☆第424話『拳銃を追え!』(1980.9.19.OA/脚本=小川英&尾西兼一/監督=山本迪夫)
ストーリーは至ってシンプル。スコッチ(沖 雅也)が追ってた拳銃の売人が射殺され、調べたらすでに三挺のコルト45口径リボルバー(実際はトルーパー=38口径だけどw)が売却されてることが判明、執念の捜査でその行方を追うスコッチの姿が描かれます。
その内の一挺を買ったかも知れない人気俳優の立花(倉石 功)は「確かに銃は好きだし海外で射撃はするけど、あくまで道楽ですよ」と言って笑います。バカですねw 我らがスコッチ刑事を甘く見ちゃいけません。
素早く愛銃COLTトルーパー6インチを引き抜いたスコッチは、人気俳優の顔にいきなり銃口を突きつけ、一緒にいたロッキー(木之元 亮)を顔が毛まみれになるほどビビらせます。
「拳銃って物はね、遊びや道楽で済むもんじゃないんですよ。持てばいつか必ず撃ちたくなる。人を殺したくなるんです!」
「じゃ、じゃあ、刑事さんもそうですか? しょっちゅう人を殺したくなるんですか?」
「そうです!」
これは単なる脅しじゃなく、スコッチの本音だろうし、だからこそ銃を軽く考えてるヤツが許せないし、流通してしまった三挺をこうして必死に追ってるワケです。
私も銃が大好きだけど、それは刑事ドラマのヒーローが使うアイテムだから好きなだけであって、本物を持ちたいとは全く思いません。その理由は、まさにスコッチが言った通りです。持てばいつか、必ず人を殺してしまう。それは私が狂ってるからじゃなく、普通の人間だからこそです。それが人間の本質だからです。
立花は顔面蒼白になりながらも、拳銃の購入はあくまで否定。それを信じるワケじゃないけど、有名人だけにすぐさま誰かを撃ち殺すような真似はしないと見たスコッチは、他の容疑者を探します。
で、次に判明した容疑者(壇 喧太)は七曲署藤堂一家の若手班(スコッチ、ドック、ロッキー、スニーカー)が銃撃戦の末、見事な連携プレーで逮捕。
すると間髪入れずに町のチンピラが射殺され、犯人はそいつにカツアゲされそうになったスーパー店員の相原(二叉一成)と判明、使われた拳銃もCOLT45口径と断定されます。
その相原が横浜に潜伏してるという情報を掴んだスコッチは、ホラ吹きで知られるタレコミ屋(二見忠男)の情報にすべてを賭け、海外逃亡ルートを仲介してるらしい屋台のラーメン屋を連日、徹夜で張り込むのでした。もちろん、結果はスコッチの勝ち。
そして最後の一挺は、俳優の立花が自ら出頭したことで無事に押収。スコッチの脅し……じゃなくて諭しがちゃんと伝わったワケですね。
それほど派手なアクションシーンは無いし、前述のとおり話はすこぶるシンプルなんだけど、とにかくスコッチが拳銃を抜く、構える、そしてまたホルスターに納める、その所作1つ1つがいちいちカッコいいもんで、撃たなくたってちっとも退屈しない。
振り返れば、全編通してスコッチはたったの2発しか撃ってない! しかも、その内1発は威嚇射撃! 『西部警察』や『大激闘』じゃ考えられない事ですw
謎解きも人情話もナシ、派手なアクションもナシ。なのに「ああ、今回もカッコ良かった!」って満足させちゃうスコッチ刑事=沖雅也さんの凄さ、そして『太陽にほえろ!』って番組の凄さですよね。
いや、もちろんスコッチ1人の功績じゃなくて、今回は若手刑事たちのサポートも光りました。特に、ドック(神田正輝)とスコッチのコンビネーションがたっぷり見られる機会って、実はかなりレアだったりします。
やがて沖さんが体調を崩され、アクションシーンが激減するにつれスコッチはベテラン寄りのポジションにシフト。代わってドックが若手のリーダーになって行きますから、2人が一緒に行動する機会からして少なくなっちゃう。
当然、若手4人が揃って連携プレーを見せてくれる機会も無くなっていくワケで、それがタップリ見られる今回のエピソードはかなり貴重。ホントこの時期は充実してました。
ちなみに今回からスニーカー(山下真司)の使用拳銃が『シティーハンター』の冴羽獠と同じCOLTパイソン357マグナムの4インチにチェンジされてます。
それまで使ってたコンパクトグリップ仕様のトルーパー4インチは壊れたのかと思いきや、今回の犯人たちが使ってる「COLT45口径リボルバー」がどうもソレっぽいですw