ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『東京サラダボウル』2025

2025-01-29 16:50:03 | 刑事ドラマ HISTORY

昨年から私生活でも仕事でも大変な状況が続いて書く気になれなかった、このブログ本来のメインメニュー「刑事ドラマレビュー」を軽めに再開したいと思います。

2025年冬シーズン、NHK総合テレビジョン&BSプレミアム4Kの火曜夜10時「ドラマ10」枠でスタートした、NHKエンタープライズ制作による全9話の連続ドラマ。原作は「黒丸」氏による警察マンガ『東京サラダボウル/国際捜査事件簿』。

東新宿署国際捜査係に所属するミドリ髪の警察官=鴻田麻里(奈緒)と、警視庁通訳センターで中国語通訳を務める元刑事の有木野 了(松田龍平)が、様々な異文化が同居する“サラダボウル”の大都市を舞台に、外国人居住者たちの暮らしや人生に光を当てながら、異国で生きる葛藤に出会っていくというストーリー。



今は評論めいたことやユーモアを考えるエネルギーが無いので「単なる感想」だけ書きますが、ミドリ髪に象徴されるヒロイン=奈緒さんの破天荒なキャラクターと、初めて連ドラで(“元”はつくけど)刑事を演じる相棒=松田龍平くんのコンビが私にとって最大の見どころ。

型破りなヘアスタイルの若手刑事と言えば『太陽にほえろ!』のマカロニ(萩原健一)を連想させるし、松田龍平くんはジーパン刑事役でスターになった優作さんの長男です。



もちろんミドリ髪は“サラダボウル”をイメージしてるにせよ、原作者や制作者が『太陽〜』にオマージュを捧げた可能性も充分にあると、私は勝手に思ってます。

それを抜きにしても、メディアじゃ無視されがちな外国人居住者たちの日常や、被害・加害を偏りなく描いた犯罪、通訳人を交えた捜査など、新鮮味があってこれは面白い。クオリティーの高さじゃ定評ある「ドラマ10」の作品だし、迷いなくオススメ出来ます。



警視庁通訳センターのベトナム語担当=今井もみじに武田玲奈、英語担当=黒須雄介に関口メンディー、シンハラ語担当=清宮百合にイモトアヤコ、東新宿署国際捜査係の刑事たちに中川大輔、ノムラフッソ、平原テツ、皆川猿時、そして有木野の過去を知る本庁捜査一課の刑事=八柳に阿部進之介、鴻田の新たな相棒となる刑事=阿川に三上博史が扮するほか、外国人居住者は全員その国出身のアクターたちがキャスティングされてます。

セクシーショットはもちろん我らが主人公=鴻田麻里を演じる奈緒さんです。

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「あとは見守るだけ。」

2025-01-28 22:00:08 | 日記

想定よりも早く迫られた「延命治療を続行するか否か」の決断で後者を選んでから、丸1週間が経ちました。

あの次の日は公休日で、けっこう罪悪感に打ちひしがれてツラい1日を過ごしたのに、そのまた次の日の仕事帰りに様子を見に行ったら、母の容態がむしろ向上してて驚きました。

点滴を抜いたらみるみる栄養値が下がり、1週間ぐらいでお別れになるんだろうと覚悟してたもんで、看護師さんから「今日のお昼ごはんは全食してくれましたよ」って聞いて、よしもと新喜劇ばりにズッコケました(心の中で)。

母が食事を摂らないって聞いたから決断したのに、話が違うやん! 逝きたいのか生きたいのか、一体どっちやねん!?

まぁしかし、絶対に本音を言ってくれないウチの母らしいスカシです。こっちが身構えてるのを察して「意地でも死んでやるもんか」って思ってるのかも?

それならそれでいい。母自身が納得するまで、あるいは天寿とやらを全うするまで、生きてくれれば。私はもう、自分に出来ることは全てやり尽くしたから、あとは最後まで見守るだけ。



ところで、相変わらずメールの1つもよこさない兄には、全てが終わってから事後報告でいいやと最近まで思ってたけど、さすがにそれじゃ後味が悪すぎるかと考え直し、母が今こういう状態にある事と、看取りと葬儀は自分1人に任せて欲しい旨をメールで伝えたら、快諾の返事を貰えました。

これまで私が全部1人でやって来たんだから、最後の締めも1人でやらせて欲しい。兄に伝えたその理由は偽らざる本音だけど、来てもらいたくない理由が他にもあることを、旧くからの読者さんなら察して頂けるかと思います。

もうちょっと前の私なら、迷わず事後報告にしたかも知れません。いろんな葛藤を乗り越えてここまで来て、また少し私は大人になった。頭髪は大量に無くしたけど、代わりに得たものも大きい。それはきっと、残りの人生の糧になりましょう。

