オキテスは、自船が左へ回頭するのを確かめた。そして、後続の各船に目をやり、回頭作業の完了を確認した。
程遠からぬ位置を進んでいるギアスの舟艇を手招きで呼び寄せた。
『オ~い、ギアス!聞こえるか』
『聞こえます』
『パリヌルスに連絡を頼む。上陸したら全員を整列させてほしい、統領の上陸歓迎だ。浜に横隊、向かって右から左へ閲兵だ。以上だ』
『判りました』
舟艇は、勢いをつけてその場を離れていった。
船団は六条の航跡を海面に残して、浜を目指して進んでいる。目指す先の半島の上の空がほのかに明るい、月が昇り始めていた。こがね色をした月である。淡いながらも黄いろみを帯びた見るからにでっかい月であった。
オキテスは、停船、下船、上陸の一連の作業指示を、何時、発するかを考えて心の琴線を張りつめていた。
間をおかず、そのときが訪れた。月の高さがほどいい高さにのぼっている。彼は、アミクスに水深を測らせた、胸辺りの深さだ。すかさず、クリテスに状態を質した。
『浜まで残すところ、この距離です。もう大丈夫です、心配ありません。停船のうえ、上陸指示を発していただいて結構です』
『おいっ!アミクス、信号だ!『停船、上陸せよ』だ』
『判りました』
程遠からぬ位置を進んでいるギアスの舟艇を手招きで呼び寄せた。
『オ~い、ギアス!聞こえるか』
『聞こえます』
『パリヌルスに連絡を頼む。上陸したら全員を整列させてほしい、統領の上陸歓迎だ。浜に横隊、向かって右から左へ閲兵だ。以上だ』
『判りました』
舟艇は、勢いをつけてその場を離れていった。
船団は六条の航跡を海面に残して、浜を目指して進んでいる。目指す先の半島の上の空がほのかに明るい、月が昇り始めていた。こがね色をした月である。淡いながらも黄いろみを帯びた見るからにでっかい月であった。
オキテスは、停船、下船、上陸の一連の作業指示を、何時、発するかを考えて心の琴線を張りつめていた。
間をおかず、そのときが訪れた。月の高さがほどいい高さにのぼっている。彼は、アミクスに水深を測らせた、胸辺りの深さだ。すかさず、クリテスに状態を質した。
『浜まで残すところ、この距離です。もう大丈夫です、心配ありません。停船のうえ、上陸指示を発していただいて結構です』
『おいっ!アミクス、信号だ!『停船、上陸せよ』だ』
『判りました』