☆第49話『そのとき、時計は止まった』
(1973.6.22.OA/脚本=長野 洋&小川 英/監督=山本迪夫)
元女優がマンションの自室で撲殺され、凶器となった置き時計は死亡推定時刻より1時間前に止まっていた。
藤堂チームの捜査により、時計が止まった時刻と死亡推定時刻に、それぞれ違う人物が部屋を訪れていた事が判明。さて、どっちが犯人なのか?
……と、いうような事はどーでもいいんですw いつも書いてるように、このテの謎解きに私はさして興味がありません。(このテの謎解きのみに終始する昨今の刑事ドラマは、だからつまんない)
『太陽にほえろ!』は謎解きを描くドラマじゃなく、刑事を描くドラマです。もちろん謎解きもするけど、それだけで終わっちゃうような脚本は通用しません。
捜査過程において、主役の刑事が何を感じ、犯人に対してどんな心情を抱き、逮捕した結果どう成長するのか? それが描かれて初めて『太陽にほえろ!』なんです。脚本家諸氏は本当に大変だった事と思いますw
今回の主役=山さん(露口 茂)は、事件の鍵を握る被害者宅の家政婦=友子(川口 晶)に、自分自身の影を見いだします。
天涯孤独で、周りから邪魔者扱いされながら育った境遇がよく似ており、何か秘密を抱えてる友子がそれを告白する相手は、きっと自分しかいない。山さんはそう確信し、彼女をストーカーしますw
案の定、友子は犯人(剛 達人)を庇ってました。彼は被害者宅に出入りするクリーニング屋で、友子にラブレターを渡した事がある。
彼女はその男に惚れてたワケじゃない。ただ、誰にも必要とされずに生きて来た自分が、助けてあげる事の出来る(つまり必要としてくれる)唯一の相手が彼だった。彼を救う事で、友子は自分自身が救われると感じたワケです。
そんな彼女の告白を聞いて、山さんは涙を浮かべます。もしかしたら山さんも、自分自身を救う為に刑事という職業を選んだのかも知れません。
私もまた、友子と山さんに共感して泣いちゃいました。孤独な人間にしか解らない心情だろうと思います。
友子を演じた川口晶さんは、あの川口浩探検隊長(本業は俳優)の妹さんで、当時23歳。’70年代に数多くのドラマに出演されてます。『太陽~』は第145話『決定的瞬間』にもゲスト出演し、テキサス(勝野 洋)と絡んでおられます。
21歳で結婚され、この時すでに一児の母なんだけど、そうは見えない童顔と中性的な感じが実に私好みで、萌えますw
犯人役の剛達人さんは『飛び出せ!青春』の生徒役を終えてすぐのご出演。以降『太陽~』には何度となくゲスト出演される事になります。
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