『失礼しました。エノゼリアス領主、これから、砦の完成式を執り行います。どうぞ、こちらへ』
エノゼリアス領主は、準備されている席に一行を従えて着席した。
『領主、お変わりなく』
トリタスが声をかけた。一行の者たちもトリタスの方に顔を向けた。
『お~お、トリタスではないか。達者に過ごしているか』
『はい、おかげさまで、達者に過ごしております。今日は、アエネアスの砦の完成式にお運びですか。いつもながら、ご壮健そうで何よりと存じ上げます』
『トリタスも完成式に来たのか』
『はい、さようです』
二人は親しく交誼の言葉を交わした。
アエネアスは、黒と白の羊を屠り、祭壇に供え、酒を酌み、砦が完成したことについて、神に感謝と行く末の安泰と平安を祈りあげた。
ついで、集まっている皆の方に向き直り、力強く宣言した。
『此処に告げる。皆の総意に基づき、この砦を『アエネーダナエ』と呼ぶ。神の大いなる庇護を受け、皆によって造られた、皆とともに栄える、皆の砦である』
歓声が上がった。大歓声である。歓声は、砦を震わせ、森の木々をも震わせて響き渡った。
エノゼリアス領主は、準備されている席に一行を従えて着席した。
『領主、お変わりなく』
トリタスが声をかけた。一行の者たちもトリタスの方に顔を向けた。
『お~お、トリタスではないか。達者に過ごしているか』
『はい、おかげさまで、達者に過ごしております。今日は、アエネアスの砦の完成式にお運びですか。いつもながら、ご壮健そうで何よりと存じ上げます』
『トリタスも完成式に来たのか』
『はい、さようです』
二人は親しく交誼の言葉を交わした。
アエネアスは、黒と白の羊を屠り、祭壇に供え、酒を酌み、砦が完成したことについて、神に感謝と行く末の安泰と平安を祈りあげた。
ついで、集まっている皆の方に向き直り、力強く宣言した。
『此処に告げる。皆の総意に基づき、この砦を『アエネーダナエ』と呼ぶ。神の大いなる庇護を受け、皆によって造られた、皆とともに栄える、皆の砦である』
歓声が上がった。大歓声である。歓声は、砦を震わせ、森の木々をも震わせて響き渡った。
