'80年代アイドル特集のトリは、中森明菜さん。ついに真打ち! やっとここまで来た!
そもそも、この特集を始めた理由が『古畑任三郎』シリーズのDVDマガジン第1巻を買ったからなんです。
けど、このブログで今それをレビューするのは唐突な気がしたもんで、『太陽にほえろ!』や『西部警察』からの自然な流れを作りたかったワケです。4〜5本で終わらせるつもりが、気がつきゃ全部で18本w
結果的に、ちょうど刑事ドラマが……というよりテレビ番組が大きく変わっていく過渡期を、あらためて俯瞰し考察する機会になって良かったんじゃないかと、自分では思ってます。
『警部補・古畑任三郎』は1994年の4月から6月まで、フジテレビ系列の水曜夜9時枠で全12話が放映された、三谷幸喜さんの脚本によるミステリードラマ。連ドラシリーズ3つとスペシャル8本のほか、スピンオフドラマも生まれた大ヒット番組の1stシーズンです。(2nd以降はタイトルから「警部補」が抜けて『古畑任三郎』になりました)
刑事がひたすら謎解きするだけの番組を忌み嫌う私だけど、やっぱりこれだけは別格。いつ何度観てもメチャクチャ面白いし、そのたび三谷幸喜さんと田村正和さんの凄さを再認識させられちゃう。そもそも原典である『刑事コロンボ』も大好きなんです。
’94年4月13日に放映された記念すべき第1話『死者からの伝言』(演出=星 護) は、三谷幸喜さんが以前からファンだった中森明菜さんへの「応援歌」のつもりで脚本を書かれたそうです。
それを踏まえた上で観直すと、これって、あの天下の「ジャニーズ事務所」に対する三谷さんからの挑戦状というか、告発状であり断罪通告じゃないの?って、私は思っちゃいました。
直接には言えない書けない、あのスキャンダルに対する抗議であり、あの事務所のトップになぜか居座り続ける(最近やっと退所したらしいけど)、あのギンギラギンに薄っぺらい「愚か者」に対する復讐代行ですよ、これは!
明菜さんが演じられた「小石川ちなみ」は人気コミック作家で、もちろんシリーズ最初の殺人犯。殺した相手は連載コミックの担当編集者(池田成志)で、まだピュアだった彼女に職権を利用して手を出し、さんざん弄んだプレイボーイ。そいつにとっては遊びでも、彼女は真剣だからこそ許せなかったワケです。
金庫室に閉じ込めて窒息死させる手口や、被害者があえて「何も書かない」ことで犯人の正体を示すダイイングメッセージ等、斬新なネタをこれでもかと盛り込んだストーリーはもちろん面白いけど、観たあとに切なくも温かい余韻が残るのは、やっぱり三谷さんの熱烈な「明菜愛」が全編から溢れ出てるからでしょう。
なにせ鬼刑事=古畑任三郎(田村正和)の、ちなみに対する眼差しがやけに優しいんですよね!
以下、古畑が全ての謎を解いて犯人を言い当てた、その直後の彼女との会話です。
「どうしてこんな事になっちゃったのかしら……ハッピーエンドの話ばかり描いてるのに、私の人生はなんだ?って感じ」
「…………」
「でも、誤解しないで下さいね、古畑さん。私、後悔なんかしてませんから。私が悔しいのは、殺してしまったことじゃなくて……出逢ったこと」
「…………」
「あんな男のために、どうして……私の人生を棒に振らなきゃいけないのかなって」
「おいくつですか?」
「……28です」
「まだまだじゃないですか。第1巻が終わったところですよ、カリマンタンで言えば」
「…………」
カリマンタンっていうのは、ちなみが描いた少女コミックの代表作『カリマンタンの城』のことです。
「ハッピーエンドは、最後の最後にとっておけばいいんです」
「…………」
「あなたは、いい奥さんになれますよ。保証します」
さらに古畑は、別室で独りで泣きたいって言うちなみの要望を聞き入れ、彼女の愛犬に「ついててあげて下さい」って、付き添いの依頼までしちゃう!
基本的に女性には優しかったけど、殺人犯に対してここまで……いや、独りにすれば逃亡や自殺の可能性だってあるんだから、優しいを通り越して「甘い」ですよね。
これはもう、スキャンダルを乗り越えてどうか頑張って欲しい、あんなギンギラギン野郎のことなんか早く忘れて幸せになって欲しいっていう、三谷さんから明菜さんへの熱すぎるラブレターとしか思えません。
その後のエピソードでも小早川ちなみの近況(どんどん幸せになっていく!)が劇中でさりげなく語られたりして、彼女は「シリーズ全体のヒロイン」と言われてるほど。
だからこそ三谷脚本は面白いんだと思います。ごく個人的な想いを巧みにバレないよう(バレてるけどw)エンターテイメントに盛り込んでくる。このブログで私がよく書く「魂がこもってる」ってヤツです。
まあ、ジャニーズへの挑戦状ってのは拡大解釈かも知れないけど、少なくとも明菜さんご自身が経験された、あの大スキャンダルを匂わせてるのは間違いないと思います。小早川ちなみのように立ち直って、どうか幸せになって下さいっていうメッセージ。
2010年に芸能活動を無期限休止され、そのあと何度か復帰されたものの、ここ数年は音沙汰なし。もちろん、メディアに出ることや結婚することが幸せとは限りませんから、なにか違った形で本当の幸せを見つけておられることを、三谷さんほどじゃないけど祈るばかりです。
香港のアニタ・ムイという女優さんとの関係ですね
彼女は別れた後も彼を愛し続け
無くなる数か月前にマッ〇に会うために来日してます
2人も不幸にしているんですな
数年前、ヤツが紅白歌合戦のトリで『ギンギラギンにさりげなく』を唄ったときの、日本中が失笑した空気が忘れられません。芸能界のイビツさを象徴してましたね。ほんとヤクザと変わりません。