ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『刑事貴族(郷ひろみ編)』1990~1991

2019-03-08 00:00:24 | 刑事ドラマ HISTORY







 
わずか16話で主役の舘ひろしとヒロインの黒木瞳が降板しちゃった『刑事貴族』ですが、新たに郷ひろみを主役に迎えて仕切り直す運びとなりました。(日本テレビ系列・金曜夜8時放映、’90年10月~’91年3月、全21話)

と同時に高樹沙耶(現・益戸育江)と宍戸 開もレギュラーに加わり、それまで舘ひろしの個性を前面に押し出すハードボイルド・タッチだった世界観を、やや明るめのトーンにシフトして行く事にもなりました。

さらに、一応ヒロミGo!を中心としながら、他のレギュラー刑事達も交代で主役を務める、より『太陽にほえろ!』に近いフォーマットへの先祖帰りも図られます。

しかも制作が『太陽~』と同じ日テレ&東宝でメインスタッフも同じですから、ストレートに『太陽~』の名エピソードをリメイクした回もいくつかありました。

(※『太陽~』の#32『ボスを殺しに来た女』が『貴族』の#26『宮本課長の災難』に、#36『危険な約束』が#31『刑事たちの忙しい夜』に、#402『島刑事よ、安らかに』が#36『殺人ビデオへの招待』に)

たぶん、ひろし編が好評だったのを受けて、番組を長期継続型のフォーマットにシフトする目的と、ひろしに比べてひろみは主役として弱いと判断しての、ある意味「テコ入れ」だったんじゃないでしょうか?

ひろみ推しの方には申し訳ないのですが、歌手としてはあんなに強いオーラを発するヒロミGo!なのに、役者としては……こと刑事物の主役としては、驚くほど凡庸で物足りないと私は感じてましたm(_ _)m

なぜ私は、ヒロミGo!を物足りなく感じたのか? 逆に、私の胸を踊らせてくれる刑事役アクターの条件って何なのか? 最近のCS放映を観ながら考えた結論として、2つのポイントが浮かび上がりました。

まず1つ目は「ユーモア」。私にとって、これはかなり重要なポイントです。『太陽にほえろ!』の中で私が特に好きだったゴリさん(竜 雷太)やボン(宮内 淳)、ドック(神田正輝)らに共通するのはこれなんですよね。二枚目一辺倒じゃ駄目なんです。

ヒロミGo!扮する風間刑事にユーモアが無かったワケじゃないけど、私を笑わせるには至りませんでした。(それにしても刑事ドラマの世界は、伊達とか風間って苗字がやたら多い)

ヒロミGo!はマジメ過ぎるんですね。近年はお笑いの人らにイジられる事で面白さを醸し出してますが、それは上手にツッコミを入れてくれる相手がいればこそで、ご本人にユーモアのセンスがあるワケじゃない。

2つ目の条件は「殺気」です。この刑事を怒らせるとヤバイ、下手したら殺されるかも?って感じさせる位の殺気が、ヒロミGo!には有りません。いわゆる肉食系ではなく草食系なんですね。だから拳銃も似合わない。

風間刑事はFBIからリターンして来た男って設定で、アメリカで何人も仲間を殺された経験から「撃たれる前に撃つ」が信条の、かなり『太陽~』のスコッチ(沖 雅也)に近いハードな人物として設定されてるのに、犯人をぶっ殺しそうなヤバいオーラが全然無いもんだから、見ててちっともハラハラしないんですよね。

要するに、迫力がない。ダンスは上手なクセにアクション(殺陣や銃さばき)にキレが無いから、ちっとも強そうに見えない。怒らせるとヤバイ感じが全然しないのが、私にはすこぶる物足りないです。沖さんのスコッチ(特に初期)は本当にヤバそうでしたからねw

前任の舘さんには殺気が、後任の水谷 豊さんにはユーモアが備わってたけど、郷さんはどっちも足りない。その分「華」があるから、女性視聴者にはアピールするのかも知れないけど、私には通じませんからw

