パリヌルスは、試作艇の舵の概略についてドックスに説明をする。
『おう、ドックス、舵の構造は3つの部材で構成されている』
パリヌルスは、じい~っとドックスの目を見る。
『艇の方向を定める水切り板、それを保持する軸棒、それらを操作する柄と言おうか腕木の3つの部材だ。まず、部材を造る。部材は軸棒がこの舵の要である、これさえできれば完成したようなものだ』
パリヌルスは、ドックスと連れ立って用材の置き場へと足を運ぶ。
軸棒にする丸太材を物色する、次いで、水切り板にする板材、腕木にする適当な太さの丸太を選んで建造の場に戻ってきた。
『ドックス、この丸太から細工してくれ。ここに切れ目だ。水切り板を装着する切れ目だ。この部分に腕木を差し込む穴を造る。構造上、腕木はこの穴に差し込む、貫通させてくみあげる。いいな』
『解りました』
ドックスは、舵構造のヒナ型造りに取り掛かる。アドバイスの必要は全くない、ヒナ型造り作業は極めて手際よい、部材を3点、構造は簡単そのものである、あっという間にできあがる。ヒナ型が完成した。
『おう、出来あがったか、よくできている』
パリヌルスは、ドックスが作業をしている間に舵構造を保持する板を造っていた。
『おう、ドックス、出来あがった舵のヒナ型をくれ』
舵のヒナ型を受け取るパリヌルス、準備していた保持板で、舵のヒナ型の軸棒を両側から挟んで保持の形態を整えた。
『ドックス、この板を手で支えてくれ』
パリヌルスが軸棒に差し込まれている腕木のはしをつかんで動かして見せる。
『ドックス、解るな、舵をこのようにして操作するのだ』
ドックスが『あっ!』と声を上げて、パリヌルスの舵操作の模様に見入った。
『これがこのようにして動作させて艇の操舵をするのだ』
『お~お、隊長、これはいいですね』
このヒナ型造りに費やした時間は、半刻ぐらいであった。
『ドックス、この舵構造を試作艇の大きさに合致した大きさで造りつける。それで完成だ』
ドックスがうなずく。
『ドックス、オキテス隊長を呼んできてくれ。大きさを決める』
オキテスが駆けつける、三人は、揚陸されている試作艇の艇尾部を前にして立つ、オキテスが問いかける。
『喫水はどのあたりだったかな?』
ドックスが喫水の箇所を手で示す。
『よし!これくらいが適当だろう。パリヌルス、お前の考えは?』
『オキテス隊長の言う大きさを目安にして、あとはドックスに任せてどうだ』
『ドックス、直ちに造作に取り掛かってくれ。完成までにどれくらいかかる?』
『約一刻もあれば充分です』
パリヌルスが告げる。
『俺は思想の準備にかかる。ドックス、軸棒はしっかりした太さの丸棒にしたらいい。あ~、それから、腕木の長さだが舵座にいる操舵担当が操舵しやすい長さに決めろ』
『解りました』
パリヌルスは、造作の要である軸棒の太さ、腕木の長さについての留意点を言い残して、ギアスのいるところへと歩を向けた。
『おう、ドックス、舵の構造は3つの部材で構成されている』
パリヌルスは、じい~っとドックスの目を見る。
『艇の方向を定める水切り板、それを保持する軸棒、それらを操作する柄と言おうか腕木の3つの部材だ。まず、部材を造る。部材は軸棒がこの舵の要である、これさえできれば完成したようなものだ』
パリヌルスは、ドックスと連れ立って用材の置き場へと足を運ぶ。
軸棒にする丸太材を物色する、次いで、水切り板にする板材、腕木にする適当な太さの丸太を選んで建造の場に戻ってきた。
『ドックス、この丸太から細工してくれ。ここに切れ目だ。水切り板を装着する切れ目だ。この部分に腕木を差し込む穴を造る。構造上、腕木はこの穴に差し込む、貫通させてくみあげる。いいな』
『解りました』
ドックスは、舵構造のヒナ型造りに取り掛かる。アドバイスの必要は全くない、ヒナ型造り作業は極めて手際よい、部材を3点、構造は簡単そのものである、あっという間にできあがる。ヒナ型が完成した。
『おう、出来あがったか、よくできている』
パリヌルスは、ドックスが作業をしている間に舵構造を保持する板を造っていた。
『おう、ドックス、出来あがった舵のヒナ型をくれ』
舵のヒナ型を受け取るパリヌルス、準備していた保持板で、舵のヒナ型の軸棒を両側から挟んで保持の形態を整えた。
『ドックス、この板を手で支えてくれ』
パリヌルスが軸棒に差し込まれている腕木のはしをつかんで動かして見せる。
『ドックス、解るな、舵をこのようにして操作するのだ』
ドックスが『あっ!』と声を上げて、パリヌルスの舵操作の模様に見入った。
『これがこのようにして動作させて艇の操舵をするのだ』
『お~お、隊長、これはいいですね』
このヒナ型造りに費やした時間は、半刻ぐらいであった。
『ドックス、この舵構造を試作艇の大きさに合致した大きさで造りつける。それで完成だ』
ドックスがうなずく。
『ドックス、オキテス隊長を呼んできてくれ。大きさを決める』
オキテスが駆けつける、三人は、揚陸されている試作艇の艇尾部を前にして立つ、オキテスが問いかける。
『喫水はどのあたりだったかな?』
ドックスが喫水の箇所を手で示す。
『よし!これくらいが適当だろう。パリヌルス、お前の考えは?』
『オキテス隊長の言う大きさを目安にして、あとはドックスに任せてどうだ』
『ドックス、直ちに造作に取り掛かってくれ。完成までにどれくらいかかる?』
『約一刻もあれば充分です』
パリヌルスが告げる。
『俺は思想の準備にかかる。ドックス、軸棒はしっかりした太さの丸棒にしたらいい。あ~、それから、腕木の長さだが舵座にいる操舵担当が操舵しやすい長さに決めろ』
『解りました』
パリヌルスは、造作の要である軸棒の太さ、腕木の長さについての留意点を言い残して、ギアスのいるところへと歩を向けた。