とにかく母は頑張って生きてます。その年齢(91)まで頑張る自信は私には無いけど、「使命は果たした」なんて言い訳して人生を放棄するのはまだまだ早いなと、今は思ってます。

そもそも死ぬこと以上に怖いことなんか、この世に無い。どんな生きものだって生きるために生まれて来たんだから。

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「コレクションは愛への渇望。」

2025-01-25 08:30:08 | コレクション

見出し画像は、百均ショップで見かけて衝動買いしたオモチャです。手足がアコーディオン構造で伸縮自在な上、先っぽの吸盤でどこにでもくっつく優れもの。

しかし何より私が惹かれたのは、昭和レトロを意識したであろう超シンプルなデザイン。癒やされます。



もはや『マジンガーZ』もレトロのカテゴリーに入るかと思いますが、そのキャラクターに対する私の異様なまでの執着心は、なかなか理解してはもらえない事でしょう。

まあモデルガンも集めてるので「模型好き」「メカ好き」「コレクター気質」っていう素地は元からあるにせよ、なぜマジンガーZにだけこれほど拘るのか? その原点は一体どこにあるのか?



それが、いつぞやもブログに書いた気がするけど、私が小1ぐらいだった頃の母との想い出。たしか風邪を引いて熱を出し、外で遊べない状態だった私に、母がマジンガーZのぬり絵ノートを買って来てくれたんですよね。

兄は「母さんから愛情を感じたことは一度もない」って断言してるけど、私にはいくつか心当たりがある。その中の1つがぬり絵ノートってワケです。

それがキッカケで私が『マジンガーZ』のアニメを観始めたのか、すでに私が『マジンガーZ』ファンだったからノートを買ってくれたのか、そのあたりの記憶は曖昧だけど、「異様なまでの執着心」の原点は多分これだろうと私は思ってます。

充分には愛してもらえなかったがゆえの渇望。大人になってもオモチャとかアニメとか特撮ヒーローとか、幼い頃に好きだったものから卒業できない人には、きっとそういう深層心理が潜んでる。



単純に昭和レトロがオシャレに感じるだけ、とおっしゃる方でも、突き詰めて行けば「家族の想い出」にきっと繋がるはず。外国人から見た「クールジャパン」とは明らかに質が違うでしょう。

ウチの場合、一緒に遊んだりプレゼントをくれるのはもっぱら父でしたから、好感度は圧倒的に父が(やらしい言い方をすれば)稼いでました。

そのぶん母は損をしてたと思うし、人の愛し方が分からないっていう不器用さが、今の私なら理解できます。息子に面会に来られても「鬱陶しい」のは、どう接すればいいか今でも分からないからでしょう。

だから迷惑を省みず、出勤日は(病院が職場に近いので)必ず顔だけは見に行ってます。逆に公休日は自分の心身を休めることに専念し、いよいよ目前まで迫ってきた人生最大のターニングポイントに備える、今日この頃の私です。

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「今のうちに悪口を書く。」

2025-01-23 20:50:11 | 日記

今日、仕事帰りに母の病室を訪ねたら、意外と穏やかな顔で寝てて、ちょっと救われました。

が、目覚めて私の顔を見た途端に怪訝な……というか、まさに「鬱陶しい」顔つきに。本当に私のことが心底キライなんだなと、切なくもあり可笑しくもあり。

先週、感謝の気持ちを伝えたら微笑んでくれた、あの一幕は(認知症ゆえ)母の記憶にはありません。以降も会うたびに私は「ありがとう」を言ってるけど、ちゃんと反応してくれたのはあの時だけ。基本、ウチの母は息子を信じてない。



母は昔から、私に限らず人の欠点しか見ない人でした。だから褒められた記憶はいっさい無いし、私も兄も幼い頃から「◯◯さんちの子はあんなに優秀なのに、あんたらは……」みたいな愚痴と叱咤ばかり聞かされて育ちました。

きっと母自身も、そんな親に育てられたんだろうと思います。私にもその血は受け継がれてますから、わざわざ他人や自分の欠点を探さないよう意識はしてるけど、疲れて余裕が無くなると出ちゃいます。

こんな歳になって自分の悪癖を親のせいにするのは無様ゆえ、これまで書かないようにして来たけど、もはやカッコつける必要も無い。なにせ鬼ですから。

こんな私が、そんな母親の終末期を1人で必死に支えて来た。褒めてやれるのは自分だけ。鬼にしちゃ、よくやったよハリソン君。まだ終わってないけれど。

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「鬼になったハリソン君。」

2025-01-22 15:15:16 | 日記

前回の記事で触れた“伏線”とは、「人間が90歳とか100歳まで生き延びることがそもそも不自然」っていう部分。

それともう1つの伏線として、母の容態が少し良くなったことを施設のナース長に報告したとき、「せやけどこっちに戻ってもまた食べへんかったら同じことの繰り返しやで」「そのときはアンタが治療を続けるかどうか決めるんやで」と、まるで突き放すような口調で言われた一幕がありました。

