『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第14章  焼討炎上  1

2008-06-14 07:35:29 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 巨大な木馬の周りに集まった将兵たちやトロイ市民は、木馬を見上げた。
 『この木馬、何でここにおいてあるのか。』
 『あ~あ、そこに何か書いてある。俺には読めない。』
 『どうすりゃいい?』 彼等は、いぶかしさと困惑で戸惑っていた。
 そのとき、プリアモスが側近、重臣たちを引き連れて、木馬のところへやってきた。彼等は、驚きの目を見張った。見上げ見る者を射すくめるような馬の目と合い、その不気味さで身をすくめる者、『何だ、この馬!』 と足で蹴飛ばす者もいる、愛着を覚える者はいなかった。
 プリアモスは、アンテノールに訊ねた。
 『アンテノール、そこの札に何か書いてある。なんて書いてあるのだ。』
 アンテノールは、札に書いてある文言を読んだ。
 『王、では読み上げます。『トロイの守護神、パラスアテナ女神に奉献物として、この木馬を謹んで捧げる。我等は故国に帰る。』 とあります。』
 『う~ん、そうか。あ奴等、我等がトロイの守護神、アテナの神像を盗んだ。その詫びかな。』 プリアモスの言葉には、いぶかしさが含まれていた。


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