古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

『独ソ戦』を読みました。

2024年04月24日 12時36分24秒 | 古希からの田舎暮らし
 岩波新書の『独ソ戦』は5年前に出版された本です。書かれている内容は83年前の戦争のことです。昔の、人々が忘れかけてる、戦った兵士はほとんど死んでしまった、古い戦争のことです。ところがこの本は飛ぶように売れた。2019年7月19日に発行。40日後には「第5刷」が発行されています。この本は「新書大賞」という賞を受けてます。
 ナチスドイツとヒトラーのことは、いまでも人たちが読みます。ディスカバリーチャンネルでナチスの戦争があつかわれれば、見ます。あの80年前のナチス・ドイツのことでは、戦争後多くの本が出されました。いろんなことが書いてあった。ナチスは〈悪者〉でした。内幕暴露の本がいっぱい出た。「売らんかな」とあやしい本も出た。シュペーアの書いた内幕本(『狂気の内幕』)も大いに売れた。ホロコーストに関わったのに「知らなかった」と〈善者ぶった〉シュペーアもいまでは断罪されています。 
 しかし日本では、独ソ戦は古い文献を参考にして「独ソ戦」が書かれていた。この手の本は「ヒトラーを悪者にして、総統に強制されて仕方なくやった」といえばまかり通った。しかし諸外国の、ソ連の文献も含めて、80年の研究の成果をふまえた「独ソ戦」の本は日本にはなかった。
 それが白日のもとに引き出された。独ソ戦における「この戦争における残酷さと当事者の行動」が明らかになりました。ヒトラーを悪者にして、すべての責任を押しつけられるような戦争ではなかった。スターリンもドイツの将校たちもひどいことをした。地球上の人間という生き物が、これからどれほど生きるかわかりませんが、この戦争を上まわる残酷な殺し合いをすることはもうないでしょう。引用するのははばかられますが、ドイツ軍もソ連軍も悪のかぎりをつくしました。
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