『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  トラキアへ  36

2009-09-07 08:23:59 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 軍団の幹部、隊長たちと浜頭連が一つ屋根の下に会同して話し合うことになった。
 アエネアスは、トリタスをはじめ他の三人の浜頭たちに、オキテスの船団に対する配慮、砂浜で展開した戦闘、その後に浜衆たち総出で開いてくれた宴のことについて、改めて、厚く礼を述べた。
 一同が座について話し合いが始まる。先ず、アエネアスから話し始めた。
 『浜頭の皆さん、私たちは、このエノスの土地の詳しい事情がわかっていません。我々が今後、これからどうするか。について、考えなければなりません。どうか、あれこれについて、教えていただきたい。また、相談にものっていただきたい。宜しく頼みます。』
 『では、』 と口を開いたのは、トリタスであった。
 『先ず、私から、お話しいたしましょう。今の領主ポリメストルが、先王の頼みで、トロイに派遣した部隊が、さんざん、ギリシアにやられて、生き残った者たちが、這う這うの態で帰ってきました。帰ってきたのは、派遣した部隊の2割足らずでした。領主は、かんかんに怒りました。領主のポリメストルは、この部隊の派遣には、最初から反対だったのです。』 彼は、ここで一息ついた。