『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第11章  権謀術数  41

2008-05-03 08:01:49 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 神像の盗掠を終えた二人は、夜の明けきらないうちに帰陣した。アガメムノン、ネストル、も加えて、盗んできたパラスアテナの神像を見た。それは黄金で造られた見事なものであった。四人は、その言葉では言い尽くせない見事さに息を呑んだ。
 オデッセウスは、後事を各将に託し、トロイに止どめを刺すべく作戦計画立案にかけて、最後のトロイ潜入を実行した。トロイ城市を包囲して9年の歳月が経っているにもかかわらず、城壁は依然として無傷であり、戦いは城市から離れたところで展開し続けられてきたのである。そうである以上、トロイ城市内に侵入して戦いを仕掛け、展開しなければ勝利はあり得ない。
 この時代、エーゲ海を挟んで繁栄したギリシアとトロイ、この二つの勢力が政治と経済の覇権をかけて、ギリシアの各領国が連合して争いに挑んでいるのである。
 オデッセウスが描いている戦略構想には、敗北の入り込む余地は全くなかった。
 あと一手で勝利が決まる。慎重に慎重を重ねて作戦構想を練った。


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