4月の終わりにぎっくり腰になり、食事も寝起きも介助が必要になったわが母・妙子さんは、二ヶ月で回復しました。裏山に登って竹の枝を切る作業はしていませんが、あと数日で花バサミで枝を切りはじめるでしょう。写真は玄関先で草を抜いている図です。チリトリを手にもち、腰をかがめて小さい草を抜いています。花畑に入って花の苗まで抜いてしまわないかと、また心配になってきました。
あと一年足らずで100歳になる妙子さんが竹を切り刻む材料は、今年後期高齢者になる『東中の孝行竹切り息子』が竹を切り倒して引きずってくることになります。ところがその息子がいろいろと考えてしまうようなことが、きのうありました。まー、きいてください。
きのうは「あらごみ」収集の日でした。6時前に畑に出て、針金や錆びた衣装缶などをビニール袋に入れ、ついでに翌日の「埋めたてゴミ」の荷造りもして軽トラでごみステーションに持っていきました。
朝食のあと畑で草などを燃やす燃料の竹を用意しようと、道具を取りに小屋に行き、ふと思いついて小屋を片付けはじめました。大工仕事で出た木切れも燃やせます。「あれをしよう」と動き出してふと目に入ったものを片付けはじめると、知らぬ間にちがう仕事に熱中してしまうことがあります。
途中で「胸苦しさ」を感じて、部屋に戻って休みました。なかなかおさまりません。
もう15年以上もまえですが「肋骨にヒビが入ってる」と診断されたことがあります。医者は「バットを振っても、咳をしただけでもヒビが入ることがあるから当分安静にしていなさい」とバンドをくれました。
「さっき重い砂袋を片付けたけどあれで肋骨にヒビが入ったのではないだろうか」」
胸を押さえてじっとしていてもおさまりそうにありません。冷やしてみましたが、痛いような胸騒ぎのするような感覚はとれません。昼食の素麺もほんの少し食べただけで、欲しくありません。
「これは早めに整形外科に行ったほうがよさそうだ」膝痛でかかっている医院に午後診てもらおう、と診察券などを用意しました。
ところがウトウト昼寝をしてしまい、目覚めてみると胸騒ぎのような痛みは治まっています。
「あれ、どうなったんだろう。なんだったんだろう」
そういえば高校生の頃(60年近く前のことです)医者に「心臓脚気」といわれたことがあったけど、あれだろうか。ずいぶんむかしのことを思い出しました。
いずれにしても「肋骨にヒビ」ではなさそうです。それで畑仕事はやめて、ホームセンターに買物に出ました。買物しているうちにだんだん元気になり、帰ってからは畑に出て仕事をしました。
一人で勝手に思い込み、自分に振りまわされたような一日でしたが、でも……。
75歳というと身近な人や知人も亡くなっています。若い頃なら気にとめないような痛みや体の変調にも敏感になります。一人暮らしだったりしたら余計にいろんなことを考えるでしょう。そんな人がいっぱいいるんだ。「いつ死んでも仕方がない」歳まで生きてきたのだけれど、それでもいざとなると、アレコレ・アレコレ、いっぱい考えるんだ。
歳をとると思い込みがしぶとくなり、視野が狭くなります。自分のことだけになります。あらためて感じた日でした。