『おうっ!行くぞっ!皆、道中気をつけろ。いいな、続けっ!』
アエネアスは、燃え盛るトロイに一瞥をくれて、ためらわず馬にムチを入れた。
馬囲いの地を出た一行は、川筋を海岸に向けて駆けた。
アエネアス、そして、アレテスに率いられる一団は、脱出の途についた。アエネアスの父と息子アスカニウスは、6人の兵を配されて、一団の巻き上げる砂塵の中にいた。
駆ける一団は、声を発しなかった。無言でただひたすらに駆けている。砂の多い大地は、馬蹄の響きを消していた。
彼らを導く星は、頭上にまたたいていた。
アエネアスは、燃え盛るトロイに一瞥をくれて、ためらわず馬にムチを入れた。
馬囲いの地を出た一行は、川筋を海岸に向けて駆けた。
アエネアス、そして、アレテスに率いられる一団は、脱出の途についた。アエネアスの父と息子アスカニウスは、6人の兵を配されて、一団の巻き上げる砂塵の中にいた。
駆ける一団は、声を発しなかった。無言でただひたすらに駆けている。砂の多い大地は、馬蹄の響きを消していた。
彼らを導く星は、頭上にまたたいていた。
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