
赤い実が鈴なりでした。民家の軒先で見つけました。
ご飯を食べている間に、今日書こうとしたテーマを忘れてしまいました。
改めて、違うテーマで書くことにしました。
今日のテーマは、「コンポスト」です。
食物残渣を発酵させて、肥料や飼料にする技術です。
食品スーパーの売れ残り品と梱包材の処理について検討したことがありました。
食品スーパーでは、7種類のゴミがでていました。
生ごみ、ダンボール類、プラスチック(包装材)、缶類(アルミ、鉄)、ガラス・陶器製品(瓶類)、紙類、油、の
7種類だったように記憶しています。
特に、食物残渣(弁当などの賞味期限がきれた生ものゴミ)とダンボールが多く出て困っておられました。
これらをすべて燃やすことが2000年ころまでは許されていました。
その後は、公害問題(各種酸化物や煤煙)で許可されなくなりました。
生ごみが燃やせる、燃焼温度800℃の焼却炉は認可されなくなりました。
燃焼温度1500℃の焼却炉は、すべて溶融できることで認可されています。
生ごみを産業廃棄物として業者に引き取ってもらう経費は、10,000円/トンでした。
しかも、ゴミが発生した自治体の責任で処理しなければなりませんでした。
生ごみは水分が80%以上あります。
これを発酵して、一次コンポストにする提案をしました。
発酵させれば、水と炭酸ガスが空中に放出されることで減容化ができました。
1,000トンのごみは、400-500トンになるのです。
一次コンポストは必要とする自治体に運びだせることが容認されていました。
他の自治体まで搬送し、さらに二次コンポストにすることで付加価値が高まります。
問題がありました。
食品スーパーで発生する生ごみ(弁当残渣)は食塩濃度が1%以上あり、肥料にはなりませんでした。
牛や豚の餌(飼料)には、適応できました。彼らには塩分は必須です。
飼料となると安全性が問われます。生ごみから異物(金属、箸類)を取り除かなければなりませんでした。
次に大量に出るダンボールが問題となりました。
業者は有価で引き取ってくれるのですが、かさばるため保管に苦労していました。
一次コンポスト生産で、生ごみとおがくずを混ぜていました。
食品スーパーがある多くの地域では、おがくずは入手困難でした。
おがくずの代用品として、ダンボールを使う提案をしました。
ダンボールをシュレッダーにかけて粉砕し、おがくずくらいの大きさにするのです。
大半(生ごみとダンボール)のごみ処理ができるし、さらに二次コンポストとして付加価値がつくことになりました。
二次コンポストを作る現場を見ました。
一次コンポストをおがくずに混ぜて、2-3日置きに天地返をするのです。
約1か月で良い肥料になりました。そこでは、塩分濃度が1%以下でした。
多くの農家の方がとりに来られていました。無料で配っていました。
産業副産物には、宝が埋まっています。
気をつけなければならないのは、産業副産物の100%を処理する知恵が必要です。
宝だけ取るのでは、二次的な産業副産物が発生しこれが多くの不法投棄を起こさせるのです。
多くのゴミが捨てられています。
インドネシアでは、そのゴミを個人が集めています。
貧しい地区では、そのゴミを売ったお金が、医療費となるのです。
人々は、貧しくて医療費が払えません。
ある医者は、ゴミを集めて持って来てくれた人にゴミ通帳なるものを発行します。
ゴミ通帳にストックされた金額だけ、医療費が無料となるのです。
ゴミはなくなり、治療は無料で受けられるようになったそうです。
その地区では、病気や怪我で亡くなる人が少なくなったそうです。
私は、技術だけに頼らないこのような発想が尊いと思います。
私達は、あきらめないで知恵を絞らなければならないのです。
2015年11月16日