばれたのは偶然じゃなく、まさに「この人しかいない!」っていうキャスティング。

悪趣味とも揶揄された前作『魔宮の伝説』と同じシリーズとは思えないほど、気品や重厚さも感じる作品になったのは、明らかにコネリー氏のお陰。少年時代のインディを演じたリバー・フェニックス氏の凛々しさも忘れ難いです。

が、やっぱり宿敵・ナチスを相手に暴れまくるインディアナ・ジョーンズあってこそのシリーズ。最も脂が乗ってカッコいい時期のハリソンが観られる意味でも重要作で、’80年代3部作は結局どれも甲乙つけ難い、奇跡の傑作揃いです。



そして、19年間のインターバルを経て2008年に公開されたのが、シリーズ第4作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』です。

時代背景も1930年代から米ソ冷戦真っ只中の’50年代へと進み、宿敵はソ連軍大佐にしてKGBスパイのイリーナ・スパルコ(ケイト・ブランシェット)。



これまでは宗教にまつわる宝物や超常現象を扱って来たのに対し、今回は異次元人(とは言ってるけど明らかに宇宙人)がテーマ。つまりSF色が濃くなったことで、何とも言えぬ違和感が生じたのは事実。

だけど私が’80年代の三部作ほど夢中になれなかったのは、それよりもインディがかつて『レイダース』のヒロイン=マリオン(カレン・アレン)と毎晩チョメチョメしてつくった息子=マット(シャイヤ・ラブーフ)のせいだろうと思います。



親子の珍道中って意味じゃ前作『最後の聖戦』と同じなんだけど、ほぼ戦力にならない老人がバディになるのと、イキのいい不良青年がバディになるのとじゃ、ヒーローにかかる負担が随分と違ってくる。当然、背負ってるハンデが大きいほどアクション映画としては面白くなる。

スピルバーグ監督にえらく気に入られてたシャイヤ何たらっていう役者に魅力が感じられず、こいつがインディ役を引き継ぐとしたら冗談じゃない!とも思ったし。



母親のマリオンも加わったチェイスシーンにも緊張感がなく、すっかりファミリームービーになっちゃってるのが私にとって一番の不満でした。

復活ブームの先陣を切ってシリーズ最大のヒットは飛ばしたものの、この4作目が一番好き!って言うファンは多分いないでしょう。

だからこそ、このまま終わって欲しくない。第5作を見届けるまでは死ねないんです。

ハリソンがいよいよ80歳になっちゃったり、監督が交代しちゃったりと不安要素も多いけど、4作目の出来映えに我々ファンがモヤモヤしてるのを充分に解った上で創られてるでしょうから、少なくともそれは吹き飛ばしてくれる筈。

もちろん’80年代の三部作に匹敵する、ややもすれば超えちゃう出来になってたら言うこと無しだけど、まぁそこまでは求めません。

とにかく、我々が納得できる「有終の美」を飾ってくれることだけ祈りながら、今から映画館へ行って来ます!


 

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『正義のゆくえ/I.C.E.特別捜査官』

2020-03-08 19:00:08 | ハリソン・フォード










 
ハリソン・フォードのポリス・ムービー第5弾は、ウェイン・クラマー監督による2009年公開のアメリカ映画。年齢からすると現役の捜査官を演じる機会はもう無いでしょうから、これがハリソン・フォード最後の刑事映画ということになります。

今回ハリソンが演じるのは、ロサンゼルスに本部を置くI.C.E. (移民・関税執行局) のベテラン捜査官=マックス・ブローガン。同じL.A.が舞台でも『ハリウッド的殺人事件』のロス市警とは全く別の組織で、正確には警察権は持つけど警察じゃない。日本におけるマルサみたいなもんです。

無数にいる不法滞在の外国人たちを取り締まるのが仕事なんだけど、情にもろく冷徹になり切れないマックスは、やむにやまれぬ事情を背負った不法就労者を捕まえ、アメリカから追い出す仕打ちに加担することのジレンマに苦悩しつつ、それでも黙々と職務を果たしていくという、ハリソンの「どシリアス」刑事路線の集大成みたいなキャラクター。

