この日彼らは、思い思いのところで身を休めて暁を待った。
アエネアスは、久しぶりに息子ユールスを抱いて寝についた。
瞬いている星が、ひとつ、またひとつと光を消していく、暁が訪れる。今日の曙光が平野を照らし始めた。砦の東面が朝日を浴びて輝いた。
イリオネスは、東西南北の砦の全ての門を開けさせた。彼は東側の回廊から、ひときわ大きい、この日の大日輪向かって敬虔な気持ちで祈りをささげた。大きな事故にもあわず、滞りなく、建設の諸事を終えたことを感謝し、皆とともにある未来の健全なることを祈りあげた。
ひとり、またひとり、と姿を現してくる。彼らも門の前に立ち深く一礼して、居を定めるべく割り当てられている宿舎に入っていく。
イリオネスとアレテスは、この光景を見つめていた。定住のところを得た者たちの安堵した表情を見ることができた。
宿舎の戸口には、係りの者がいて指示している。市民たちは、オロンテスの指示に従っている。入居を終えた者たちは、食糧倉庫に蓄積食糧の運搬、移入の仕事にたずさわっていった。軍団の者たちは、アカテス、カピュースの指示を受けて、武器庫に軍団の武器を、また、接収した戦利品の数々を倉庫に収めるべく忙しそうにたち働いた。そこには、繁多な光景が展開されていた。
西門の前の広場では、リナウスが儀式の祭壇つくりに、部下たちを叱咤して取り組んでいた。儀式に関する諸事が遅滞することなく進んでいた。立ち木に繋がれているいけにえの羊が声をあげていた。
アエネアスは、久しぶりに息子ユールスを抱いて寝についた。
瞬いている星が、ひとつ、またひとつと光を消していく、暁が訪れる。今日の曙光が平野を照らし始めた。砦の東面が朝日を浴びて輝いた。
イリオネスは、東西南北の砦の全ての門を開けさせた。彼は東側の回廊から、ひときわ大きい、この日の大日輪向かって敬虔な気持ちで祈りをささげた。大きな事故にもあわず、滞りなく、建設の諸事を終えたことを感謝し、皆とともにある未来の健全なることを祈りあげた。
ひとり、またひとり、と姿を現してくる。彼らも門の前に立ち深く一礼して、居を定めるべく割り当てられている宿舎に入っていく。
イリオネスとアレテスは、この光景を見つめていた。定住のところを得た者たちの安堵した表情を見ることができた。
宿舎の戸口には、係りの者がいて指示している。市民たちは、オロンテスの指示に従っている。入居を終えた者たちは、食糧倉庫に蓄積食糧の運搬、移入の仕事にたずさわっていった。軍団の者たちは、アカテス、カピュースの指示を受けて、武器庫に軍団の武器を、また、接収した戦利品の数々を倉庫に収めるべく忙しそうにたち働いた。そこには、繁多な光景が展開されていた。
西門の前の広場では、リナウスが儀式の祭壇つくりに、部下たちを叱咤して取り組んでいた。儀式に関する諸事が遅滞することなく進んでいた。立ち木に繋がれているいけにえの羊が声をあげていた。