私は「胃瘻(胃に穴を開けてチューブで栄養を送る)までの延命治療はしないで下さいって、入所の段階でケアマネージャーに言いました」とハッキリ答えたのに、それでもナース長が「あれやこれやもアンタが決めるんやで」「今から考えとかなあかんで」としつこく言って来るもんだから、私はついカッとなり「だから胃瘻してまで無理やり生かせるような治療はしないで下さいって最初から言ってますっ!!💢」なんて大声を上げてしまった。

ただでさえ、母親の命に関わる選択をこれまで何度も強いられてヘトヘトなのに、なんで同僚が、しかもナース長が患者の家族に対して、さらに追い詰めるようなことをしつこく言ってくるのか、ワケが分からなかった。

このまえ母を救急搬送するかしないかの決断を迫られたとき、葛藤する私に「家族としてやれることは全部やったと満足したいなら病院やで」って、背中を押したのもそのナース長なんですよ?



けど、いま思えば、救急搬送のときナース長は「搬送してもたぶん助からない」と見立てたんだろうし、それが治療で好転したと報告する私の呑気な様を見て「喜んでる場合じゃない」「またすぐに厳しい選択を迫られる」「その覚悟があるのか?」って、アドバイスをくれたんでしょう。

そして昨日、仕事中に主治医から電話がかかって来たワケです。ウチのナース長が言った通りの内容でした。

「栄養値は良くなり、施設に戻ることも不可能じゃありません。が、食事摂取の拒否はまったく変わっておらず、点滴治療を止めればまた栄養値が下がり、同じことの繰り返しになります」

つまり、点滴治療をこのまま続けるか否かの“決断”をして欲しいと。やめれば母は再び栄養を失い、老衰が進んで遅からず死を迎えるのは目に見えてます。

胃瘻については断固反対するつもりだったけど、点滴の段階での決断は想定外で、またもや私は苦悩しました。



そこで、さらなる伏線。ウソみたいな本当の話。こないだ居間の押入れから出てきた、曽野綾子さんのエッセイ本『夫の後始末』に、こんな記述があったんです。

「まだ中年の頃、私は尊敬する老医師から、人間の最期に臨んでやってはいけないことを三つ教えられたことがあった。

◯点滴ないしは胃瘻によって延命すること。

◯気管切開すること。

◯酸素吸入。

若い人が事故で重体に陥ったような場合は、もちろんあらゆる手段を使って、生命維持を試み、それを回復に繋げるべきだが、老人がいつまでも点滴で生き続けられるものではない。また気管切開をすると最期に肉親と一言二言をするという貴重な機会まで奪うことになるから絶対に止めた方がいい、と私は教えられたのだ。」

さらに「24時間、点滴を続けているような過剰な輸液は、体の細胞を溺死体のようにする。痰は増えるし、苦しませるだけだ。」という一文に、母はボールペンで波線を打っていた!

もちろん母自身は憶えてないだろうけど、この本をついこないだ私が発見し、思わず読み耽ってしまったという事実、このタイミングに、運命を感じないワケにはいきません。

曽野さんにそういう話をされた老医師の意見が正しいか否かは別として、私の外にいる神様と、中にいる神(悪魔?)の意見が一致しました。

「点滴治療の中止に同意します。」



主治医のお話によると、それを選択する家族はかなり稀で、大抵は「1日でも長く生きて欲しいから」ってことで治療続行を望むそうです。

そんな家族の思いを否定するつもりは毛頭無いし、それはそれで勇気の要る決断だとも思う。闘いの日々がまだまだ続くことを意味するんだから。

どっちを選んだところで苦しいし、罪悪感は必ず残る。ならば私は、鬼になります。母だけじゃなく、私自身にも1人で闘うだけのスタミナが、もう尽きようとしてる。

実際、先週から立ちくらみや蕁麻疹という症状が出てきて、こないだ初めて「過労」を理由に有休をもらったけど、その日だって(自宅からだとけっこう遠い)病院まで母の着替えを届けたりして、しっかりした休養は取れてない。

私はまだしばらく、健康でいないといけない。そういう意味でも闘いの日々はもう終わらせたい。薄情と思われようが、鬼と罵られようが、迷いはありません。

罪悪感は、自分が(兄と断絶し、親戚付き合いもして来なかった自業自得も含め)死ぬまで背負います。その覚悟が無ければ、ひとりで親の介護なんて務まらない。そう思います。



神様、仏様、そしてお父さん。どうかお母さんが苦しまずに、穏やかに逝けますように、どうかどうかお願いします!

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