ただし今までと違うのは、マックス捜査官だけが本作の主役じゃないという点。自身がイラン出身の移民であるマックスの相棒=ハミード捜査官(クリフ・カーティス)や、不法移民を守る立場の人権派弁護士=デニス(アシュレイ・ジャッド)、その夫で移民判定官を務めるコール(レイ・リオッタ)、そして様々な立場にいる不法移民たちそれぞれの視点から描かれた、ハリソンにとっては『アメリカン・グラフィティ』('73) 以来となる群像劇なんですね。

看板を背負うのはハリソンだけど、実質はアンサンブルの一角を担うだけ。むしろ主役は取り締まられる側の移民たちと言えそうです。

例えば I.C.E.により強制送還されるも、アメリカに残された幼い息子に会うため1人で国境を越えようとし、命を落とすメキシコの若い母親(アリシー・ブラガ)。

「9.11テロ実行犯たちの気持ちを理解したい」と宿題の論文に書いただけで学校から通報され、テロリスト扱いされて家族と引き裂かれちゃうバングラデシュ出身の女子高生(サマー・ビシル)。

中でも印象に残ったのは、ハリウッドスターを目指してオーストラリアから観光ビザでやって来た女優の卵=クレア(アリス・イヴ)のエピソード。

半年経ってようやく役を貰えそうになるも、必須条件とされる永住権の取得が大きな壁となり、ひょんな事で知り合った移民判定官のコールに「2ヶ月間だけチョメチョメの相手をしてくれたら(裏ワザで)グリーンカードを取得させてあげる」とそそのかされ、チャンスを逃したくない一心で同意しちゃう。

だけど前述の通りコールを演じるのは、あのレイ・リオッタなんです。画像8枚目をご覧下さい。あの顔と関わってタダで済むワケがありませんw

いや、今回のリオッタはあんな顔でも決して悪人じゃなく、マンネリ気味の日々にあの顔に見合った刺激が欲しかっただけ。なのにクレアにまじ惚れしちゃうわ、 裏ワザ=不正行為がバレて逮捕されちゃうわで、仕事も家庭もメチャクチャに。当然、クレアも女優デビューはおろか本命の恋人も失い、オーストラリアに強制送還されちゃう。

両者とも自業自得と言えば自業自得で、前述のお母さんや女子高生に比べれば悲劇性が薄いんだけど、だからこそ人間臭いというか、自分にも起こり得るトラブルとして身につまされました。

クレアを演じるアリス・イヴの体当たりヌードもさることながら、レイ・リオッタがあの人殺しを演じるだけの為に生まれて来たような顔で「妻とは別れるから」とマジ告白し、なのに「マジあり得ないから」と一蹴されて、いよいよマジギレして大暴れ(本領発揮)するかと思いきや、涙ぐみ、しょんぼり背中を丸めて去っていく、その超ダサい後ろ姿に私は共感しちゃいましたw(まさかレイ・リオッタに共感する日が来るなんて!)

現代アメリカの抱える(トランプ政権になって更に深刻化してるであろう)、そして今後の日本にとっても全く他人事じゃない、大きな社会問題をリアルに描いた真摯かつ辛辣な映画なのに、リオッタの顔を面白がるのは不謹慎なのかも知れないけど、まぁそれが私だから仕方ありません。

そんなワケで、ますます渋味を増したハリソンはさすがの存在感&安定感で作品を支え、敬遠されがちな重苦しい映画に多数の観客を呼び込む役目をみごと果たされたと思うけど、その演技自体は「いつも通りのハリソン・フォード」と言わざるを得ず、飛び道具のレイ・リオッタばかりが印象に残っちゃう結果となりました。

だけど移民問題の実態を知るには最適のテキストで、日本で働く外国人が増え続けてる今こそ、あらためて観直す価値のある作品だと思います。

セクシーショットはクレア役のアリス・イヴと、デニス弁護士役のアシュレイ・ジャッドのお二人です。
 

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『ハリウッド的殺人事件』

2020-03-07 11:11:14 | ハリソン・フォード










 
ハリソン・フォードのポリス・ムービー第4弾は、2003年に公開されたロン・シェルトン監督によるアメリカ映画。当時若手の注目株だったジョシュ・ハートネットとのダブル主演作です。

