『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1269

2018-04-19 07:22:35 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『状況は、集散所関係の引き渡しの艇種と艇数がほぼではあるが決まっている。不明なのはテカリオンの動向だ、彼のところから注文が入るか否かがわからない』
 『そういった状況か。お前、テカリオンからの受注を期待しているのか?』
 『それはある。それがあっても、この建造計画艇数で対応していけると考えている』
 『おう、パリヌルス、よくわかった。お前の読みが理解できた。ここに書かれている建造計画艇数を承知した。俺として、補足訂正は何もない』
 『ここに書き記した建造計画艇数の9月、10月分は、この建造艇数として事にあたる』
 『了解!明日の会議での議決あるのみだな。パリヌルスごくろうであったな』
 『おう、オキテス、ごくろう!』
 二人が担当した計画作業が終了する。
 『おう、オキテス、新艇の価格の件だが、うまくいったか?』
 『おう、サービス添付条件は戦闘艇に準じるカタチでうまく決まった』
 『サービス添付条件は、ほかの船にはない船の艤装である、櫂にしても他に見ることのできない特徴がある。売りの好条件として提示できる』
 『おう、納得!納得!』
 二人の建造計画案に関する意見交換が終わる。
 キドニアから帰ったオロンテスが建造の場に姿を見せる。
 『おう、オロンテス、ごくろう』
 『おう、両人、ごくろう』
 『向こう4か月、9月から12月までの艇の建造計画案ができあがった。オキテスが持ち返った情報を組み入れての計画案だ』
 パリヌルスが出来あがったばかりの建造計画を書き記した木板をオロンテスに手渡す、見入るオロンテス、話しかけるパリヌルス。
 『おう、オロンテス、9月、10月の建造計画艇数はそれでいく。10月の記念売り出しの状況を見て、11月、12月の建造計画艇数の修正をして建造を遂行することにしている』
 『そうか、それはいい。建造計画案として申し分がない。明日の会議は、建造計画の討議ではなく、建造計画承認会議だな』
 オロンテスの言い分を受けてオキテスが答える。
 『そういうことになる。午後には完成した戦闘艇2艇のテスト航走をやる』
 『了解!明後日だが、ガリダが来るのではないのか』
 『そういうことになっている。明後日のガリダと打ち合わせる建造用材の算段をしなければならない』
 『おうおう、多忙はいいことだ』
 オロンテスが笑いながら言う、この言葉で三人の話し合いが終わる、『軍団長は?』と問いかける。
 『おう、宿舎のほうだ』
 『そうか、そちらへ行く』
 オロンテスが建造の場をあとにする。
 『おう、オキテス、お前と俺との打ち合わせもこれにて終了ということだ。俺は持ち場に行く』
 『おう、パリヌルス、では、明日な』
 パリヌルスは建造の場から去っていく、浜に終業の時がおとずれていた。