ドラマ『俺の話は長い』で一番の見所は何と言っても、主人公=満(生田斗真)のマシンガン屁理屈トークでした。
特に天敵の姉=綾子(小池栄子)とその血を受け継いだ姪っ子=春海(清原果耶)との掛け合いは、まるで競技ディベートやラップ・バトルを観戦するみたいな面白さがあり、近代ドラマ史上に残る名場面と言っても過言じゃないでしょう。
屁理屈で武装し、相手の揚げ足を取って攻撃する様はインターネットの某巨大掲示板でもよく見られるけど、あれが面白くも何ともなく単に不愉快なのは、書いてる人たちに知性のカケラも感じられず、読んだところで何も得るものが無いからだろうと思います。
競技ディベートやラップ・バトルには豊かな知識や言葉のボキャブラリー、回転の速い頭脳、そして何より非凡な発想力が不可欠で、我々観戦者は他人どうしの喧嘩を見物しながら色んな知識、新たな発見を得る快感を味わえるワケです。
偏屈なヤツ、口うるさくて面倒くさいヤツがドラマや映画の中だと人気者になっちゃうのは、そういう理由だろうと思います。
そんな面倒くさい愛されキャラの代表格が『男はつらいよ』シリーズの主人公=車寅次郎で、私は満の屁理屈トークを聞きながら何となく寅さんの面影を感じてました。(そう言えば寅さんの甥っ子の名前も満でした)
最近、寅さんが新作映画で復活したり、少年時代を描いたドラマや『贋作・男はつらいよ』なんてドラマも創られ、阿部寛さんの偏屈キャラが炸裂する『結婚できない男』も復活したりと、ちょっとした偏屈男ブーム? 彼らが繰り出す屁理屈トークに、時代が求める何かがあるのかも知れません。
屁理屈トークと言えば是非とも皆さんにオススメしたいのが、哲学者=土屋賢二さんが「週刊文春」などで書かれてるエッセイ。私は小説をほとんど読まないんだけど対談集やエッセイを読むのは大好きで、特に土屋さんの知性と軽薄さが絶妙にブレンドされたエッセイには魅了され、少なからず影響も受けてます。
大学で教鞭を執られる土屋さんが、たびたび教え子たちと交わす激論(?)はまさに『俺の話は長い』の屁理屈バトルそのものw 9割以上は土屋さんが脚色してるに決まってるんだけどw、そんなデタラメさも含めて笑いどころが満載の(ていうか笑うしかないw)実に下らない極上のエッセイです。
そもそも哲学=屁理屈で、下らないもんなのかも知れません。だけど、その下らなさにこそ美学がある!
その文章術を是非とも盗みたいんだけど、土屋さんと同等レベルの知性が無ければ到底ムリなんですよね。私ごときが哲学者に太刀打ち出来るワケがない。
ムリして捻り出した屁理屈やユーモアが面白い筈もなく、書くのもしんどくなるだけなので、私は私の身の丈に合った書き方でこれからもやって行きます。
だけど何かを発信するには事前のインプットが必要で、ドラマ『俺の話は長い』から得られたものは大きいんじゃないかと思います。スタッフ&キャストの皆さんに感謝!です。
このドラマの痛快さ、スピード感に痺れました。
ハリソン君に全く同意です!!
ふたりのマシンガントークにはワクワクしっぱなしでしたw
この作品も中島さんが演出してたのが素晴らしいですね!
女優の2推しは果耶ちゃんで確定です!w
清原果耶ちゃんの女優としての成長ぶりにも眼を見張るものがありましたよね。ほんと今後が楽しみです。