それまでハリソンが出演してきた刑事物は「どシリアス」な作品ばかりだったのが、ここに来て初めてライトタッチの作品に出てくれて、私はとても嬉しかったです。

なにしろオープニング曲がヒップホップなんです。初めて観たとき「うわっ、ハリソンの映画でラップがかかってる!」ってw、私は驚いたし時代の流れを痛感したもんです。ハリソンの使用拳銃もM10と同じS&W製ながら近代オートマチックで、ぐっとモダンになりました。

『エアフォース・ワン』('97) を最後に大ヒット作が出なくなり、マネーメイキング・スターの座を降りつつあった当時のハリソンだけど、だからこそこういうB級テイストの作品にも出られるようになったのかも知れず、売れるにも良し悪しあるんだって事が、1人のスターをずっと見続けてるとよく分かります。

ハリソンは根っから真面目な人らしいから、ご自分で作品を選ぶと自然とシリアスな方へ片寄っちゃうんだろうと思います。だけど元来「ハン・ソロ」と「インディアナ・ジョーンズ」でスターになった人なんだから、そういうコミック的キャラを演じた時こそ一番魅力を発揮するんですよね。

今回ハリソンが演じたのは、ロサンゼルス市警ハリウッド署の強盗殺人課刑事=ジョー・ギャビラン。腕利きだけど副業の不動産仲介に振り回され、どっちが本業なんだか判らない多忙な日々。

そしてその相棒を務めるのが、ジョシュ・ハートネット扮する若手刑事=K.C.コールデン。刑事としては半人前なのに副業で営むヨガ教室で高収入を得ており、実は俳優志望でハリウッドの大物たちへの売り込みに余念がない、これまた多忙な日々。

そんな二人が人気ヒップホップグループを狙った連続殺人事件を担当し、片や邸宅を売りながら、片や銀幕デビューのチャンスを探りながら、ついでに捜査して犯人を挙げるという、ハリソン映画史上おそらく最も不真面目なお話(なにしろ犯人とカーチェイスしながら電話で買い手と値段交渉してる)w

だけどこれは決してバカげた設定でもなく、アメリカじゃ警察官の副業が普通に認められており、ロス市警には実際に不動産屋を兼ねた刑事も俳優志望の刑事もいたそうです。笑えるようデフォルメはしてるにせよ、結構リアルなお話なんですね。

場所がハリウッドなだけにアメリカ芸能界の興味深い裏側も見えて来るし、これはなかなか面白い。ハリソン本来の軽妙な魅力に加え、相方のジョシュ・ハートネットもすこぶるチャーミングだし、アクティブさにおいてはハリソンの刑事映画の中で一番だし、これはもっと話題になりヒットして然るべき作品だったと思います。

ただ1つだけ残念だったのは、今回もハリソンと若手共演者、すなわちジョシュとの不仲説が流れてしまったこと。いや、説というより、ジョシュが「現場でハリソンにほとんど無視されてた」みたいなことをインタビューでバラしたのが話題になっちゃった。

だけどこれは「あえて距離を取った」とハリソン自身も語っており、決して名コンビとは言えないチグハグな(役柄上の)関係を演出する為の、言わば役作りだったみたいです。

そもそも共演者とは一切ベタベタしない、ビジネスライクな姿勢で知られるハリソンですから、フレンドシップを求める若手俳優から見れば「冷たい人」と感じるのも仕方ないかも知れません。恐らくブラピやジョシュは特にその想いが強く、過剰に反応しちゃったんでしょう。

と、いうような事はしかし、長年のファンでハリソンに関する記事を読みあさって来た私だから推理できることで、そこまでマニアックじゃないファンの多くが離れていく要因の1つには、多分なったでしょう。

そのちょっと前に2番目の奥さんとの離婚が報じられ、急にピアスを付け始めたりするハリソンには、この私ですら「おいおい、どうしたハリソン」ってw、正直思ってました。そりゃ人間ですから色々ありますよね。

『ハリウッド的殺人事件』に話を戻すと、ハリソン扮するギャビラン刑事の恋人を色気たっぷりに演じられた女優さんは、『存在の耐えられない軽さ』や『蜘蛛女』等で知られるレナ・オリン。清楚な人が選ばれがちなハリソンの相手役としては異彩を放っており、とても印象深いです。
 

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