門松は素朴がいい
玄関の引き戸の両脇に松の小枝を付けて、縄を張り、下がりと紙垂をつけるだけ
簡単そうだけれど、仕上がりまでに相当な時間を要した。
松林はあるけれど木が大きすぎて、門松に適した枝には手が届かない。
山沿いの道で実生の松を探し出し、見栄えや品質にこだわらずに確保した。
しめ縄材料の藁は先般近所の稲作農家から分けてもらった。コンバイン時代だから無傷の藁は農家でも貴重品だ。
藁は選りすぐって丈夫な茎だけを使う。選別された藁は細工しやすくするために木槌で打って柔らかくする。
我が家でも土間に藁打ち石が置いてあったが、改築の折掘り出して捨ててしまったから、大きな杉丸太を臼のように立て使った。
藁打ちなど何年ぶりの作業だろう。「おとうは土間で藁うち仕事・・・・」の一節を身近に感じた。
日当たりの良い対岸の松林にこちら側の山影が伸びてゆく
見慣れた 歳末の日暮れだ、