ゲンノショウコの投石器は精工だ。
梅園の草むらの、あちらこちらに投石器が仕掛けられて、今か今かと発射の合図を待っている。
その仕組みはいたってシンプルだ、5枚のガクの上に並んでいる褐色の丸い物体が砲弾(種子)である。
そして真ん中に鋭く突き出た穂先は、強力な5枚の板バネで構成されている。
板バネの正体は渦巻スプリングだけれど、強力なエネルギーを秘めたまま槍の穂先に張り付けられている。
正確には穂先にはりつけられた後、長い時間をかけてエネルギーを蓄えたのだろう。
砲弾は、この強力な板バネにくっついているのだが、何らかの刺激で板バネの抑止力が解除されると、バネは砲弾を抱いたまま高速で穂先に向かって巻き上がる。
そして最も遠くに弾を飛ばすタイミングで砲弾を放つのである。
高速カメラで確認したわけではないが、多分そうなっているのだろう。
秋のはれた昼下がり 草むらを歩くと石弓に狙撃される。
役割を終えたスプリングの形状がすこぶる良い
20年も昔ザルツブルグという古い街を訪れたことがある、唐草模様の鉄の装飾品がいたるところに飾られている。
装飾品のあるものは、役割を終えたスプリングと酷似していた。
段々畑の投石器 ゲンノショウコ
の
キチジョウソウ
シュウメイギク
ゲンペイカズラ
ウメモドキ