アエネアスは、意図していた為さねばならないことの一つを終えた。彼は、肩の荷を一つ降ろした。この仕事を完結させたことを、父のアンキセスは、ことのほか喜んでくれた。
炎上、消滅していくトロイ、そのトロイを去って、このトラキアの地に来て、先住の民との融和も果たし、安堵できる生活圏を定め、安んじて起居できるところを得たのである。
新しい宿舎を住まいとしての第一夜が明けた。目覚めて水浴で始める朝は、この上なく新鮮であった。浜ですれ違う、交わす挨拶の言葉も活き活きとしていた。陽射しも、まだ、地を焼いていない、この時、吹きすぎていく浜風が乾いていない肌に心地よかった。
新居第一日目の朝を迎えたアエネアスとユールスも海辺に向かった。イリオネスが数歩、先を歩んでいく。
『お~い、イリオネス』 イリオネスは振り返った。
『あ~っ!統領、おはようございます』
『おう、おはよう。一緒に行こう』
彼は、ユールスにも声をかけた。
『ユールス、おはよう』
『はい、おはようございます』
ユールスは、明るくよく通る声で返事を返した。
炎上、消滅していくトロイ、そのトロイを去って、このトラキアの地に来て、先住の民との融和も果たし、安堵できる生活圏を定め、安んじて起居できるところを得たのである。
新しい宿舎を住まいとしての第一夜が明けた。目覚めて水浴で始める朝は、この上なく新鮮であった。浜ですれ違う、交わす挨拶の言葉も活き活きとしていた。陽射しも、まだ、地を焼いていない、この時、吹きすぎていく浜風が乾いていない肌に心地よかった。
新居第一日目の朝を迎えたアエネアスとユールスも海辺に向かった。イリオネスが数歩、先を歩んでいく。
『お~い、イリオネス』 イリオネスは振り返った。
『あ~っ!統領、おはようございます』
『おう、おはよう。一緒に行こう』
彼は、ユールスにも声をかけた。
『ユールス、おはよう』
『はい、おはようございます』
ユールスは、明るくよく通る声で返事を返した。
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