ご存知ジェームズ・ボンドの華麗なる活躍を描くスパイアクション・シリーズの第25弾。6代目ボンド=ダニエル・クレイグの最終作を観て来ました。
こないだの記事に書いた通り、私としては残念な内容でオススメ出来ないし、もう公開期間もほぼ終わりなので、結末を言っちゃいます。シリーズの熱心なファンで、万が一まだ観てない方がおられたら、ここから先は読まないで下さい。
率直に言います。今回、ラストシーンでボンドが死んじゃいます。「実は生きてました」っていう逃げ道を自ら断つような死に方だし、ダニエルは前作で辞めるつもりだったらしいから、ハッキリ死んだと断言して良さそうです。
簡単に言えば世界の平和を守るための自己犠牲。ありとあらゆる作品で描かれて来た殉死のパターンで、驚きがあるとすれば「えっ、007映画でそれをやっちゃうの!?」っていう驚き。
だけどダニエル・ボンドのシリーズは明らかに以前のシリーズとは一線を画しており、どんどんシリアスな方向に来てましたから、私はさして驚いてません。そこに至るまでのストーリーが面白ければ感動したかも知れないけど、途中ですでに冷めてたもんで「ああ、ソレやっちゃうんだ」ってな受け止め方しか出来ませんでした。
私の感性が老いたせいもあるだろうけど、前々作あたりから「コレじゃない」感が増してたし、あまり期待もせず「とにかく見届けたい」っていう思いだけで観ましたから。もし10年前に同じことやられたらハイパー激怒したかも知れないけれど。
ドラマ『アバランチ』最終回のレビュー記事に書いた通り、私はアクション物に対してカタルシスを常に求めてますから、スカッと出来る場面が無いと評価がグンと下がっちゃいます。
ボンドが死ぬのは別に構わないけど、そこに至るまでに1つでもスカッとさせてくれる場面が欲しかった! オープニングから終始一貫して空気が重かったのが最大の不満点。私は007映画にシリアスさは求めない!
別にロジャー・ムーア(3代目)みたいにいつもフザケてろとは言わないけど、ダニエル・シリーズはやっぱ別物でしたね。格好良かったけど好きにはなれなかった。
ちなみに007シリーズそのものが今回で終わるワケじゃなさそうです。007は「ただの数字」って劇中で繰り返し言ってたし、最後に「ジェームズ・ボンドは帰ってくる」っていうテロップも出てました。(昨今流行りの“別ユニバース”のボンドだと言い張れば何度でも甦れます)
今回のボンドガール(今はそう呼んじゃいけないんでしたっけ?)は前作に続いて『アデル、ブルーは熱い色』のレア・セドゥ、そして『ブレードランナー2049』のアナ・デ・アルマス!
アナが演じた新米スパイ=パロマが活躍するシーンだけは「これぞ007映画!」って言えるユーモアに溢れて、ダントツに面白かった! ところが残念なことに出番が少ない!w
やっぱりねえ、せめて『007』ぐらい楽しく観させてよって思う。いくらバカバカしくたって許されるシリーズなんだから! 時代によって作風が変わるのは仕方ないけど、根底から変えちゃうならもう『007』でなくたってええやん!って話です。
求む、本当の意味での原点回帰! ちなみに私はピアース・ブロスナン(5代目)のボンドが一番好きです。
ブロスナン、いいですよね。“夢の世界の男”をエレガントに説得力を持って演じてて。
ハリソンさんはブロスナン主演のボンドシリーズの中で、特に好きな作品とか印象的なシーンとかって何かありますか?