75歳の火野正平さんが腰痛になって、NHK・BS放送の『こころ旅』が中断しているそうです。「75歳といえば老人だ。2011年から14年間も日本全国、自転車乗りまわしてきたんだ。日本は島国で、山が多く、坂道も多い。そんなところで自転車乗りまわしてきたんだから、体も痛むわなあ」。人気のある番組で、我が家も欠かさず見ていました。
でも中止になるとすれば残念だなあ。どんな田舎の、どんな小さなものでも、たずねていく番組だったのに。うちの村だって、『大将軍神社』とか、『福地池』とか、訪れてほしいところがあったのに。いろんな庶民の、人生の味がしみ出る番組だったのに。
火野正平の「もち味」を継ぐことはできないけど、「ちがったキャラクターが自転車に乗って、番組を継ぐといいな」と勝手に想像していました。年配の俳優がチャリオで全国をたずねてまわる。その人は急死しましたけど。
「畑の石垣下の草刈りをしよう」。そう決心してから数日過ぎていきます。なぜかぐずぐずしている。天気もよくないけど、それだけでなく「気力の衰え」を感じています。 いまはまだ図書館で本を借りてくるけど、ほとんどの本は読んでません。小説の人物が「心の中に立ち上がってこない」。字を読んでいるだけです。それでは面白くない。
そういえば、母・妙子さんが三木に引っ越したのは94歳の誕生日だったなあ。三木の図書館に通うようになり、軽自動車で月に二度くらいつれていきました。母は大型活字本で、佐多稲子/宮尾登美子/宇野千代/石垣りん/…… など女流作家の本を借りて、自室で読んでいるようでした。
ぼくが「新しい作家の、おもしろい本を読もう」とするのは間違いのような気がします。もう「そんな新しいキャラクターがこころに入るのは無理かもしれん」と思います。「また読みかえしてみたい」と思う本があります。阿部牧郎の『神の国に殉ず』(東条英機と米内光正)とか船戸与一の『満州国演義』という大部な小説です。あの戦争をなぞって、小説風に書いている。それを読みながら自分のなかで「あの戦争の歴史をなぞる」。これなら生涯できそうです。
でも中止になるとすれば残念だなあ。どんな田舎の、どんな小さなものでも、たずねていく番組だったのに。うちの村だって、『大将軍神社』とか、『福地池』とか、訪れてほしいところがあったのに。いろんな庶民の、人生の味がしみ出る番組だったのに。
火野正平の「もち味」を継ぐことはできないけど、「ちがったキャラクターが自転車に乗って、番組を継ぐといいな」と勝手に想像していました。年配の俳優がチャリオで全国をたずねてまわる。その人は急死しましたけど。
「畑の石垣下の草刈りをしよう」。そう決心してから数日過ぎていきます。なぜかぐずぐずしている。天気もよくないけど、それだけでなく「気力の衰え」を感じています。 いまはまだ図書館で本を借りてくるけど、ほとんどの本は読んでません。小説の人物が「心の中に立ち上がってこない」。字を読んでいるだけです。それでは面白くない。
そういえば、母・妙子さんが三木に引っ越したのは94歳の誕生日だったなあ。三木の図書館に通うようになり、軽自動車で月に二度くらいつれていきました。母は大型活字本で、佐多稲子/宮尾登美子/宇野千代/石垣りん/…… など女流作家の本を借りて、自室で読んでいるようでした。
ぼくが「新しい作家の、おもしろい本を読もう」とするのは間違いのような気がします。もう「そんな新しいキャラクターがこころに入るのは無理かもしれん」と思います。「また読みかえしてみたい」と思う本があります。阿部牧郎の『神の国に殉ず』(東条英機と米内光正)とか船戸与一の『満州国演義』という大部な小説です。あの戦争をなぞって、小説風に書いている。それを読みながら自分のなかで「あの戦争の歴史をなぞる」。これなら生涯できそうです。