『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  15

2013-05-15 07:22:43 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 スダヌスは、アヱネアスらと顔を合わせた。
 『やっややっ!これはこれは、皆様方お揃いで。統領、先日は俺が浜へおいでいただいた折にはご無礼いたしました。今日は、私のほかに浜頭三人が同道しております。何卒、よろしく。これこの通りです』
 彼ら四人の浜頭は、深々と低頭した。
 『あ~あ、先日、スダヌス浜頭のところでお会いした皆さんですね。トロイの民を統べているアヱネアスです。よろしく』
 『軍団長殿、如何ですか、この島の住み心地は?』
 『住み心地ね。気候が温暖で過ごしやすい。それが何よりと喜んでいます』
 『ところで軍団長殿、いや~、あれはとても気持ちがいいですね。朝起きて寝床から這い出て、海に身を浸す朝行事、あれで気持ちがさっぱりします。癖になりますな』
 スダヌスは、イリオネスと目を合わせた。ここで言葉を改めた。
 『軍団長殿、些少です、これらをお受け取りください。私どもの気持ちです』
 『これはありがたい、喜んで頂戴します』
 アヱネアスも続いて礼を述べた。
 『浜頭、ありがとう。羊が6頭もいるではないか。これは大変ないただきだな。ありがとう、感謝する』
 イリオネスは、オロンテスと昼食の件について打ち合わせた。
 『判りました、いいでしょう。場は例のところで』
 『おう、それでいい』
 オロンテスが場を立って行く、テカリオンがパリヌルスの傍らに寄ってきた。
 『おい、パリヌルス、これは何なのだ。あの四人のうちの一人、俺の顔見知りのキドニアの浜頭だぜ。名は、ダルトンと言う』