2022年3月26日(土曜夜)、日本テレビ系列で放送された単発スペシャルドラマです。
お人好し過ぎて人生をこじらせてるサラリーマン=絹咲 正(堺 雅人)が、婚活パーティーで浅香 澪(門脇 麦)という女性に見初められ、カップル成立するんだけど、実は彼女は「フレグランスの澪」の異名をもつ敏腕詐欺師だった!
澪は、相棒の「ジョー」と2人で大手ゼネコン社長の青島(生瀬勝久)から5億円を騙し取ったものの自分だけが捕まってしまい、金を持ち逃げしたジョーを連れて来ないと殺すと脅され、だけど行方が掴めないもんだから仕方なく、お人好しな正をジョーに仕立て上げ、青島に引き渡して逃げるつもりなのでした。
ところが正=ジョーと信じ込んだ青島は、リゾート会社社長の詩子(広末涼子)から10億円を騙し取るという、新たなミッションを2人に課して来ちゃう。
ジョーから5億円を取り戻さない限りは従うほかなく、澪はお人好し過ぎて人を「ダマせない男」と仕方なくコンビを組み、どう考えてもインポッシブルなミッションに挑んでいきます。
私は堺雅人さんが口八丁・手八丁の敏腕弁護士=古美門研介を演じた『リーガル・ハイ』シリーズが大好きでしたが、今回の絹咲正はおおよそ真逆のキャラクター。だけどホントにお人好しなヤツにしか見えないし、どんなキャラでも確実に笑わせてくれる堺さんは、やっぱサスガ!としか言いようありません。
『リーガル・ハイ』における堺さんの相棒は、新垣結衣さん演じるお人好しな新米弁護士で、今回の相棒=門脇麦さんは口八丁・手八丁の敏腕詐欺師。キャラも立場も逆転してるのがまた面白い!
そんな2人を中心に、生瀬勝久、光石研、皆川猿時、小手伸也といった芸達者な皆さんが脇を固めてますから、そりゃもう安心して観てられます。
『リーガル・ハイ』はおおむね「善意の裏には必ず悪意もある」っていう人間観、社会観を、リアルに、それでいて面白おかしく描いて新鮮だったけど、その点で言うと今回の『ダマせない男』は「善意は必ず報われる」っていう昔ながらの性善説で、新鮮味には欠けるかも知れません。
けど、そういうドラマも絶対必要ですよね。現実は厳しく、世の中は悪意に満ちてるからこそ、人の良心がもたらす無敵のパワーを信じたい。私が今だに愛してやまない『太陽にほえろ!』もそんなドラマでした。
当然、シリーズ化や連ドラ化も視野に入れてるでしょうから、堺雅人さんの新たな当たり役に期待します!
今回のスペシャルを彩った女優陣は、ヒロインの門脇麦さん、すっかりオトナの女性になられた広末涼子さん、そして堺さんと恋に落ちたと見せかけて、実は広末さんとチョメチョメな仲だった!という、2020年代ならではのゲストヒロインに扮した、村川絵梨さん。
これだけのメンツが揃えば、多少ストーリーが「ベタ」でも充分に楽しめます。私は満喫させて頂きました!