夜明けには、一刻の間がある。ヘレノスが率いる一隊は、辛うじて、予定した闘いの場に、敵の一隊よりも一息だけ早く到着したようである。彼らは、暗い藪影に身を隠し、息を整えた。隊を二つに分け、敵を前後から襲撃できる闘争形態を考えて身を隠した。波うちの波の音が、かすかに耳を打つ、船舶の係留地まで、あと200メートルぐらいに迫った地点であった。
敵の一隊が接近してくる、17~18人の小部隊であった。
先頭のいかつい男が、くぐもった胴間声で兵たちに指示をした。
『一人残らずやれ!それがすんだら、船に火をかけろ!ぬかるな!』
彼らは、松明を持ち替えて、抜剣した。彼らは、ヘレノスたちの潜んでいる目の前を通り過ぎた。ヘレノスの指示が走った。彼らは、敵を背後から襲撃した。
突如、撃剣の打ち合う音が夜明け前のしじまを破って、鳴り響いた。
敵の一隊が接近してくる、17~18人の小部隊であった。
先頭のいかつい男が、くぐもった胴間声で兵たちに指示をした。
『一人残らずやれ!それがすんだら、船に火をかけろ!ぬかるな!』
彼らは、松明を持ち替えて、抜剣した。彼らは、ヘレノスたちの潜んでいる目の前を通り過ぎた。ヘレノスの指示が走った。彼らは、敵を背後から襲撃した。
突如、撃剣の打ち合う音が夜明け前のしじまを破って、鳴り響いた。
