地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

フィリピンの不思議

2011年04月07日 | Weblog

ご存知のとおり、フィリピンではタガログ語と英語が公用語であるため、たいていのフィリピン人は英語が流暢だ。
国家戦略として海外に出稼ぎ労働者を送り出すフィリピンとしては、国民が英語を話せることが大きな武器となっている。

フィリピン人の会話を聞いていてちょっと不思議なのは、彼らは日常的にタガログ語で会話をしているのだが、ところどころ英語が混じるのである。
タガログ語で話しているのに、数字や曜日が急に英単語だったり、”By the way…”とか、”OK, no problem…”などと言った英語が突然混じるのである。
本人たちは特に意識をしているわけでもなく、自然に混じってくるらしい。

それは庶民の会話だけでなく、ニュース番組や著名人のインタビューや正式な場でのスピーチでも見られる現象である。
外来語をカタカナで取り入れている日本語ともまた状況が違っていて、とても不思議な感じだ。
英語が話せるのは良いことだと思うが、タガログ語の運用はきちんとした方が良いのではないかと、余計なことを思ってしまう。
まあ、そもそもタガログ語にはスペイン語などが入り込んでしまっているのだけど。

地名や人の名字はスペイン語のオンパレード。
Castilloとか、なんちゃらDe la Rosaとか、Fernandezと言った苗字も多い。


そういや名前の方は英語圏の名前っぽい人が多いが、この前1人「クレオパトラ」っていうのがいたな…。
「親も思い切った名前つけたよね~。クレオパトラって名前でブサイクだったりしたら一生親を恨んでグレるよね~」などと話していたのだが、実際会ったクレオパトラちゃんはまあまあかわいかったので安心した。

そういやマリー・アントネットっていう、パロディーみたいな名前もあった。




さて、タガログ語に英語を混ぜるパターンが多いが、逆に英語にタガログ語を混ぜ込むパターンもよくある。
タガログ語では、語尾にPOをつけると丁寧語になる。
なので、英語でしゃべっていても”Thank you po.” “Good morning po”などのように語尾にポをつけることが多い。
 
私もすっかりそれに慣れてしまって頻繁に使っているが、正しい英語がしゃべれなくなってしまうのではないかという不安もよぎる。
ベトナム語では語尾にnhaとかnheをつけることが多く、やたらとニャーニャー、ニェーニェー言ってたが、今ではやたらとポーポー言っている。



また、英語でもアメリカ英語とは違う表現が多い。
名刺のことは基本的にCalling Cardと言うらしい。
辞書で意味を調べてみると、主に誰かを訪問して不在だった場合に置いていく名刺のことをCalling Cardと言うようだ。
どこかの英語圏では一般的に使われているのかも知れないが、アメリカではBusiness CardやName Card以外の表現を聞いたことがない。

電話の内線のことはExtensionではなく、Localと言うらしい。

ちょっとした表現が違うので、慣れるまでは少々とまどう。



さて、そろそろ日本にポストカードなど出したいなと思うのだけれど、こっちへ来てから一度もポストカードを売っているのを目にしたことがない。
先日、同僚の日本人がホテルのフロントに「切手はありますか?」と聞いたところ「ない」と言われ、「じゃあ、郵便局は?」と聞くと「遠いところにあるから車でしか行けない」と言われたそうだ。

一応マカティ中央郵便局の場所は知ってるが、それ以外の支店らしきものは見かけない。
さらに「郵便を投函するポストはどこにありますか?」と聞いたけど、答えは「分からない」だったそうだ。
その後、アジア最大級のモールに行った時に郵便局を探し出したそうだが、メインのショッピングエリアからは遠く離れた、かなり不便で目立たない場所にあったそうだ。

フィリピン人は手紙とか出す習慣があまりないのかな。
そもそも郵便システム自体が未整備な気がするが。

というわけで、いまだポストカードを出せていない。




フィリピンはID社会だ。
やたらと写真つきIDカードを発行する。
写真つきIDなんて簡単に偽造できてしまうと思うけど、やたらと写真つきIDが使用されていて、あちこちで提示を求められる。
先日、誰かがのどの調子が悪いので薬局でうがい薬だかトローチだかを買おうとした時ですら、IDの提示を求められてびっくりしたそうだ。

ID以外でも何かを申請するときにたいてい写真を張り付ける必要がある。
銀行の口座を開くときも、申込用紙に写真2枚を添付しなければいけない。

なのでフィリピンに到着したらまずは様々なサイズの証明写真をたくさん撮っておく必要がある。

事務所ビルの1階に写真屋さんがあったので、何回か利用した。
ただし、写真屋と言っても店員がごく普通のデジカメで写真を撮り、それをご家庭用プリンターみたいなのでその場でプリントしてハサミで切って渡してくれるだけ。
他のお客さんも行き来する店先で、白い壁をバックに写真を撮ってもらうので落ち着かない。





やたらとID確認をするのも治安と関係しているのかもしれないが、フィリピンでは本当に治安が悪いので、公共の場へ出入りする際のセキュリティは厳しい。
スーパーやショッピングセンターでは、入り口と出口が必ず別になっていて、入り口では銃を持った警備員が手荷物チェックを行う。
どこのお店でも学校などの施設でもそうだ。
銃を持った警備員が必ず入り口にいて、警備だけでなく細々した雑用もしてくれる。
スタバの警備員さんなどは、お客さんが帰ったあとのゴミの後片付けまでしてくれていた。

銀行などの前だと機関銃を持った警備員となる。
国軍の兵士も見かける。
麻薬捜査犬などがいることもよくある。

毎日のように銃撃事件や誘拐事件が発生しているのは南のミンダナオ地方だが、マニラでもちょいちょい爆破事件などが起きているので油断は禁物。


尚、現地の日刊まにら新聞に載っている広告は、見事に違法ぎりぎりアウトぐらいの風俗店の広告ばかりだ…
朝日新聞とかには絶対に掲載されることはないであろう表現のオンパレードだったりする。





こんなフィリピンですが、みなさん是非遊びにお越し下さいませ。