故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

纏っているもの

2020-06-13 04:07:56 | よもやま話

絵のタイトルは、「朝のお勤め」です。
この方のことは知りません。かしこむ巫女の前では神官そのものです。


今日のタイトルは、「纏っているもの」です。
神主は白い着物に浅葱色の袴、坊主は袈裟、会社員と銀行員は背広、労働者は作業服と決まっています。
「らしさ」を醸し出すのが服装です。

余市にある有名なゴルフ場に、先輩と一緒に出掛けました。
乗りつけたのは、作業用トラックでした。
出てきた支配人風の男の人が、「今日は作業が無かったはず。駐車するのは端っこにお願いします」と、
出てきて挨拶をされました。
先輩は、カバーを開けてやおら立派なゴルフバッグを取り出しました。
「作業が中止になり、やってきたよ」と言われました。
あとは、推して知るべし。

同じく先輩は、作業服で銀行に出かけました。
出てきた銀行員はいぶかしげな男が来たと、不機嫌な態度だった。
先輩も先輩なら、銀行員も銀行員。
「お前たちの制服は背広だけど、俺たちの制服は作業服だ。文句あるのか」と一喝。
融資の話をしに来たのだとか。

「纏っているもの」が、他人には異様なのに当人はなんとも思わない。
服装のことではありません。醸し出すもののことです。
子供の幼稚園の作業の打ち合わせなのに、すでに引退されている会社役員なのに、
残念ということがあります。言葉遣いと態度が横柄なのです。
家庭でそれ(俺様にお茶)をやると、稼いでいるうちは我慢だけど、定年後は推して知るべし。

そういう私もその一人です。
この地に来た時、どの方も無関心でした。
地縁、血縁もない期待されない移住者は、冷たいものを感じました。
それなりの仕事をしてきたつもりでした。自負と自尊心は粉々にされました。
今は、真っ黒に焼けどこから見ても農家の親父です。
どんな服装をしていても、「マスター」と呼ばれます。
私が普段何をしているか、皆さんよく知っておられます。

長年同じ仕事をしていると、「塩漬け」になった臭さ(らしさ)を身に纏います。
オンとオフをしっかり区分しなかったからです。
雰囲気だけでなく、考え方もそうなりやすい。困りものです。
私も大いに気を付けましょう。

上下とは 酒飲む席で 無縁なり

2020年6月13日

<<後述>>
急いでいます。これから友人たちと筍(はちく)狩りです。
行ってきます。
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塩入ウーロン茶(Part2)

2020-06-12 01:56:45 | よもやま話

絵のタイトルは、「あんさん、なんや」です。
昭和記念公園に木枯らしが吹いていました。
必死にしがみつく松ぼっくり二つ。


今日のタイトルは、「塩入ウーロン茶(Part2)」です。
雨予報が、曇りになり果ては晴れた。
雨になる前に、はやと瓜用やぐらを組もうと頑張った。
脚立の上り下りが結構堪(こた)えます。
果樹園農家にとって、剪定作業は必須の仕事です。
脚立の上り下りができなくなると引退とか言っておられました。

大汗をかき、試しに「塩入ウーロン茶」を飲んだ。
あれ、塩気を感じない。むしろ美味しい。
そこへ大工が話しかけてきた。
「塩入ウーロン茶」の話になった。
一昨日は、36℃の猛暑であった。熱中症になりそうだから早めに仕事を切り上げたとのこと。
塩が入っている飲み物は、この時期「味の素」が入っているんじゃないかと思うほど美味しいとのこと。
やはりそうなんだ。

これまで何度か大儲けする話があったと、大工は言う。
人を使って、大きくやらないかと言う話を持ち掛けられた。
そのたびに、「器じゃない」と断ってきたとのこと。
一人でやってる分には、かつ丼を食べるくらいはできても、家を新築するほどは稼げない。
話を持ち掛けた人に言われた。

仮に、人を使ってやっていたら、今も現役の大工としてやってこれただろうか。
一人でやってきたから、今でも現役で仕事ができるんじゃないだろうかと思った。
でも言わなかった。大工もわかっていること。

