『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1260

2018-04-06 08:07:54 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスら三人が一心不乱の心姿勢でチエック作業に取り組んでいる。
 作業が進む、現代に比するとはなはだ稚拙である、計測機器など存在していない時代である。
 勘に頼ったチエック作業である、彼らとしては、それでも彼らの水準に基づいてチエックすべきをチエックする。
 浜では、アエネアスとイリオネス、建造作業に携わった者らが注意深く彼らの作業を見つめている。
 三人がそれぞれに考えたチエック項目を木板に書き付けてチエックしている、三人は照合し合う。チエックに抜けがないかを確かめ合う。
 オキテスが声をかける。
 『おう、パリヌルス、いいのではないか?』
 『おう、では、チエックの仕あげといくか。三人でチエック作業を進める』
 彼らは、三人態勢でチエック作業を進めていく、意見が絡む、話し合う。
 一艇の帆柱の建て具合に不具合を発見する、チエックもれがないようにと心配りをしながら作業を進める、最終段階に到る。
 漕ぎかたら全員を櫂座につかせてのチエックへと進む、艇の沈み具合、それに伴う喫水の深まり、考えられる操舵効果等、綿密に計画したチエック作業を終える。
 三人が協議に及ぶ。話し合いが終わる。
 『ドックス、いいな、そういうことだ。不具合を修正して、2艇を完成させてくれ』
 『解りました』
 『明後日には、修正箇所の修正を確認してテスト航走を行う』
 三人はアエネアスとイリオネスに報告し話し合う。
 『おう、チエック作業が終わったな。修正を終えて戦闘艇2艇の完成か、君ら、ごくろうであった。このあと、テスト航走を終える、テカリオンを待って、引き渡しだな』
 『はい、そうです』
 『パリヌルスとオキテスにたずねるが、この2艇の引き渡しに関して、集散所との関係はどのようなはからいをしている?』
 この問いかけにパリヌルスが答える。
 『はい、この件については、テカリオンの建造意図、そして、私らの建造に関する考え方、それはテカリオンからの試作建造の請負と言えます。そのような理由により集散所は関係せずの取引となります』
 『解った、了解した』
 『そのようなわけで価格の決定に配慮いただければ幸いです。検討よろしく願う次第です』
 『パリヌルス、その件了解する。会議の折に話し合う』
 『解りました』
 漕ぎかたら、作業員らが力を合わせて戦闘艇2艇をドックスの指示に従って建造の場の作業位置に揚陸作業をしている、丁寧な仕事運びで作業を終える。
 オキテスがパリヌルスに声をかける。
 『おう、パリヌルス、出来あがった戦闘艇だが、チエック項目の多さに比べて修正箇所が少なかった。重畳といえる。作業に従事した作業員らの建造技術、作業能力が向上したのかな?』
 『結果が示しているように、その両方が向上したと見るのが正しい。いい傾向ではないか、喜ばしいことだ』
 『そうだな、お前の言うように、喜ばしい!ドックスの関与結果でもある』
 二人は手を握り合う、目線を交わす、チエックの結果を話し合い、うなずき合った。