『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第11章  権謀術数  17

2008-04-04 07:55:54 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 アキレスには、もの事について考えるときに、ひとつの癖があった。牛すじの乾燥させたものを、チューインガムを噛むように、噛んで呑みくだしながら考えることであった。今朝も乾燥させた牛すじを噛みながら脳をしぼって考えた。
 彼は、決断を下した。敵を城壁にまで押し下げる、できるだけ早い時点に、敵を浮き足立たせること、それを実現するには、一手しかない。それを念頭に実行についての左翼の陣立てを考えた。敵の陣立ては、昨日と同じであろうと想定していた。ただ、中央のトロイ軍に将として、誰が来るのか懸念した。
 彼は、ネストル軍のアンチロコスとアイアースに連絡をとり、今日の作戦について、簡潔に打ち合わせのうえ、進撃の時を早めた。アキレスには、今日の前半の戦闘展開が見えていた。連合軍は進発した。踏み出した一歩は眼前の敵メムノンの軍より早かった。ネストル軍のアンチロコスの気は逸っていた。マカオンの仇も討ちたい、左翼三軍の中での一番槍もと、メムノンめがけて、戦車を駆って敵陣に攻め入った。


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