まさかだった。ゴクッゴクッと飲んでから何かが違うと気づいた。今度は、ゆっくりと口に含んでみた。お酒と思って飲んだのに、ホワイトリカーだった。
ショックだった。何でやろ・・・ボケてしもたんやろか・・・しばらく気が遠くなった気がした
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お酒を飲むときは、足元にある戸棚に手を伸ばし無意識につかむ。そこにあるのは、お酒と信じきっているから、ラベルを見るでもなくフタを開けてグラスに注ぐ。そんなクセがついている。
保管してある戸棚を開けてみた。いつもはお酒しか置いていないのに、そこには手前に消毒殺菌用に使う35度の「ホワイトリカー(果実酒用)」が置かれていた。
パックの色合いはよく似ているが、箱の大きさが違う。気づくチャンスは何回もあったはず。戸棚から掴んで出した時、フタを開ける時、持ってグラスに注ぐとき、フタを閉める時、戸棚に戻す時・・・「ボーッとしてたんやろか・・・」
匂いも違う。味も違う。アルコール度も違う。なのに、なぜゴクッゴクッと飲んだんやろ・・・「鼻・舌から脳への伝達に時間がかかったんやろか・・・」
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もともとお酒に弱い体質。睡眠薬や安定剤代わりに、お酒を就寝1時間前ぐらいにグラス半分ほどを飲むことが多い。それだけでほろ酔い気分になれるので薬代わりになっている。
合点がいかないので、カスカスの脳ミソをフル回転させてアレコレ考えてみた。
お酒は、糖質「0」だった。糖質「0」でお酒特有の味がなかったので、ホワイトリカーを飲んでも違いが分かりにくかったのかも・・・
お酒のアルコール度はどれも14度ぐらいと思っていたが、このお酒は驚くことに「23度」もあった。普通の焼酎並みのアルコール度数だったので、違いが分かりにくかったのかも・・・
味覚の反応は鈍かったが、脳が判断を躊躇した理由づけはできた。
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ホワイトリカー、ちょっと目をやれば、大きい文字だからすぐにわかるはず。
何度もホワイトリカーを手にしながら、お酒パックじゃないとなぜ気づかなかったのか。お酒パックだと信じ込んでいたからなのか、ボーッとしていたからなのか、ボケがきたのか・・・どう考えてもわからない・・・
「歳行けば、いろんなことがあらーな」と思うしかない。