萩原健一、松田優作、そしてクリント・イーストウッドやメル・ギブソンといったアクター達が演じた刑事キャラが伝説になったのは、いずれもユーモアと殺気を併せ持ってたからじゃないかと私は思ってます。『あぶない刑事』のコンビが魅力的なのも、舘ひろし=殺気、柴田恭兵=ユーモアの組み合わせだったからじゃないでしょうか。

もっと端的に言えば、ヒロミGo!には「毒」が足りない。笑いに毒は欠かせないし、殺気は毒そのものですから、毒というキーワードで繋がってるんですよね。健康食品だけじゃ物足りない、やっぱジャンキーな食べ物が欲しくなっちゃうワケです。

じゃあ、毒が足りない郷さんが主役の『刑事貴族』はつまんないかと言えば、決してそんな事はありません。なにせ『太陽にほえろ!』のスタッフによる作品ですから、クオリティーは高いんです。

だからこそ、もうちょい毒があればいいのになあって、欲が出ちゃうんですね。同じ『太陽~』でも優しい殿下(小野寺 昭)が主役の回より、怖いスコッチが主役の回の方が(私にとっては)数倍面白かったですから。

高樹沙耶さん扮する青木刑事も、男勝りのフェミニストっていうありがちなキャラで、刑事にあるまじきフェロモンが妙に新鮮だった黒木 瞳さんに比べると、やっぱ面白みに欠けるんですよね。

収穫だったのは宍戸 開くん(村木刑事)で、体育会系のキャラながら天然のトボケた味わい(父親譲り?)があって、ユーモアセンスの無いヒロミGo!を何気にカバーしてくれてました。

だけど一番目立ってたのは、やっぱり布施 博さん(泉刑事)じゃないでしょうか。ヒロミGo!のキャラが弱い分、若手のリーダーとして番組を背負う比重が大きくなるし、主役エピソードの数も他のメンバーより多かった印象があります。

フッくん(岩田刑事)は後輩が出来ても相変わらずでしたね。例によってマイコン刑事扱いでw、最終回に至っては序盤であっけなく爆死ですからね。それも、ちょっと失笑を誘いかねないマヌケな最期でした。

『太陽~』スタッフは裏番組だった『金八先生』シリーズに恨みがありますから、もしかすると仕返しの為にキャスティングしたのかも?w(フッくん@シブがき隊のデビューは『2年B組仙八先生』でした)

そんなワケで、郷ひろみ編のラストでフッくんが殉職、その仇を討った布施さんは転勤、ヒロミGo!も退職という形で番組を去り、『刑事貴族』第1シリーズは幕を下ろしたのでした。
 

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『代表取締役刑事』最終回 | トップ | 『刑事貴族』#24 »

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (フルーツブラザース)
2019-03-08 16:40:20
刑事貴族が人気があったのに打ち切りにて終了したのはとても残念な事です。
返信する
Unknown (harrison2018)
2019-03-08 16:58:26
サノバ長渕ビッチ剛のせいです。
返信する
Unknown (フルーツブラザース)
2019-03-08 17:07:40
コメントが意味分からないのでblogの閲覧やめます。なんか人をからかっているのでしょうか!
返信する
Unknown (harrison2018)
2019-03-08 17:16:57
そんなつもりは無かったのですが、お気に触ったなら申し訳ありません。

クドカンさんや長渕剛など、好きじゃないタレントさんに全ての責任を押し付けるという、このブログ恒例のギャグなのですが、書くタイミングを間違えたみたいですm(__)m
返信する
Unknown (フルーツブラザース)
2019-03-08 17:36:11
ハリソンさんの作品に対する思いで、熱意、共感できる部分が沢山ありました。消耗品刑事など私もそのような刑事ドラマがあったらいいな〜と妄想してる一人です。これからも唯我独尊で頑張って下さい。それでは
返信する

コメントを投稿