2015年9月26日投稿記事「笑わせる」では、
金持ちや男前が羨ましいかい。
若い現場社員に聞きました。

お前たちは、貧乏故に車に乗れないし、
日曜日も現場で身体を動かさなければならない。
男前じゃないから、努力奮闘しないと好きな彼女は落とせない。

車に乗り、美味しいものを食べていたら、
足腰は弱るし、果ては糖尿病になるかもしれないよ。
女の人に付きまとわれて、いっぱい泣かすことになるかもよ。

想像すらできない若い社員達は、
なんとなく元気になってまた働くのです。
(記事より抜粋)

ものは考えようです。
「生涯現役」でいいじゃない。
塩入ウーロン茶が美味しいと知ってるだけでも果報者です。

炎天下 無事に返すが マネージャー

2020年6月12日
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塩入ウーロン茶

2020-06-11 13:08:00 | よもやま話

絵のタイトルは、「名物男」です。
副題は、「いたらうるさい、いなきゃ寂しい」です。
今年の春に亡くなられました。いい男でした。


塩梅と言う言葉があります。
料理の真髄のような言葉です。
雨でも嬉しい。野菜が潤うから。
晴れでも嬉しい。野菜が育つから。
熱中症対策として水分を採っている。
喉の渇きをいやすのにウーロン茶を用意した。
沸かして井戸水で冷やした。ついでに塩を一つまみ入れた。
試飲した。まずい。
塩分が必要と思うなら、別に舐めた方がよい。
脳は期待するウーロン茶の味を覚えており、拒否反応を示した。

今日のタイトルは、「塩入ウーロン茶」です。
子供が困るだろうと、転ばぬ前に助けてしまう。
よけいなことをしてしまう。
子供にとって、困ることも必要だろうし、痛みを知ることも大事なことです。
我が家では、痛くても眠くても助けてはもらえません。
自分で何とかしなさい。妻の方針です。
冷たい女です。

腹が減ったら料理を自ら作る。
まずくならないよう、必ず味見をする。
なにもかも自分でやる。できないと妻に相談する。
妻には簡単なことだけど、私には途方もなく難しいことである。
逆に、筋肉労働となるといの一番に妻は助けを求める。
やって当然と言う顔をする。
ちょっと図々しいかなという時は、「こんなことができたらよいな」と独り言をいう。
私は、何度も聞くのがいやだから、すぐに実現する。
やってとは言わなかったのよ。勝手にあなたがやったのよ。

「塩入ウーロン茶」は、飲んでみなければ分からない。
普通の状態ならまずい。
汗をかいて、へとへとの時はどうか、これから試してみる。

古今東西、驚くような味付けに出会うことがある。
パクチーは、とても辛い。
タイで食べた時は、経験したことがない辛さだったけど、美味しいと感じた。
こんなものまで食べるのか。見た目がよろしくない蜂の子ごはん。
食べたら、油が程よく乗ってジューシーで美味しかった。
どれもこれも味付けがよかったからに他ならない。

都会では、一万歩の散歩をしていた。
足らぬと片足ⅠKgの重りの入った靴を履いて歩いた。すぐに筋肉痛になってやめた。
ところがここではどうだ。
毎日が2Kg入りの重りの靴を履いているような苦行の数々です。
畑仕事や山仕事のことです。
何年も徐々に重しを増やしていくと、何とかできるようになっています。
仕事が待っているので、筋肉痛なんて言ってられない。
片づけなければ次の仕事に進めない。
仕方なくやっている。

きっと、「塩入ウーロン茶」にもなじめるはずである。
作ったからには飲み干してやる。
それには、身体が欲しがるよう汗を流すしかない。

卵先 鶏が先 答えなし

2020年6月11日
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返す当てのない恩返し

2020-06-10 00:50:14 | よもやま話

絵のタイトルは、「何を包もうか」です。
柏の葉です。あなたは、何を包みますか。


今日のタイトルは、「返す当てのない恩返し」です。
両親に育てていただきました。恩師や先輩に指導していただきました。
友人たちと楽しい時を過ごしました。総じて、故郷です。
返そうにも、故郷は遠しです。

