ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『オトナ高校』2017

2024-07-08 20:00:12 | 探偵・青春・アクションドラマ

2017年秋シーズン、テレビ朝日系列の土曜深夜枠に新設された「土曜ナイトドラマ」の第1弾として放映された、橋本裕志さんのオリジナル脚本による全8話の連続ドラマ。

少子化問題対策の一環として、30歳を越えて性体験がない男女を国がリサーチし、まっとうな恋愛とセックスが出来るよう教育する「オトナ高校」に強制入学させるというムチャな設定。



東大卒のエリート商社マンで、イケメンなのに高過ぎるプライドが災いし、童貞をこじらせてる主人公に三浦春馬。その上司にしてオトナ高校のクラスメイトとなる、55歳のチェリーボーイに高橋克実。完璧主義が災いしてやはり処女のクラスメイトに黒木メイサ。そして校長に杉本哲太、教師に松井愛莉らが扮するほか、第1話には逢沢りな、小松彩夏らセクシーゲストも登場しました。



とにかく“おバカ”ドラマですから、難しいことを考える必要はありません。春馬くんや克実さんが童貞で、メイサが処女という超ミスマッチぶりと、その吹っ切れた演技をただ楽しめば良いのです。



特に春馬くんがノリノリで、爽やかイメージを自ら破壊しまくる姿が実に清々しい! 以前からこういう役を演ってみたくて仕方なかったんでしょう。

克実さんは無論面白いし、メイサの処女っぷりも見ものだし、可愛い顔で卑猥なことを言いまくる松井愛莉さんにも萌えるし、観たところで何も得るものは無いけどw、私は大好きです。



阿部寛主演のヒット作『結婚できない男』の頃より問題はさらに深刻化し、今や恋愛やセックスを国が推奨し、指導しなくちゃいけない時代になったという、社会風刺的な見方も出来るかと思います。

けど、私が若い頃からすでに、そういう問題は水面下で着々と進行してました。私自身が長年、恋愛にもセックスにも縁がなくて悶々としてたし、何ら経験しないまま自殺しちゃった若い同僚もいました。今頃になって問題視するのは遅すぎるぐらいです。こんな高校があれば喜んで行きましたよ!



現在の若い人らはもっと草食化してるみたいだし、さっき“おバカ”ドラマだから得るものは何も無いみたいに書いたけど、ちゃんと観れば人生を変えてくれるようなヒントが、もしかすると見つかるかも知れません。

そう考えれば、やれ“胸キュン”だの“萌えキュン”だのと女性に媚びてばかりいる昨今の恋愛ドラマより、よっぽど意味も意義もある番組じゃないかと私は思います。



良識的な視聴者の方々には失笑を買ったみたいだけど、私は毎回気持ち良く笑わせて頂きました。

こういう作品を、ただ下品だから、あるいはナンセンスだからという理由で毛嫌いする人が多いけど、なんで楽しめないのか私には理解出来ません。とはいえ、春馬くんやメイサがよくオファーを引き受けたなあとは思ってますw

それほど下らないことを、小劇団の人達じゃなくメジャー第一線の俳優さんたちが嬉々として演じておられる、そのお姿を観てるだけで楽しいと私は思うのですが。特に高橋克実さんはご覧の通り、水を得た魚そのものですw



中には、普段は見せないオーバーアクションや変顔を連発する春馬くんを「痛々しくて見てられない」なんて書いてるレビュアーさんもおられたけど、あんな嬉しそうに芝居してる人の一体どこが痛々しいと感じるのか?

それは単にあなたが最初からコメディーを好まない、もっと言えば理解するセンスが無いから痛々しく感じるだけの話で、そんな人にコメディーを品評して欲しくないです。「自分は苦手だからパスします」って書けば済む話でしょうに。



ところで最終回、オトナ高校の第1期生たちが企画したお見合いパーティーの参加者名簿に、さりげなく弓神適当と羽生虎夫という名前が記されてました。

弓 神「お前、オトナ高校に入学しろよ」

羽 生「チェリートじゃねえし!」

……っていう、たぶんアドリブの会話が他局の番組『刑事ゆがみ』(※同シーズンに放映されてた浅野忠信&神木隆之介のコンビによる刑事ドラマ) に登場したことに対する、『オトナ高校』スタッフのアンサーですよね、きっとw (“チェリート”っていうのはエリートのチェリーボーイ=『オトナ高校』主人公のニックネームです)

たぶん浅野忠信さんあたりが『オトナ高校』を面白がって、『刑事ゆがみ』の撮影現場で話題にされてたんでしょう。神木隆之介くん演じる羽生刑事もエリートのチェリーボーイでしたから。

自分の大好きな番組2つが、そんな形で繋がったことが私はとても嬉しかったです



そういう楽屋オチも含めて『オトナ高校』はB級コメディーとして良く出来てたし、なにげに恋愛ドラマ、青春ドラマとしても優れた一面があったように思います。

また、童貞男がなぜ童貞なのか、女性にモテない男がなぜモテないかを、これほど的確に指摘したドラマは今まで無かったかも知れません。

『オトナ高校』のリアルさ、シビアさに比べれば『モテキ』や『逃げ恥』なんか甘口もいいところで、所詮ファンタジーに過ぎないと私は思う。モテなくて悩んでる男子は『オトナ高校』を真剣に観て学ぶべきです。女性が自分をどんな眼で見てるか、痛いほどよく解りますから。



それにしてもキャストの皆さん、本当に楽しそうでした。三枚目に徹する春馬くんを見て女性ファンは「やめて~」って思ったかも知れないけど、本当にファンならば役者として一皮剥けた彼を祝福すべきです。

そして黒木メイサさん、松井愛莉さん、松井玲奈さんらヒロインたちも、よくこんなドラマに最後までつき合って下さいましたw 素晴らしい!



☆追記/三浦春馬くんの訃報はショックでした。トーク番組でお見かけした時に「ストイックな人だな」とは感じたけど、まさか……ですよね。御冥福をお祈りします。


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