故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

Slow life

2019-01-20 10:18:04 | プロジェクトエンジニアー

Salzburg にあった教会の地下道です。
ろうそくと鉄板に刻んだ紋様です。壁に映って揺らぐおどろおどろの世界です。
たったこれだけのことなんです。私の脳裏はいつまでも覚えています。


今日のたいとるは、「Slow life」です。
Wikipediaによると、
1990年頃のバブル景気中に、ファストフードに代表される大量生産・高速型のライフスタイルや、
モータリゼーションの進展による都市の郊外化が進んで行った。
これに伴い、全国各地には郊外型ショッピングセンターやロードサイドショップが急増し、
中心市街地の空洞化(ドーナツ化現象)やスプロール現象が進行している。その結果、
地方都市が画一的な様相を呈する傾向にある。
これに対して、有機農産物や地元産の農産物が奨励されたり(地産地消運動)、
沈着型でゆっくりした生活様式を唱える動きが出たりするようになった。
これをまちづくりに応用した思想は、「ニューアーバニズム」とも言われている。
(Wikipedia より抜粋)

家を買うときに大事にすることって何でしょう。
私は、いろんな職種の人が住んでいる街を選びました。
その町の商店街は、次から次に世代が変わっていきました。
シャッター街にならずに、畳んだ店舗跡ですぐに若い人が新しい店を始めました。
古くからある靴店は、常に「閉店セール」を謳っていました。
10年以上閉店セールを続けていました。
裏通りにあった燃料店が廃業したあとに、鉛筆ハウスが3軒建ちました。
確かに、お年寄りが住んでいる一軒のしもた屋の両側は、コイン駐車場でした。
何を待っているのかなと思ったものです。

駅に近く、緑が多い方がよい。
ハードを追うと、ソフトが見えてこなくなる。
今はいいけど、10年後また20年後は求めるものが変わってくる。
自分も変わってくる。
変化に強い地域というのは、永年の知恵がある。
短期的にも魅力がある。
欲しいものが、そこにある。
欲しいものの代わりになるものがある。
つまり、多機能で柔軟性がある。

駅に近いと言っても、そのうちインターネットが普及し在宅で仕事ができるようになる。
駅のファクターが小さくなる。
神社があれば、広場にもなるし信心深い人の通う場所になる。
緑がある。
人々が求める機能がある。
長い時間をかけて淘汰され残ったものがある。

スローライフは、地産地消を生む。
よくあるのは、地産地消が先に来て、何か新しいもの(特産物など、道の駅)を作らなくてはとなる。
良いものがあって、美味しく食べさせる知恵がある。
いつまでたっても廃らない食文化となる。
その食文化に人が引き寄せられる。

蔵カフェを始める前に気を付けたことが一つだけあります。
カフェ2階のどこから見てもすべてが見える空間にしようと思いました。
夜の予約人数に合わせて、自由にレイアウトが変えられるように空間を設計しました。
入り口をどこからでも見える(一元管理)ようにしました。
よちよち歩きの子どもの安全は、入り口だけを見ていればよいのです。
あとは、子どものおまかせです。椅子机だって子どもにとっては遊び道具です。
2階からよく飛ぶ音が聞こえます。
蔵は、重量物を保管する場所だから梁も太くピッチも狭い。

蔵の2階には、畳、電気カーペット、ソファ、椅子机とあります。
寒がりは、カーペットの場所、座りにくい若者は、椅子かソファです。
膝を傷めたお年寄りにも快適です。椅子かソファーです。
入り口以外は俯瞰で見渡せるから、空間にいる誰とでも話せるし表情が見える。

浅草寺境内の仲見世も、沖縄の公証市場も外から中が見える、中からも外が見える。
入り口に戸がないのです。中のような外でもある。曖昧なゾーンが人の出入りを楽にしているのです。
道の駅の下屋は、とても大事な場所です。
作物が多い時は、下屋の下にも陳列する。つまりバッファーです。

商店街の活性化をするときに、一番に取り組んだことは互いの店の良さを知ることからでした。
時間のできた人が順番に、訪れた人々を案内します。
ライバル店だって案内しなければならない。
知らなきゃ伝えられないし、知ってもらわなきゃ説明してもらえない。
商店街全体が、オープンスペースとなる。
だったら、商店街全体で駐車場を作ろうかとなり、役に立つならと場所を提供します。

「Slow life」は、生き方です。
何かがあって、実現するスーパースペースではない。
永年の生きる知恵が、街を回すのです。
無くなった歯車の代わりのものを求めているのです。
それを見つけたところが生き残る。

東京だって、格差が生まれると言われている。
魅力がない町は、淘汰されて過疎になる。

風が抜け 孫が通りの 風となる

2019年1月20日
コメント
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