勝手に、4歳で恩返しは終わっていると信じています。
返す先は、未来であり次世代の方々となってしまいました。
信じていたものが、コロナで一気に覆されました。
新しい取り組みや考え方が出てきています。
戦後や大震災の時も同じでした。

なかでも、人材とKnow-howのシェアが見直されていると聞きました。
これまでは、分業が進みトップダウンの組織の中では、隣り通しや地域内でさえ交流はありませんでした。
ましてや、人材とKnow-howのシェアなんて、思いもしないことでした。
すべて経済ありきの世の中です。

エンジニアリング会社に勤めていた頃、Know-howに関する講演や記述を依頼されたことがありました。
当時の最先端の技術と考え方を惜しみなく公開しました。
何故なら、仮に同じプロジェクトをやることになったにしろ、5年先や10年先だったからです。
だったら、使って欲しいと考えました。そのほうが、迫力も説得力もありました。

考えて見たら、先人たちの生きざまそのものが、Know-howの塊であり知恵の結集でした。
時代の転換は速く、新しい技術の開発者も10年も経てばお払い箱です。
それなのに出し惜しみする。性でしょうか。
情報社会の世の中に隠すものなんて何にもない。ネットを見れば、何だって出ている。
但し、情報通りに料理を作っても美味しくない。塩梅が効いていないからでしょう。

私達は、Yesと言えないくせに、Noとも言えない。
完璧な物なんてないことに、今回思い知らされた。
正直に、「こうであったら良いな」を追求する。
人がやってくれるのを待つなんてできない。
自ら、身近の「こうであったら良いな」をやる。
口もきかない隣り通しが、遠慮となわばりの垣根を越えて動き出した。
巻き込むではなく、シェアが始まっている。
どちらも得するWin-winではなく、無制限のシェアである。
依然として、シェアに躊躇する。
「返す当てのない恩返し」は、闇に葬られる。

キャベツ葉 蝶には外を 内を食べ

2020年6月10日
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音、風と光

2020-06-08 06:18:05 | よもやま話

杉林の木漏れ日、苔の上にひっそりと咲く「しょじょうばかま」です。


4時から起きている。
4時は、まだ薄暗い。濃い緑の印象である。
5時を回るころから薄い緑になる。どの枝もそよがない。
鳥が朝餉に忙しそうだ。仲間に呼びかける声がする。森から畑に移動する。
今日のタイトルは、「音、風と光」です。

タイトルが浮かばないまま、小一時間が過ぎる。
6時前には、しらっちゃけてきた。しかし、森の奥まで光は届かない。
やはり無風である。柳の小枝さえ動かない。

今日は、つるものの世話をしよう。
ゴーヤとへちま用の網をかけてやろう。夏には高さ4mのすだれになる。
はやと瓜用のやぐらを組んでやろう。できれば、竹の八割を垣根のようにやぐらに取り付けたい。
頼んでいた大きめの八割の道具が届くだろうか。
どのつるも伸びたくて仕方がない。着る服が、履く靴がすぐにつんつんになる小学生のよう。

音も風も止まった。光だけが滝のごとく勢いを増している。
トマトがどんどん大きくなってるぞ。妻がいう。言外に早く屋根が欲しいな。
私は、枯れてきた笹を燃やしたい。
もうすぐ、私も動き出す。

突然、「ちょっとコイ」とコジュケイが鳴き始めた。
しばらくしたら、静寂が戻った。
朝日が影を作る。かえるが試しに鳴いた。
今日は雨は降りそうにない。一声でやめた。
野鳩の声がする。朝日が出るとともに森は騒がしくなった。
畑の土の表面が白さを増しているように見える。今日も暑い日になるのだろうか。

私は自然の中にいる。
畑に出かけようかな。

サンダルを 長くつに替え 朝露と

2020年6月8日
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